「たたみかけてものを買わないこと」
家計簿の予算をいつもオーバーしてしまうと悩んでいる方は、ものを買うときの「習慣」を見直してみるとよいかもしれません。
羽仁もと子著作集 第9巻『家事家計篇』には、「買いものについて」という章があります。初版は昭和2年ですが、今にも通じる「買いものの心得」があります。
前回の「買わないとお決めなさい」に続く2回目は、「たたみかけてものを買わないこと」をご紹介します。羽仁もと子は、モノがなくなりかけたときにこそ、“工夫”することをすすめています。
この話のポイントは、「なくなるころに工夫する」です。ストックをきらさないようにという気持ちでモノを買うのではなく、ストックがない時でも、次を買うまでの間をなんとか乗り切れるテクニックがあると、気持ちもラクに、そして常にたたみかけて買うことも減るのではないでしょうか。それは、身の回りのものに関しても同じであると、羽仁もと子は語っています。食材以外にも、消耗品や衣類、家具を買うときなどにも応用できる考え方です。モノはあれば安心ですが、そのことにとらわれ過ぎるのも、本末転倒ですね。
羽仁もと子の「買いものについて」シリーズ、次回は、9月22日に公開予定です。
羽仁もと子とは、どんな人?
1873年、青森県生まれ。1897年、報知新聞社に校正係として入社。その後、日本初の女性記者として、洞察力と情感にあるれる記事を書く。同じ新聞社で、新進気鋭の記者だった吉一と結婚。1903年4月3日、2人は「婦人之友」の前身「家庭之友」を創刊。創刊号の発売前日には長女が誕生し、自分たちの家庭が直面する疑問や課題を誌面に取り上げ、読者に呼びかけ響き合っていった。
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