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3つの「ない」、家計簿で解決しました。

 ここ20年ほどで、私たちの使えるお金(可処分所得)は、徐々に減ってきています。また、2020年からのコロナ禍で、世界の経済が停滞する中、さらにその状況は悪化しています。「お金がない・・」「時間がない・・」「余裕がない・・」など、私たちの生活の中に忍びよる「ない・・」が増えてきているかもしれません。みなさんは、どのような「ない」を抱えているでしょうか。

Aさんを不安にする「3つのない」

 昼から夜遅くまで働いていたAさんの夫が、自分の健康や4歳になる子どもとの時間を大切にしたいと仕事を辞めました。ほどほどに暮らせればよいと、物欲のあまりない夫。とはいえ、夫の収入がなくなると、Aさんは、3つの「ない」で不安いっぱいになりました。

1・収入が少ない・・
2・生活にいくらかかるかわからない・・
3・将来の見通しが立てられない・・

 当時、Aさん家族は公共施設の管理人の仕事につき、6畳2間に台所のついたこじんまりとした住まいで、家賃と光熱費は支払う必要はなかったものの、貯金から7万円引き出して、月13万円の生活。3日に一度行くスーパーでは買い物は1000円以内と決め、主に牛乳や豆腐、納豆を買い、食費を極力削っていました。

家計簿から導き出した4つのルール

 そんなときに出合ったのが『羽仁もと子案家計簿』。家計簿の先輩の手ほどきを受け、4つのルールを決めました。そして、3つの「ない・・」が解消したのです。

1・使ったお金をすべて家計簿に書き出してみる
 収支をすべて、書き出してみると、ひと月暮らすのにいくら必要かがわかりました。また、お金がないと思っていたけれど、ジュースやお菓子などを買っていることがわかるなど、小さなムダが見えてきました。

2・使うべきところには使う
 2カ月つけたところで、その数字をもとに費目に従って予算を立てました。食費には3~4万しか使っていませんでしたが、1日に必要な目安の量から出した予算は約6万。必要な食材を必要なだけ買うようにしたところ、彩りもバランスもよい食卓に。食事が充実すると、Aさんのぜんそくの発作も起こらなくなり、体調がよくなりました。

3・買わないという選択も
 わが家で今必要なことは「しっかり食事をとること」と、「使うべき費目の見定め」だとわかったので、衣服費は必要な下着や成長する子どもの靴などに絞るなど、お金の使い道の優先順位が決まりました。

4・使いすぎを改善
 子どものジュースや「〇〇の素」のような調味料費が多くなっていることに気がつき、使いすぎを抑制できるようになった。
*『羽仁もと子案家計簿』では、お茶やジュース類のような飲みものは「調味料費」で記帳します。

「安心と見通し」が生まれた!

 家計簿をつけて半年がたったころ、通帳残高が増えていることに気がついたAさん。家計簿をつけることで得られた安心は、何にも代えがたいと言います。食卓が充実するなど、家計簿によってもたらされた劇的な変化を、夫も喜び、夫婦の財布をひとつにして、Aさんが一家全体の経済を管理していくことに。退職から1年後に、夫の再就職が決まり、家計は安定しましたが、管理人の仕事が終了するまでに住まいを見つけなくてはなりません。住宅獲得を目標にした貯金も始めるなど、将来への見通しも立てられそうです。
 「家計簿を通して、予算のある生活を知り、わが家は何を大切にしたいかをじっくり考えることができました。そして、家族の健康管理もでき、大きな支出にも安心できるようになりました」と、Aさんは明るい笑顔です。

まとめ:不安な時こそ、今大切なことをリスト化しよう

 いかがでしたでしょうか。
 Aさんの場合、まず収入が減ることから、日々の出費の不安から将来の不安と、漠然とした大きな不安の塊を抱えることになりました。そこから、やみくもに食費の節約につながっていきます。ここで大きな転換点は、家計簿に出合ったことです。家計簿に収支を正直に書き込んだことから、見えてくる「自分のお金の使い方」。すると、節約すべきことやお金の使い方のキモ・・がすっきりとわかってきました。
 不安を感じると、人はその不安を解消しようと目の前のことだけを改善しようとしてしまいがちです。しかし、一旦深呼吸して、今本当に必要なことを見つめ直して、リスト化することで、不安を軽減できる道筋が見つかるかもしれません。特にお金の不安については、「家計簿をつけること」が大切ですね。


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