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#定型詩

【五行詩】村の夕暮れ

村の夕暮れ 濃緑の暗くして 月白がまた 心を傾ける 僕に 深い森のなかに 弱々しい光の粒を…

【五行詩】川瀬をゆく紅葉が

川瀬をゆく紅葉が ただひとつの 取りこぼした色彩のように 恋しい ―― 早朝は灰に霞み せ…

【五行詩】夏の夕暮れに肌寒い風が

夏の夕暮れに肌寒い風が 雨やら嵐やら この上によこす (ああ ピアノが聞こえない) すると…

【五行詩】端子に繋がれた

端子に繋がれた 緑の色した血管に 散落する今日…… ざらざらと流れて 悪いものばかりに あれ…

【五行詩】忘れられた押し花が

忘れられた押し花が ふと 僕の指先に触れ 行間を流れて 落ちていく ああ 小さな僕の手は シ…

【五行詩】夏をゆく音楽は

夏をゆく音楽は しばらく 朝のようにして 優しく しかし 僕は四季に伏して...... ただ…

【五行詩】僕はひとり

僕はひとり さえずっていた 肌寒い朝に風は薫り ひとは心地良い影のなかに その優しさを落としていった

【五行詩】風にしなる竹が

風にしなる竹が 静かな夜の全てのように 空虚な空に倦ねると 僕の血液と同じく 命を巡らせたり…