投稿ジャーナルの選定について

私は経済学と国際協力の間ぐらいの専門分野に位置しており、投稿ジャーナルとしては早く結果が出る査読付きジャーナルに的を絞り、投稿をしている。現在のポストが任期付きの助教であることから、査読付き論文の出版数を積むのが最優先だが、うまく投稿先ジャーナルの選定ができていないという実感がある。それは以下の2点により、ランクを下げたジャーナルの選定というのに苦労していたからである。

1. 自分の研究の参考論文は、トップジャーナル掲載のものが多いが、実際に自分が投稿できるのは、トップジャーナルではない。
2.世の中にはハゲタカジャーナル(predatory journal)という掲載料収入を得るために、査読付きを標ぼうしているが、実際には十分な審査が行われていない、オープンアクセスのジャーナルが数多くある。

ハゲタカジャーナルについては奈良先端科学技術大学のHPを参考
https://www.naist.jp/kensui/information/predatory-journals.html

ハゲタカジャーナルを避けつつ、幅広い学際的なジャーナルを選定するには、どうすればよいのか。

この問題について、私が取り組んでいる方法を紹介したい。

①参考文献の中から、めぼしいジャーナルに投稿する
参考文献にはトップジャーナル掲載論文が多いと書いたが、それ以外にも参考にした論文があると思う。まずは自分の論文で参考にした論文が掲載されているジャーナルで投稿しやすそうな所*から攻めるのが良い
*投稿しやすそうなジャーナルとは、その人が置かれる状況や専門によって異なると思う。時間がない人は、Average days from submission to first decisionやacceptance rateを調べてみると良い。

②自分と専門に近い若手研究者が、同じように時間的制約があったポスドクや大学院生時代にどういうジャーナルに投稿したか調べる。
これは日頃から意識してやっておくとよい。

③上のジャーナルへ優先的に投稿して、Rejectを受けた場合、一からジャーナルを探す方法。

3-1Web of ScienceのMatch Manuscript機能を使う
論文のTitleとAbstractを入れると、それに基づいて候補ジャーナルを選定してくれる。

但しAbstractの質にもよるのか、私の場合は専門外のジャーナルを候補としてあげられることも多かった。

3-2Taylor & FrancisのJournal Suggesterを使う 
こちらもAbstractをあげて、ジャーナル候補を選定するもの。

こちらのほうが、候補ジャーナルのAverage days from submission to first decisionやacceptance rateが一覧として出てくるので、選定しやすかった。

このように全く未知のジャーナルから候補を絞る場合、一番留意しないといけないことは、ハゲタカジャーナルを避けることである。
先述の奈良先端科学技術大学のHPにも記載があるが、Scopus(Elsevier社)やWeb of Science(Clarivate社)のデータベースなどに収録されているジャーナルから選ぶなどするとよいだろう。

経済学の場合は、IDEAS/RePECのジャーナルランキングに掲載されているとなお良いと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?