2023年の公募の振り返りと、ラノベ公募必勝法(嘘)
メリー師走です
今年の最大の戦果は、ガガガの一次通過でした。通過率1割の選考を通ったのは初めてなので、ハラハラしながら二次選考を待っています。(ネットの噂によると受賞電話はクリスマス辺りらしいですが、果たして……)
12月は応募も審査待ちもないため、備忘も兼ね振り返りをしたいと思います。ついでに今年見つけた必勝法らしきものも書き残しておきます。五年後の私が見たら、きっと鼻で笑うでしょう
(そういえば、とんとご無沙汰だったイラストを再開しました。ヘッダーは自作です)
公募の結果
今年公募に出した作品は二作で、2023年12月時点ではどちらも選考中です
長編4作目「君の素顔は私の罪科」
ダークなSFアクションものです。一次落ち一回、二次落ち二回を経験したあと中規模改稿し、現在ガガガの二次選考待ちです。
最大の弱点は、ヒロイン以外の登場人物が仮面をしているという設定。イラストどうするんでしょう。
大仕掛けや構成は上手くいったと思っており、お気に入りです
Xのフォロワーさんに数名からご好評をいただいており、ハラハラしながらガガガの結果を待っています。
長編5作目「星々のレコンキスタ」
スペオペ艦隊戦もので、元はカクヨムの中編コンテスト向けだったものを長編化しました
銀英伝ライクx令嬢ものという安直王道な企画で、キャラの掛け合いを楽しく書けたのがお気に入りポイントです
長編化時にキャラ萌えと向き合って加筆改稿した作品で、一皮むけたかなと思っています。ズミさんから中編版の主人公を可愛いとお褒めいただいたおかげです。ありがとうございました
また、ギミックが大盛り過ぎて器からはみ出していた4作目を反省し、大仕掛けはシンプルにしています。(なおそれでも上限枚数ぎりぎりだった模様)
現在GA文庫大賞の一次選考待ちです
来年に向けて
大盛り過ぎた4作目、5作目の反省から、もう少しシンプルな作品を心がけたいと思っています
また、今まで完成させた長編5作中4作がSFなので、他ジャンルに手を出したい気持ちもあります
公募必勝法の話
受賞経験の無いワナビの語る、ありがたみと根拠のない必勝法です
(でも通過率3割くらいの一次選考なら安定して通る気がします、たぶん)
ずばり、三幕構成を使うことと、以下の6つの質問を埋めることです
(掛川は三幕構成が好きです。慣れないうちは型を使いたいというスタンスなので)
三幕構成についてはwikipediaに説明を譲ります
六つの問い
これに答えるだけで物語がピリッと締まる、魔法のクエスチョンです
主人公への問い
Q1 最大の望みは何か?
Q2 この物語で何を成し遂げたいか?
Q3 何がその障害か?
Q4 なぜ障害に立ち向かわないのか?
その他のキャラへの問い
Q5 主人公の願いに賛成か反対か?
Q6 それはなぜか?
Q1~3は物語の骨格を作る問い、Q4は序盤の転換点のための問い、Q5,6はキャラクターの立ち位置をはっきりさせるための問いです
僭越ながら私の第4作を例に、詳細な説明させてください
Q1,Q2,Q3 物語の骨格を作る問い
Q1,Q2は主人公の行動原理と目的です。
たとえば第4作では、Q1は「幼なじみと添いとげたい」、Q2は「幼なじみを生存させる」となります。Q2は三幕構成におけるセントラルクエスチョンに該当します
Q3はその物語で乗り越えるべき障害で、例えば「地球外生命体との絶滅戦争の最中である」となります。ここをどう解決するかが、「期待に応え、予想を裏切る」腕前の見せ所だと思っています
Q1は冒頭5,000字以内、Q2,Q3は20,000字以内に提示することで物語の骨格がはっきりとし、読者にとって読みやすい作品になると思います
Q4,序盤の転換点のための問い
地味に大切だと思っているのがQ4です
三幕構成では、第一幕の最後にターニングポイント1が来ます
掛川はこれを「引き返し不能点」と理解しています。つまり、主人公が芋を引けなくなる状態です。Q4は、これを決めるための問いです
第4作では、Q4は「主人公は一介の兵士でしかないから」となっていますす。ターニングポイント1では、この障壁が取り除かれます。具体的には、主人公は英雄と入れ替り影響力を手に入れる代わりに、その肩書きゆえに逃げられなくなります
これに答えることで、序盤の構成にメリハリがつき、読者の興味を引きやすくなると考えています
Q5,Q6,キャラクターの立ち位置を決めるための問い
これは各キャラの役割と動機を決める問いです
Q5に答えることで、「この人は主人公の敵」「この人は味方」となり、読者がキャラを覚えやすくなると思っています
また、Q6を決めることで、主人公と協力(または対立)する理由が明確になり、キャラクターがはっきりとします
(群像劇が難しいのは、各キャラが主人公であるゆえにこのテクが使えないためではないかと思っています)
たとえば第4作の相棒キャラは、以下のようになりました。
Q5「潜在的賛成」
Q6「自分の仕事の邪魔になるわけではないので、反対ではない。また、人助けをする奴は好きなので、どちらかと言えば賛成」
この潜在的賛成が明示的賛成に切り替わるのを、第二の転換点(=三幕構成のミッドポイント)として構成しています
六つの問いのまとめ
ラノベの命はキャラだといわれます。
ストーリーをキャラ起点で組み立てるための一つのアプローチが、「六つの質問」だと思っています。
効果は保証しかねます。突っ込みがあったら是非コメントをください
まとめ
2023年は小さいながらも前進の一年となりました
来年こそ受賞したい……!
切磋琢磨して参ります
Appendix
各作品の時系列の記録。将来見返すかもしれないので……
長編4作目
昨年11月、完成、第15回GA文庫大賞後期に応募
2月に二次落ち
4月、第10回ハヤカワSFコンテスト応募
6月に一次落ち
6月、第11回オーバーラップ文庫大賞前期に応募
10月に二次落ち
10月、大規模改稿実施
評価シートや、第5作に感想をベースに、以下を実施しました
序盤を手厚めにし、主人公とヒロインの関係を厚めに描写
キャラの味付けを濃くする。特に台詞周り
10月末、小学館ライトノベル大賞応募
12月、一次通過。以後結果待ち
長編第5作目
4月、5万文字の中編として完成、カクヨム「賢いヒロイン」中編コンテストに応募
8月、二次選考落ち
11月、長編版完成、第16回GA文庫大賞後期に応募
一次選考待ち
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