のんびりを集めて

 皆さんにも、気分を変えたいときというのはあるんではないでしょうか。そんなとき、人それぞれいろんな方法を試します。音楽とか、テレビとか。

 自分はこうしたときに、たまに言葉を変えるときがあります。ただ、それは言葉遣いを丁寧にするとかそういうことではなくて、使う言葉の種類そのものを変化させるのです。

 例えば「腹減った」というのを「おなかすいた」といってみたり雨模様を「雨が降っている」から「雨ざーざーだ」というふうに。あとは必要以上にオノマトペを使ってみたり。もう少し単純なのは一人称を変えてみたり。

 しょうもないっちゃあしょうもないのですが、これが意外と効果的。気持ちの面で大きな変化が出ます。特にこうしてNOTEを書き始めてからは、文章が自分から独立したぶん余計にその変化を感じます。実は、NOTEで主に「ですます調」を用いて書いているのは、それが自分の思うNOTEのイメージとぴったり重なるからなのです。

 こういうのは、やはり読んできた本や聞いてきた曲の影響が大きいのでしょう。自分のなかで言葉はいくつもの箱にわけられており、文章を書くときはどれかの箱を取り出して、その中だけで書いてしまいます。いつもとは違う箱を取り出してみると、それだけでずいぶん文章の方向が変わります。いっそのこと、同じ内容をなるべく違う表現を使って書いてみると面白いのかもしれません。こういうことを繰り返すことによって、だんだん自分の持っている箱にラベリングがなされて、文章を用いて何かを伝えたいときに適切な箱を選べるようになるのかもしれないと思うのです。

 NOTEだってせっかく本名に縛られず書いているのですから、いろんな箱を使ってみようかなと思います。