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軽くて重たい風を切る

A バイク乗ってんの?どんな?
B ハーレーに乗っています。
A すごいじゃん。


ハーレーはハーレーでも
エンジンは載せ替えて1955年式。
フレームは1940年代。
エンジンの構造はサイドバルブ。
軍用やサービカー(フリーウェイでの故障車の救急車)にも採用されたため、生産年数が長く
生産台数も他のハーレー車種に比べて
圧倒的に多い。
排気量は750cc。


以上が、
「ハーレーに乗っています」の略だ。



人をポカンとさせてしまうが
ここまで説明しないと大きな大きな
概要は喋った気にならない。



サイトバルブエンジンは
読んだ文字の通りシリンダーヘッドに対して
排気バルブと吸気バルブが
真横の下側にある。



現代のエンジンではピストンの真上に向かって
左右にバルブが配置されている。


この説明は文字よりも調べた図のほうが理解が早いだろう。


つまり要約すればサイドバルブエンジンは
ものすごく非効率なのだ。


シリンダーの上にカムが通っていないため
ヘッドのカバーはオイルも通らないただのフタだ。  


非効率ではあるが単純な部品構成でなるバイクは、歴代のハーレーの基本構造ともいえる。


またそれ以前のハーレーでは
似ている構造ではあるが
このWLという車種は圧倒的な生産台数が故の、
部品在庫が未だに生産され、
当時の部品も多く残っている。



つまり、最も古い基本構造であり、
かつ長く乗り続けられるバイクだ。




単純な構成なバイクであるため
他のハーレー車種に比べて排気量も
部品点数が少ないため
車重も軽い。





トップギアは3速。
最初乗り始める前に乗りづらいのではと思っていたのだが、そんなことは全くなかった。 




2速と3速までのギア比のレンジがあるため
2速は回転数を回して山道を駆け上がり
3速へ変速後、緩やかな坂で負荷をかけて低速トルクの鼓動を味わう事ができる。



車重は軽いため回せば
それなりの加速をする。
もちろんエンジン自体は圧倒的に非力ではあるが、よく言われる最大のエンジンチューンは
軽さであることが実証される。



ただし最高速は遅い。
必要ない。
楽しいフィーリングは
この加速と低速トルクの快感だ。





ハーレー特有のブイツインエンジン、
重たいフライホイールを回すのは



サイドバルブ構造のエンジン、圧縮比は純正で5。
低い。




圧縮比が低いため、重たいフライホイールがある程度の回転数で回れば慣性の力で回転し、燃焼しやすい。




手動進角を調整しても許容幅が大きく
エンジン始動性のしやすさ確保や
回転数を落として走行もできる





手動進角の操作を駆使した運転に慣れると
下道を走るうえでとても楽しい。

非力なエンジンからか
3速で25マイルを巡行することもできる。
(長く続けることはもちろんおすすめしない)


つまりは、最高速は50マイル程出るため
3速で手動進角操作次第で25〜50マイルを操作できる。(もう一度言うが低速での3速はあまりおすすめしない)




WLライダーの特徴は
友達が少ない。
何故なら一緒に走れるバイクが少ないからだ。

他のハーレー車種に比べ最高速は出ないためバイパスや高速道路での巡行は難しい。
また山道を俊敏に走れる程の足廻りを備えていないため、ハーレー以外のメーカー車種とも合わない。




また、その他のライダー特徴として
修理、パーツ知識が豊富だ。

これは部品が未だに豊富があるのと、
バイク自体が単純な構造なため、手を出しやすい。



もちろん外見を大事に乗るライダーが多いが
長く乗り続ける方法を模索している人も多い。




先日、友人を集めて同じ車種WL5台でツーリングをした。




話題のほとんどは部品の調達先。故障履歴とその対処だ。




みんなそれぞれ他の車種とは合わない。
会社の同僚に誘われてもツーリングには行かないか無理にはついて行かず後ろをのっそり走って来たかもしれない。



一人で戦ってきたのかも。
でもその日は違う。



また、ヒトによっては単に遅い乗りづらいバイクであるのにこれを理解して乗っていることから
本当に好きで乗っていると思う。





他人に媚びず、自分の好きを貫いて乗っているような。




ツーリングのでの一幕。



オレ、結構オイル漏れてるなあ〜

いや、自分の方が漏れてるよ

自分もそんな感じです。



傷をナメあう。









でも、あたしあのオイル漏れは実は直したいの。

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