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「死」を考える / 夢を叶えるゾウ4

・死を前にして、何をするべきか
・死は憎むべき敵なのか
・世の中の苦しみは、夢が生み出している

上記の内容は、「夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神(著)水野敬也」に書かれている内容です。

今回は、「死」がテーマになっています。とても重いテーマにも関わらず、いつものガネーシャのトーンのおかげで、軽い気持ちで読むことができます。(とはいえ、ちょっと涙しましたが、、)

「死」と向き合うことは、恐ろしいですが、本書を読むことで、その恐ろしさの少しを和らげることができると感じました。

*ネタバレになる内容は記載していません


死を前にして、何をするべきか

本書にでてくる死神が、人間が死に際に後悔する10の内容をあげています。

1 本当にやりたいことをやらなかったこと
2 健康を大切にしなかったこと
3 仕事ばかりしていたこと
4 会いたい人に会いに行かなかったこと
5 学ぶべきことを学ばなかったこと
6 人を許さなかったこと
7 人の意見に耳を貸さなかったこと
8 人に感謝の言葉を伝えられなかったこと
9 死の準備をしておかなかったこと
10 生きた証を残さなかったこと
引用:水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.596-606). Kindle 版.

私は、20代のころは、後悔することばかりをやっていました。深夜や休日も働き、健康も気を使っていませんでした。友人とも疎遠になり、仲違いした友人との関係もそのままでした。家族への感謝の言葉も伝えられていませんでした。

この状態を抜け出すには、とても勇気がいります。仕事はとてもわかりやすい指標であるため、のめり込んでしまいます。しかし、家族や友人との人間関係、健康はわかりにくいからこそ、中長期的に時間をかけなければ効果はでません。

死神は、「仕事」について、死期を早めることになってもやめられないものだというのは、相当気持ちの良いものなんだろうなと言っています。これは、働いている人は、気持ちの良いものではないことは知っています。
にもかかわらず、やめられない。その理由を受け止め、中長期的に大切にするべきものが何かを考え、「死」の直前ではなく、今から行動すべきことを考えるべきだと感じました。

「人間にとって、仕事というのは相当気持ちの良いものなんだろうな。死期を大幅に早めることになったとしても、やめられないものなのだから」
引用:水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.613-614). Kindle 版.。

死は憎むべき敵なのか

私は、「死」に対して、恐ろしいイメージをもっています。
「死」とは、恐ろしいもの、なんとしても避けるべきもの、、おそらく、多くの人は、似たイメージだと思います。

要因として、「死」について考える機会が減ったことではないでしょうか。

考える機会が減ったのは、医療の発達や安定した社会により簡単には死ななくなったこと。そして、身近な人の「死」と向き合う姿を感じる機会が減ったからではないでしょうか。大家族でなくなっているということや、介護施設などで生活する人が増えたことにより、「死」を感じ、自らが「死」に直面する前に考える機会が減っています。

「死」を遠ざける医療の発展や社会の安定は重要です。しかし、「死」は、いずれは向き合わなければなりません。そのときに後悔しないように、「死」についての考えを考えるべきではないでしょうか。

「人間は、ある時期から死を、徹底的に遠ざけるようになった。死は『憎むべき敵』だとみなされ、死から逃れるためにありとあらゆる技術を発達させてきた。しかし、どれだけ遠ざけたとしても、死は影法師のように必ず人間につきまとう。その結果、どうなったか?」死神は、僕に顔を向けて言った。「人間は、死を『敵』だと考えたことのしわ寄せを、死に際に受け取ることになったのだ」
引用:水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2802-2806). Kindle 版.

世の中の苦しみは、夢が生み出している

本書では、「夢」を手放す方法について書かれています。

「夢」は、自分が夢中になれるものだったり、生きがいだったりするかもしれません。しかし、「夢」があるから、「今」は「夢」とのギャップとして認識しなければならなくなります。

「プロ野球選手」といった夢があってもいいかもしれません。しかし、能力や年齢の問題で叶わなければ、その「夢」とのギャップに苦しみながら生きていくことは幸せでしょうか。

私は、「夢」の見直しが大切ではないかと感じました。「夢」の見直しとは、「プロ野球選手」だったものから、「高校野球の監督」「人を夢中にさせる仕事」みたいなものへと変化させることだと思います。一番初めの理想の夢が叶わなかったとしても、より幸せになるための「夢」をもつべきだと思いました。

「無いから、苦しいんやない。奪われたから、苦しいんや」──ガネーシャの言っている意味が理解できた。僕が今、苦しんでいるのは、ずっと思い描いていた未来──志織と晴香と幸せに生きられる未来──が奪われようとしているからだ
引用:水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3022-3025). Kindle 版.

終わりに。

「死」について向き合い、「夢」を前向きに手放すことができる本です。

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