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「プロジェクトベース」の時代に価値を出す方法 / 仕事に「好き」を、混ぜていく。

・B面の育て方は、「楽しむこと」と「肩書」
・Bチームの活動までのステップ
・すぐに使えるBチーム流の情報収集

上記は、「仕事に「好き」を、混ぜていく。 あなたのB面を本業に生かすヒント(著)電通Bチーム」に書かれている内容です。

電通Bチームという名前を聞いたことがあるでしょうか?Forbes Japan を読んだことがある方であれば、連載が掲載されていたので、知っているかもしれません。(私もそうです)

電通Bチームとは、株式会社電通の組織図にも載っている正式な部署です。組織横断のメンバーで構成されていています。電通Bチームは、ただの広告代理店の1組織ではなく、「B面」という本業以外のスキルを持ち寄り、世の中に今までと違う方法を提供しながら、収益もあげているという非常にユニークな組織です。

本書では、電通Bチームのコンセプト、システムを学び、「Bチーム」を作ることができるような本になっています。これからは、社内・社外の多様な人たちとプロジェクトベースで仕事をすることが当たり前になると思います。

しかし、多様な人たちの中で、どうやって個人としての色を出すのか?という視点の答えはまだ無いように思います。本書はその個人のA面とB面を組み合わせることで、ユニークな存在になるための方法を提示してくれていると感じました。

電通Bチームについてまずは簡単に、さわりだけ説明しておきたい。電通Bチームとは株式会社電通に実在する特殊クリエーティブ部隊で、①本業(A面)以外に、個人的側面(B面=私的活動、すごい趣味、前職、大学の特殊な専攻etc.)を持っている社員が集まり、②メンバーの多彩な特技と情報収集力を最大限活用し、世の中に今までと違う方法(=プランB、オルタナティブアプローチ)を提供するというBについての2つの由来があり、「Bチーム」と呼んでいる。
引用:電通Bチーム. 仕事に「好き」を、混ぜていく。 あなたのB面を本業に生かすヒント (Japanese Edition) (Kindle の位置No.10-15). Kindle 版.



B面の育て方は、「楽しむこと」と「肩書」

本書では、B面の育て方が紹介されています。(B面とは、本業(A面)以外の個人的な側面(趣味、前職、大学の専攻、、、)などのことです)

育てるステップは、人それぞれでありながら、大まかには下記のようなステップで、B面について詳しくなっていくという流れとのことです。

- Step1:ゆるく楽しむ
- Step2:何かする
- Step3:詳しくなる

Step1に「ゆるく楽しむ」とありますが、好きなものを自分のペースで楽しむからこそ、詳しい生の情報が得られ、実際に行動してみることで、より詳しくなるという循環になっていることが分かります。

育て方は、まさに好きこそものの上手なれですが、普段のA面の業務では、どうしても仕事モードとして情報を吸収するだけでは、プライベートの時間まで意識してしまうと疲れてしまいます。B面だからこそ実践できる方法だと思いました。

もうひとつ、電通Bチームは、詳しくなるための施策として、「肩書き」をメンバーにつけています。メンバーには、それぞれのB面の「特命リサーチャー」として呼ぶことで情報のアンテナがたち、より除法の精度があがっていくとあります。

このやり方は、どの会社、コミュニティでもすぐにマネすることができる方法だと思います。個人のもつB面をリサーチャーとして名付けることで、単純な「好き」の共有以上の視点が掛け合わされることになります。この自走できるような「好き」であるものと、客観的になるための「視点」の組み合わせがシンプルであり、秀逸ではないでしょうか。

Bを「リサーチャー目線でみる」視点が発明だと思います。リサーチャー目線で俯瞰してみると、仕事につながりやすいのだと思います。ハンドメイドのイベントにたくさん訪れるようになり、例えばトレンドに気づく、人脈を作れるようになる、どんな会社が出入りしているのかわかるなど。石田沙綾子(ハンドメイド担当)
引用:電通Bチーム. 仕事に「好き」を、混ぜていく。 あなたのB面を本業に生かすヒント (Japanese Edition) (Kindle の位置No.718-721). Kindle 版.

Bチームの活動までのステップ

本書では、Bチームをの活動までのステップも書かれています。

- Step1:メンバーを集める
- Step2:個人でリサーチをする
- Step3:情報を共有する
- Step4:コンセプトやプロジェクトを作る
- Step5:受注や相談に応える

このなかで、「個人でリサーチをする」部分がすぐに使えるテクニックだったので紹介したいと思います。

Bチームは、前述したとおり、各メンバーのB面の特命リサーチャーになっています。メンバーは、それぞれのB面に関する情報をリサーチしてきます。情報については、そのために特にリサーチするものではありません。リサーチにかける時間は最低0時間でOKとなっているようです。

私は、新規事業や何か企画を検討する場面で、ブレストをするようなアイデアを探している際に、ネットのニュースを探してきて共有することがあります。その中でアイデアが広がるような情報は、①自分が直接体験したもの、直接体験した人から聞けたもの、②自分が関心の高い情報の2つであることが多い気がします。

例えばですが、◯◯というサービスが120%で成長中という記事を共有するよりも、自分の近くに◯◯というお店ができて、すごい人がはいってきていたし、とても良かった。

という話がでたときに、「それは◯◯というニーズがあったんじゃないか?」といった話で細部からどんどん話が広がっていくことができます。

他にも、自分が興味のある「リモートワークの生産性をあげる方法」であれば、他とは違う内容であったり、新しい手法の提案であれば、どういった点がいままでと違うのかを語ることができるため、アイデアが広げることができます。

これは、リーサーチ時間が0時間というのは、実際には自分の好きなB面であるからこそ、自然と常にリサーチができ、より生々しい情報が提供することができるため価値が高いと感じました。

すぐに使えるBチーム流の情報収集

また個人で集めた情報は、クラウド上にUPしているそうですが、下記項目だけを収集しているそうです。

・事例タイトル+書いた人の名前+B面
・概要
・面白いと思った理由
・画像やリンク

これの収集ツールには、Evernoteを活用しているということでしたが、「カードビュー」で一覧で表示するとかなり見やすいなと感じました。

下記は、自分のEvernoteのリンク集をカードビューにしたものです。

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私は、いまは、notionをメインで使っているのですが、notionでも同じように「カードビュー」のような表示ができ、項目を決め、テンプレート保存することもできるのでかなり重宝しています。

このアイデアリストを、月に一度全員でレビューをしていくことで新しいアイデアの想起につなげているとのことでした。

まとめ

Bチームのコンセプトもおもしろいのですが、何よりもすぐにでも実行することのできるノウハウが溢れているため、実用書としても活用できると思いました。

新規事業を考えたい、新しいアイデアがほしいという会社・人には、必読の本ではないでしょうか。

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