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中川正子さんトークイベント〜モネを想う

日本中からお客さまが集まる つづきの絵本屋さんのイベントに行ってきた。もう1週間前のこと。


直木賞作家の桜木紫乃さんの文章と岡山在住の写真家中川正子さんの写真による『彼女たち』刊行を記念して行われた中川正子さんのトークイベントだ。
いつも「ええ?この作家さんが来られるの?」というようなスペシャルなイベントがあるのだけど、平日のことも多くなかなか参加できずにいた。
今回は土曜日。告知を見てすぐに申し込み、この日をワクワク待っていた。

自転車こいでお店に行き中に入ると、すでに中川さんは来られていてサインに応じられていた。
まるで後光がさしているようなキラキラのオーラがまぶしい…

受付をしたら「他のお客さまから」と、八朔と金柑のプレゼント。
トークでも話題になったけど、どうやらこういうところも岡山(のいいところ)らしい笑

私が中川さんを知ったのは、Voicyでいつも聞いているパーソナリティさん(自炊料理家 山口祐加さん)の放送に出られてたいたのを聞いた時。それまでは名前も仕事ぶりも知らず、放送を聞いて興味を持ってググり、こんな方が岡山にいらしたんだ!と驚いたのだった。もちろんその後、中川さんご本人のVoicyも聞くようになり、ちょうどこの「彼女たち」が出版された頃で、ずっと気になっていた。

でも新聞やデジタルメディアなどの書評や紹介、出版までのエピソードなどをたくさん読んではいたものの、実は書籍をまだ買ってなくて、このイベントで直接ご本人の話を聞き、本にサインをもらおう!と楽しみに参加したのだった。

中川さんのことは、写真も見ていたし、Voicyでお声もよく知っていたけれど、直接お目にかかるのは初めて。
さっそく購入した書籍を持ってサインの列(と言っても2人目でしたが)に並び、肌白いなあ、きれいな手だなあ、大きなイヤリング重くないのかな…などぼんやり眺めているうちに順番が来た。実は購入した本には既に桜木紫乃さんとのダブルサインが入っていたのだけど、欲張ってもう一筆入れていただいた(^^)

ダブルサイン


こちらは、お話ししながらその場で書いていただいたもの。


私を含め、近くのお客さまたちと気さくに話をされていて、イベント開始前から和やかな雰囲気。

書籍に掲載されている写真の半分以上は岡山で撮影されたものとのこと。ご自宅やその周辺が多かったので、それはさすがにわからなかったけれど、表紙になっている県立図書館の写真は、言われてみればなるほどという感じだ。

どの物語も、短編だけど、短編だけに選ばれ磨かれた言葉で綴られていて心に沁みる。
特に2編目のモネの話に惹きつけられていたら、この日来られていたKADOKAWAの編集者鈴木さんが、モネのストーリーのモデルとのこと。

向かって左が編集の鈴木さん。とても素敵な方でした。


話を聞きながら、「自分のために休みをとって」という表現に釘付けになっていた。

ああ、私もモネだった。
子育てと仕事、ギリギリの家事に、時間も気力も奪われ、過ぎていく日々。
どうしても自分のための時間を作りたくて、子どもたちを寝かせてから夜中に起き出しては、パソコンやピアノに向かっていた。何気なく話しかけてきた夫に「やっとできた時間、邪魔しないで!」と怒鳴ったこともあった。彼は心底驚いた顔をしていたけれど、以後そんな時に話しかけてくることはなくなったので、尊重してくれたのだろう。

けれどあの頃は、そのことに感謝する余裕は、いやそれに気づくことすらなかった。

Every cloud has a silver lining.

イギリスの諺
〜全ての雲には銀色の裏地がある〜

「彼女たち」の中の写真。分厚い雲の上にさす陽の光と明るい空。
中川さんが、この写真を見るとこの諺が浮かぶと言われた。

人間の目線からは曇り空でも、その雲の裏側は太陽に照らされて輝き、銀色の裏地のようになっている。すなわち「どんな絶望の中にも必ず希望はある」という意味だそう。
英語の諺は初めて聞いたけど、覚えておきたい。覚えられるかな。


「自分のために休みをとる」ことがいかに難しく、そしていかに大切か、私はよく知っている。
あの頃モネだった私は、それから、周りにいるたくさんのモネたちが少しでも楽になるようにと、自分の仕事をしてきたつもりだ。
少しは彼ら彼女らの役に立てただろうか。
もっともっと世の中が変わり、モネたちも変わっていけることを心から願う。

#中川正子さん
#つづきの絵本屋
#トークイベント

追記)中川さんが祐加さんの放送で言っていた岡山のいいところ。
瀬戸内の美しさはもちろん、四国も山陰も車で1〜2時間あれは行け、海水浴は日本海でも太平洋でもできる便利なところだということ。

当たり前すぎて考えたこともなかった視点だった。

この日も、山があって川がある、柿があちこちに成ってて、みんながいろんな果物や野菜をくれる、などなど、Uターンの友達や岡山が好きすぎて引っ越してきたというIターンの人たちも一緒になって、口々に言われた。

かたや地元民の私たちはというと…港町は言葉が汚い、昔は岡山県民は嫌われてたものだ、などなど笑

岡山からまったく出たことのない私だけど、これからは地元のいいところを探して、しっかり自慢することにしよう。

#岡山のいいところ
#そこそこ都会
#なかなか田舎

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