見出し画像

我が子、前に進む。

つい半年前は手足を振り回すのが精いっぱいだったはずの我が子が、ついにハイハイらしきことをした。いろいろなものを読み漁ったが、我が子の運動は時期が早かったり、遅かったり、すっ飛ばしたりしたので記録しておこうと思う。

産まれて1~2ヶ月ころ

当たり前だが、我が子は自分では動けない。目標にしたものを掴むこともできないというか、その前に手を発見していないという。大人になった僕たちにはわからない世界。言葉もない世界で何を考えていたんだろう(今もだけど)。本当に不思議。最初の2ヵ月、起きている時間は、ほとんど抱っこしていたような記憶。首もすわっていないので当然ながら横抱き。夫婦二人で肩も腰もやられた日々。「抱っこして欲しいのは"輸送反応"といって、赤ちゃんは自力で遠くへ行けないのを分かってるから、抱っこして立つと運んでもらえると思って身を委ねるそう」というツイートを読んで、少し救われたな。

運んでおくれ

もちろん首も座っていないので、トッポンチーノに乗せていつも横抱き。「『まるごと我が子』はいくら眺めても0kcal」とか言っていた頃。でも、2ヵ月の半ばになったころには「まあるい抱っこ」というものをネットで発見し、比較的泣き止むので、縦抱きすることが増えてきた。疲れ果てた身体で対応するために抱っこ紐「コニー」も購入して、どんどん縦抱きの機会は増え、我が子もそれが具合良いようで、よく眠ってくれた。今思えば早めの時期に縦抱きが増えたので、首の座りを早めたのかもしれない。この頃、仰向けに寝かしておくと、なぜか少しづつ、必ず時計回りに回っていたな。左右差があるのだろう。右利きか左利きかは今(7ヵ月半)もわからないけど。

まるごと我が子

3~4ヵ月ころ

なんと、産まれて3ヵ月も経ち手に触れたものを掴んで振り回しているというのに、自分の手を発見していないという。一体どういうことだろう。掴んでいるのは無意識?反射?それに近いのかもしれない。そんなことを繰り返しているうちに3月19日の早朝、ついに我が子は自分の手を発見した。早朝、起きた我が子と二人で居間に行き(彼女はそこから1時間弱くらいだけが安眠タイムだった)、ゴロゴロしている我が子を眺めていたら、その時が来た。急に神妙な面持ちで右手を眺めている。手のひら、手の甲とくるくる返しながら、グーパー、グーパーと繰り返している。まるで引力を発見した時のニュートンのよう(見たことない)に、静かに興奮しているように見えた(見えただけ)。

あ、これ手だな

それからというもの、少しづつ「狙って掴む」をやりだした。好きなおもちゃを手にして、とりあえず口に持っていく。でも、最初はそれも難しくて、こんなことになったりしていた。

4ヵ月を過ぎる頃には、手足のバタバタは激しくなり、力強くなってきた。時折、身体をねじって横向きになったりするのを見て驚き(右向きのみ)、もうすぐ寝返りしちゃうかも!とか思っていた。このころには、ソファーなど背もたれのあるところに座らせると機嫌良くしていたので、ちょいちょいそうしていたら「もうお座りできるの!?」と言われたりしていた。同じ頃、彼女の実家で「うつ伏せトレーニング」を開始。うつ伏せにして、呼びかける頭を頑張って上げることが出来た。ちょっとづつ繰り返していくと、時間も長くなり、笑顔も見せてくれるようになった。主に青いぬいぐるみと格闘して、当初は抑え込まれて(自分で振り回して、顔に乗っているままフリーズする)いたが、だんだん勝てるようになってきた。

青いこいつとはよく戦った
3勝2敗くらいだと思う

5~6ヵ月ころ

上にぶら下がっているものが好きで掴みたがるようになる。上からゆっくりおもちゃを顔に近づけると、キャッチしてくれるようになった。Oボールに哺乳瓶の乳首を取り付けていたけど、それを自分の左右の手で上手に口に持っていけるようになったのも、たぶんこの頃。そしてついに5月19日、寝返りに成功。会社にいるときに彼女からLINEで報告があり、夕方に帰ってみたら、余裕で出来るようになっていた。寝返りすると得意そうに、こちらを見てニヤリするのがかわいい。最初に横向きになれた右向きからの寝返りで、今だに逆回転は見たことがない。その5日後、ようやく自分の足を発見し、掴んでは口に入れていた。掴んで舐める(口と舌で感じる)のと足で感じる感触をマッチさせて「自分の足だ」と認識するとネットで読み、えらく関心した記憶。

この頃になると僕たちが抱きかかえて床に座らせると、結構な時間、そのまま遊んでいた。「手を使うと脳の発達に良いとか言うよなー」と思いながら、ニヤニヤ見ていた。5ヵ月を過ぎ、離乳食もスタートしたので椅子に座らせている時間も長くなると、やっぱり座っているのが好きな様子で楽しそうにしていた。全体に身体が小さめなので、動くのは楽なのかなーとか想像。うつ伏せ状態で、顔を持ち上げている時間もどんどん長くなった。

変な帽子を被らされたとて、首を持ち上げるなど、余裕
座ってると、遠くまで見えるな!
ここに座ると食べ物が出てくるんです

7~8ヵ月(今、現在)

離れたところにある欲しいものに手を伸ばして、なんとかゲットしようとしだした。仰向けで遊んでいたおもちゃを自分で放り投げてしまうと、ゴロンと寝返りをして手を伸ばす。相変わらず左周りの寝返りはしないので、左方向に放り投げた場合は、すぐに諦める。執着心が欲しいぞ、我が子よ。そろそろズリ這いするのかな~と期待して眺めていたが、一向にその気配はない。

そのうち「うつ伏せ→頭持ち上げ→開脚全開→手を伸ばしてお座り」という技を会得する。起き上がったり、またうつ伏せになったりを繰り返している。うつ伏せで手を突っ張る力が強くなったので、身体を起こすたびに少しづつ後退してしまう。欲しいおもちゃが遠ざかってゆく厳しい現実。人生はいつも順調には進まないという体験を早くも経験。今後の糧として欲しい。

うつ伏せで頑張って手を伸ばすも、どうしても届かない。起き上がってみると遠ざかる。そんなジレンマを抱えたまま、1ヶ月が過ぎる頃、お座り状態で、前に手を突っ張った状態から前に倒れ込むという荒業を始める。やや顔面を打つが前には進む。「…バタフライ」彼女はそれをそう呼んだ。

8月に入り、産まれて7ヵ月が過ぎた。相変わらず、バタフライで1歩進み、お座りして2歩下がるような日々が続き、一向にズリ這いをする気配はない。身体も小さく、離乳食もなかなか進まない我が子。ゆっくりマイペースに育っているのかなと思っていた。しかし、ある時、急にお尻を持ち上げる仕草をしていることに気が付いた。「まさか、ズリ這い飛ばしてハイハイ?」調べると、ズリ這いをすっ飛ばしてハイハイしたり、なんならハイハイもスキップして立ち上がる猛者もいるという。


ついに前に進む

8月5日の午後、僕は会社にいた。そこに彼女から1通のLINE。コメントはなく、一つの動画が送られてきた。広い床の上にお座りしている我が子。右手に赤い車のおもちゃ。間もなく少し先に緑の車が置かれた。赤い車を放り出す我が子。そして・・・ハイハイ。え?ハイハイ?目を疑った。一旦、開脚からのお座りを繰り出してひと休み。緑の車は彼女の手によって操られ、我が子を誘うダンスを踊っている。少し考え、軽くバタフライ。そして・・・事もなげにクールな表情のままハイハイ。え、やっぱりこれハイハイじゃん!クロールを彷彿させる大きなストロークで腕を回しつつ前進し、緑の車に辿りついた。こうして我が子は生後、7ヵ月と1週間で前に進むことに成功した。

「自分の行きたい方に行ける」僕たち大人にとっては、日々の生活で意識することもない当たり前のこと。我が子にとっては、今まで頑張っても頑張っても、どうしたらよいかわからなかったこと。それが、誰に教わることもなく、毎日自分の身体を試し続けた結果として出来るようになった。そんなシーンを目の当たりにして、ものすごく感動した。これからも、我が子のそばにいれば、そんなシーンの連続だろう。毎日、しっかり観察しようと思う。どれもこれも、絶対に見逃したくない。

朝まで寝るのに成功したよー!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?