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夫が家事を全部やるくらいでギリギリセーフ(少なくとも育児生活中)

夫婦二人だけの生活に新たに加わる「育児」。今まで二人分の仕事と家事を二人でこなしながら、自由になる時間で遊んだりしていたところに、新たに加わる「育児」というもののボリュームはいかほどなのか?出産までの数カ月、そりゃあもう真剣に脳内シミュレーションを繰り返し、考えに考えた。しかし、2ヵ月の体験を経た今、半年前の自分には「ざっくり言って体感、その倍大変だよ」と伝えたい。

僕は、前からずっと家事をやっている。

と、いう話をすると、必ず盛大に褒めてもらえる。裏を返せば、そんなことをしない夫がいかに多いかということなのだろう。

料理が心底好きなので、毎日ご飯を作る。毎日、冷蔵後の中身を見て、足りないもの、必要なものがわかるので買い物にも行く。ウチの台所は狭いので、洗い物を溜めたまま料理をすることができないから、ちょこちょこ洗い物をする。いつもキレイなので、食後に洗い物が残ったままだと落ち着かないし、自分で汚したのだから、すぐに洗う。

料理が好き。キレイにするの好き(ごちゃついているな。。。)

生活している空間がキレイだと気持ちがいいし、汚れていると気になるので、掃除もする。俳優の哀川翔さんが、テレビで「ウチでは『ゴミをまたいだら殺す』と言ってますよ」(見つけたゴミは拾って捨てろの意)と話しているのを見て以来、いつもその言葉を胸に抱いている。洗濯は面倒だけど、生活している空間に汚れているものが残っているより良いから洗う。干したままもイヤなので畳んでしまい込む。

そんな我が家で、彼女が妊娠、出産。今、ちょうど2ヵ月の育児生活を振り返って、心から思うことは、「あああー本当に家事担当しててよかったー!過去の自分に感謝!!!」ということ。

家事を担当してて本当によかった。

想像していた倍のボリュームがある育児。2人暮らしでやっていた家事や、毎日の仕事と比べてどのくらいの負荷なのか考えてみたけど無理だった。比べられない。ひねり出してみると「5分か10分か30分か1時間か3時間に、1人か2人か5人かわからない人数の宇宙人客(長ければ1時間以上、話相手になる必要がある場合もあり)が、ランダムに来店する定食屋を自宅のキッチンに繋げて24時間営業している」くらいだろうか。しかも、この定食屋は、来た宇宙人に速やかなサービスを提供できないと、惑星間の問題となり、少なくとも僕の街くらいは壊滅させられてしまうという重大な責任を担っている。こんな定食屋を飲食店未経験の二人で切り盛りすることが決定しました。オープンまでの開業準備期間は7、8カ月程度。しかもオープンから少なくとも1ヶ月、パートナーの女性は持てる力を使い果たし、心身ともにボロボロになっているから戦力は半減することが決まっています。さあ!あなたはどうする?その時が来たら何が出来る!?そんな定食屋の想像を出来なかった僕の準備は、心構えは、圧倒的に足りなかった。ただ、僕は幸運にも家事をやっていた。

ワタシハ、アカチャン星人、イマスグミルクヲ用意セヨ

Twitterなどを眺めていると、そのニューオープンの定食屋を、仕事を休んでいるとはいえ、満身創痍、戦力半減の妻に丸投げするパートナーの多さに驚く。言葉も通じない宇宙人の未知なる要求に、街の存亡を掛けて応えようとしている妻に、どうして自分の夕飯を要求できるのか?どうして「俺は仕事をやっているんだから」と言えるのか?あなたのしている仕事は今日も相変わらず、前からしているものではないのか。「仕事を休んでいるんだからさ」というセリフは、普段の仕事と24時間営業の宇宙人向け定食屋の切り盛り(育児)が、天秤で釣り合うという巨大な勘違いしていなければ出てこない。あなたが仕事で家を空けている間、一人きりで「24時間営業の宇宙人向け定食屋」を切り盛りしている人に、あなたの世話をする余裕があるとお思いですか?もしも、あなたが在宅中にも関わらず、そのお店を手伝わないとしたら、パートナーは寝ていようと、トイレを我慢してようとおかまいなしに24時間絶賛接客対応中なんですけど?しかも、それが女性なら、心身共に満身創痍ボロボロの状態なんですよ?「なんか変わったね…」って、宇宙人が来客中で、続々注文入ってますけど?今まで二人で頑張って暮らしてきた生活に何かが加わったら、まずは半分づつ担うことが当然ですよね?

二人でやるのが当然っしょ。人まかせカッコ悪い(洗い過ぎで乾燥肌)

我が家の場合、彼女が育児休暇を取り、僕は仕事を続けている。昼間、僕は仕事に行くので、彼女が育児を全力でしてくれる。僕は今まで通りの仕事だが、彼女が昼間に一人で奮闘している育児は、彼女がこれまでやってきた仕事より(仕事の内容の問題ではない、僕の仕事であっても、他のどんな仕事であっても同様だ)も責任が重く、緊急性が高く、常に気を抜けない。だから、僕は仕事以外の時間で彼女より多くのものを担う。だから「あああーー本当に家事担当しててよかった」と心から思う。多くの家事はやる時間を自分で選べる(時間が選べるなら、育児の合間にできるのでは?という初歩的な疑問を感じるあなたには別の記事でご説明致します)。つまり、僕は自分が家に居る間に多くの家事をこなすことが出来る。僕は全ての家事を担当することで、人生で一番大変な時間を一人奮闘している彼女と、ようやく肩を並べられる。そして、それ以外の時間、育児を二人で協力してやる。だから、二人とも大変だけど負い目なく、お互い同じ気持ちで向き合えているし、労り合える。夫婦ふたりで、穏やかに我が子に向き合える。(←ここ何より重要。「穏やかに」)

もう寝るからあと、よろしく

それが「新米パパにやってほしい、家事と育児のポイント」とか昭和か…

先日、出産をカウントダウンしてくれていたアプリに「新米パパにやってほしい、家事と育児のポイント」という記事があり、読んでみると「まずは自分のことは自分でしよう」とあったので、あれ?まだ2000年問題以前かな?と思いカレンダーを確認したら、やっぱり今年は2022年だった。「慣れてきたらやって欲しい家事」として「ゴミ出し」「買い物」「銀行、郵便局などの用事」と書いてあった。「高学年になったらチャレンジしてみよう!」という小学校低学年向けの記事ではない。2022年、「令和」の響きに違和感もなくなったこのご時世に、この記事が当たり前に書かれていることが男性として恥ずかしい。今までやってきていないことにチャレンジするのだから、やらないよりはマシ、少しづつやってみよう!という程度では、ぬる過ぎる。昔の風習に甘え、今まで何もしてこなかった新米パパのご機嫌を伺っている場合ではない。「今すぐ、心を入れ替えて、ガタガタ言わずに真剣にやれ。たとえ『もういいわ』と言われてもくらいついて、やり方を学べ」と言いたい。あなたが、一生を一緒に過ごすと(昔だろうが何だろうが少なくとも一度は)誓ったパートナーは、街の存亡を掛け、宇宙人相手に、たった今、24時間休まずに奮闘している。今、手を取り合わず、いつ味方になるつもりだろうか。おまけとして、古い脳みそが支配している2022年現在なら、それであなたが、もれなく盛大に褒めてもらえる。

あらゆるところで目にする「いまだに”イクメン”とか言ってる男ww…」「”手伝う”という言葉自体が…」「ママ~オムツ替えてあげたら~?って!おまえがやれ!」などという全ての愚痴を読むたび、自分が男であることを忘れ、恥を超えて怒りを感じる。それと同時に、文句を言いつつも、育児に加えて、夫の世話もしてあげている女性たちに「人が良すぎるぜ!」とも思ってしまう。大人は一人にしても死なない。一人ではまだ生きられない我が子と、それを守る自分を守るためなら、同居している大人の世話など焼く必要はない。世の中の風潮、今まで築きあげてきた夫婦の関係性…そのどれもが絡み合って、なかなか変えられないのだろうけど、疲れ果ててパートナーのことを諦めてしまう前に、諦められてしまう前に、(多くの場合は男性が)言い訳せずに変わらなきゃいけないと思う。

「やってみなはれ」って偉い人が言ってたよ

これから出産を迎える人たちに言いたい

僕は本当に家事をやってきていてよかった。そのおかげで練習するまでもなく、仕事と家事を効率よく両立できている。我が子に向き合う気持ちの余裕があるから、オムツ替えを心待ちにし、眠らない我が子にイライラすることもなく(いや、本当は少しイライラすることもあるけど5秒深呼吸すれば回避できるくらいで済む)、眠くても毎日笑って過ごせている。これから子育てをする夫婦の、出産を担当しない方は、今すぐに家事の練習に取り掛かってもらいたい。すでにキチンと分担しているなら、まず一旦、全て引き受ける練習を開始しよう。まずはパートナーのため、そして産まれてくる我が子のために。それくらいやってギリギリ、生活のバランスが取れる。

育児のメイン担当になる人は、やれて当たり前などと思わずに、パートナーに、周囲の全ての人に頼ろう。諦めずに頼れる人を本気で探そう。産まれてくる子がお腹にいるあなたの想像さえ軽く上回るほど、きっと子育ては大変だ。やってくる最愛の我が子と一緒に泣いてしまう前に、誰かに頼って欲しい。先輩ママたちが「あ~、それね、あるある」と簡単に言うことだってって、あなたにとっては初めてで、何もわからず、ひとつひとつが、心配で心配で、「ウチの子は違うかも…」と真剣に頭を悩ますことだから。それらを一人で解決することは、あまりに過酷だと思う。肌がカサカサになってきただけで、夫婦二人で何度も話し合いをするほどだから。(ウチが心配性過ぎるだけの可能性アリ)

まだ、育児生活は2ヵ月だけど、毎日、そう思っています。

こんなにかわいい宇宙人がやってくるんですからね(ホントに宇宙人っぽい)


ふう…ずっと溜め込んでいたことなので、怒りに任せ、こんなにも書いてしまいました。4000文字超えた…。
次からは育児をしてて、おもしろい話を軽ーく書いていきます。


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