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海外協力隊note

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JICA海外協力隊が執筆した記事を綴るマガジンです。
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2021年8月の記事一覧

再び日出ずる国へ

2時間の映画で言うと、ラスト30分。 何の盛り上がりも見せなかった物語が、幕を閉じようとしている。 ここまでの時間がすべて伏線だったことを信じて。エンドロールの流れる劇場が熱気で包まれることを信じて。 倦まず弛まずにラストシーンを迎えにいく。 ラストミッションはベーカリーの開業支援 最後の大仕事は、ベーカリーの開業支援になりそうです。 前々から、いつか店を開くとは聞いていました。ついに来月、ベーカリー兼レストランをオープンさせると言うのです。 開業しようと言うは

からだ踊るインスタントコーヒー

いま日本人は、「あるもの」の意味を見失っている。 その本来の姿を取り戻さなくてはならない。それは、「嗜好品」である。 ルワンダで飲むコーヒーは、ぼくにとって唯一の嗜好品です。 朝に飲む一杯のコーヒーは、ほんとうに貴重なのです。 ただのインスタントコーヒーですが、これを飲むだけで力が漲ってきます 薬でも入っているんじゃないかと思うほど、ハイになるのです。 そもそも嗜好品って何だろうと思い、辞書で引いてみました。 すると、「栄養のためでなく、味わうことを目的にとる飲

全敗でも笑って飛行機に乗るために

残り4ヶ月。受け止めなければならないリアル。 それは、JICA海外協力隊に合格したときに描いたカラフルな絵とは、まったく違いました。 予期せぬパンデミック、言語や文化の壁、途上国でビジネスをする難しさ、自身の力不足。 まもなく自分に描き出せるのは、一枚のモノクロの絵だと知ります。 だとしても、悲観しません。 白黒でも漫画が素晴らしいことに変わりはないし、自分がやることも変わらない。今日も、笑顔でルワンダ人の中に飛び込んでいくしかないのです。 チャンスを活かせないも

ルワンダの謎が解けたBBQ

ぼくのようなパスタしか茹でられない無知な男でも、BBQくらいはできる。 肉を焼いてみれば、世界の謎が解けることもある。その分だけ人生と世界は単純になっていく。 ルワンダで、やってみたかったことがあります。そのひとつが、「BBQ」。 我が家には、フットサルコートくらいの広さの庭があり、バーベキューをするにはもってこい。チャレンジしない理由がありませんでした。 どうにか探し出したBBQコンロを使って、ルワンダ初バーベキューに挑戦。 やっぱり、炭で焼くと旨い。 どうして、な

ルワンダに来たのはパスタを茹でるためじゃない

凶悪な細菌を打ち破り、アフリカの大地に返り咲きました。 レストランやオフィスに行けるだけで、人生のクオリティが格段に上がることを思い知らされた1週間でした。 そして、また来るであろうロックダウンを見据えて、活動の進め方を改めています。 コロナを理由に何もできずに帰国するのだけは、ぜったいにイヤ。 街も身体も完全復活 ロックダウンが解かれて1週間の街は、コロナ前と変わらない活気。 ぼく自身もサルモネラ菌との激戦を制し、完全に復活しました。体内に入ってきたものを上下か

【青年海外協力隊】ルワンダ滞在史上もっとも過酷な3日間

ロックダウンの解除と助っ人の登場と、素晴らしい週のスタート。 しかし、喜びも束の間、ルワンダ滞在史上もっとも過酷な3日間が始まったのです。 ロックダウンの解除ついにロックダウンが解除されました。 新型コロナウイルスの新規感染者数は、数ヶ月前の10倍で1000人近くいます。 ルワンダとしても、このままロックダウンを続けるにはいかないという結論に至ったのでしょう。全国民へのワクチンの摂取を進め、ロックダウンを解除することになりました。 外出禁止や営業停止が解かれた街は、