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職場としての会計検査院

前回の記事はお堅い感じになってしまったので、これから国家公務員を目指す人向けにカジュアルな感じでご紹介したいと思います。

まずは公式HP

https://www.jbaudit.go.jp/index.html

転勤が基本的にない

職員数は1200人とちょっとと小さい役所です。拠点は霞ヶ関の本院と群馬県安中市の研修所しかないので、基本的には転勤がありません。キャリアだと在外公館への出向、ノンキャリアでも運が悪いと?地方自治体への出向があります(期待値の高い職員ということの裏返しです)が、全国に出先のある他省庁では、ドサまわりも普通なので雲泥の差です。将来設計が立てやすい役所と言えるでしょう。

出世がしやすい

キャリアだと毎年5人程度の採用数です。対して局長ポスト(年収1800万円程度)は5つ、局長に準ずる審議官ポスト(年収1500万円程度)が15もあるので、審議官まではまずなれます。財務省では、キャリアを毎年20名以上採用していますが、大臣官房長含めても局長ポストが6つしかありません(審議官ポストは結構ありますが)。半分以上のキャリアは地方の税関長や国税局長で上がりを迎えてしまいます(それでも立派ですが)。あまり現実的な話ではありませんが、巡り合わせがよければ、会計検査院では、事務総長(他省庁の事務次官)の更に上の検査官(副大臣クラス)や会計検査院長(大臣クラス)まで登り詰めることが可能です。事務総長の年収が2000万円程度に対して、検査官は2500万円程度、会計検査院長は3000万円程度となっています。公務員の世界では夢のある話ですね。

一方、ノンキャリアでも出世がしやすいです。少なくない人数が本省課長級に登用されています。府省別の任用状況をまとめたところ、会計検査院が断トツで出世できることが分かりました。

資格が取れる

霞ヶ関の公務員は公費で大学院への留学ができます。キャリアは海外の大学院に行くことが多いですが、ノンキャリアでも国内の大学院に行けます。特に会計大学院に行く人が多く、公認会計士の資格を取って帰ってきます。近年はほぼ全員早稲田大学の会計大学院(都内最高ランク)に行っています。人によっては学歴ロンダ(良い意味で)になりますね。

また、租税検査課に23年間在籍すれば税理士の資格も取れます。今は資格取得直後に辞められては困るため人事異動で配慮するようですが。推測で恐縮ですが、筆者の国税勤務時代の知識からすると、税理士簿財合格+税務大学校本科研修(会計検査院からの派遣あり)卒業なら10年の実務経験で税法3科目免除なので、税理士資格を取るなら現実的にはこちらになるでしょうか。

残業が少ない

総務課等の官房系の部署を除いて、霞ヶ関では珍しく残業はあまりありません。政策官庁ではないため、法案を作ったり国会待機があまりなかったりすることが要因です。定時上がりを心掛けている人も多いです。エース級の人でも。筆者も基本は定時上がりでしたが、結果を出し続けていたので人事評価は何度か最高ランクになっていました。ちなみに残業は1分単位で集計、やった分は100%支払われます。他省庁のようなサービス残業はありません。

出張が多い

部署にもよりますが、出先が多かったり、地方自治体への補助金が多かったりする省庁(国交省、農水省等)の検査課では、年間稼働日の1/3程度が出張になります。体力的にはしんどいですが、地方のおいしいものが食べられたり、業務終了後に観光したりすることも可能です(主に夜の街になってしまいますが)。

ちなみに、妊娠中の女性や育児中の職員については、遠方への出張がないよう配慮してくれます。

職場の雰囲気

穏やかな人が多いです。職人肌のような方もいるようですが、国税なんかよりだいぶマイルドです。ただ、検査のやり方はあまり教えてくれない感じですね。筆者も丁寧に教わった記憶はありません。中途入社の筆者が若手調査官に教えていたくらいです。とはいえ検査のノルマはないので、結果が出なくても怒られません。だいぶのんびりした職場です。税務署の調査では、上司に復命して詰められることもありますが、会計検査院でもこれやったらいーのになーなんて思ってます。全然関係ないですが、夏はポロシャツOKです。筆者は、局長や事務総長相手にレクチャーするときもポロシャツでした。


いかがでしたでしょうか。まったりしつつもガツガツ仕事もできる自由な職場です。少しでもご興味があれば官庁訪問してみることをオススメします。

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