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何かを始めようとするときに忘れがちな二つのこと。

先日、意思決定について考えさせられる短い良い記事を見かけました。

イーロン・マスク、重大な決断の前に自分に問う6つの質問 | BUSINESS INSIDER JAPAN

タイトルになってるぐらいなので、イーロン・マスクの6つの質問だけでもめっちゃ示唆に富むのですが(これだけでまたもう一記事書きたい)、今回は一旦それは置いておいて、文中に紹介されていたAmazon創業者のジェフ・ベゾスの話、これ有名なんですが仕事から日常生活まで本当に役に立つなーと。

タイプ1の決断とは、「帰結的、不可逆的のなもの。つまり、一方通行のドアのようなもの。このタイプの決断は入念でなければならない」とベゾス氏。
タイプ2の決断とは、「変更可能、元に戻すことが可能なもの。つまり、行き来自由なドアのようなもの。このタイプの決断は権限のある人、あるいは少人数のグループが素早く行うべき」。

ジェフ、ええこというわー!(何様

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事業でいえば、

タイプ1は会社の命運を賭けた新規事業起ち上げの決断で、

タイプ2は全国展開の施策を実施する前に限定店舗でトライアルしてみる。

個人でいえば、

タイプ1は就職の決断で、

タイプ2は副業始めてみる。

みたいなことでしょうかね。

イーロン・マスクの話自体は、まさにこのタイプ1のこと。

だけど、意思決定において圧倒的に頻度が多いのはタイプ2のほうなんですよね。だからタイプ1はもちろん大事なんだけど、まずはタイプ2をしっかりできるようにすることって、個人の人生においても、仕事でチームで動く際にも、地味だけどとても重要だと思っています。

たとえば恥ずかしい話ですが、昔の自分だと「社外の勉強会に参加してみる」みたいなのは、思いついてから意思を固めて行動するまで半年ぐらい掛かりました(!)。

今から振り返れば、ほんとチキン極まりないな俺!と思うのですが(苦笑)、当時は大きな会社で仕事をしていて社外の人と会う機会って商談以外ではほぼなかったので、ものすごく心理的に抵抗がありました。

ぶっちゃけ、思いついたらすぐ行けばいいんです。リスクなんてないに等しい。実際に行ってみたら期待はずれで得るものがない時間だったとしても、そこで失ったものは参加費とその時間のみ。なのにも関わらず、事前の検討にひたすら時間かけてしまう。いやー我ながら情けないわ!

実際は理由をいろいろとつけてるだけで結局のところは

「やったことないから、なんとなく心配・・・」

みたいなオチ。色んな言い訳をしてやらない理由を探してるだけ。でもこれ個人だけじゃなくて、会社の会議とかでも結構あったりするんですよね・・・

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ベンチャー支援などをされているICJ吉沢さんの話で、今でも思い出すことがあります。 

どういう文脈でそういう話になったのかは忘れましたが、吉沢さんとワークショップで同じグループで机の上にたまたまマジックペンが2つありました。そのとき吉沢さんに質問をされたのが、

「二つのうちの一つを手に取りもう一つのマジックペンに転がしてぶつけたら、ぶつけたほうのペンはどういう動きをするか分かりますか?」

自分が何秒か考えていると、吉沢さんは目の前でひょいとペンを手に取り、

「それはね、ぶつけてみればすぐ分かるんですよ。」

と言って、もう一つにそのままぶつけたんです。 ちくしょう!くやしい!

やればすぐにわかることは、事前の検討に不必要に時間を掛けすぎないことを、まさに体感として腹落ちした瞬間で今でもちょくちょく思い出します。

意思決定というと、なんとなく暗黙の前提条件として、

検討に掛ける時間の「量」が意思決定の「質」を「上げる」

と考えがち。

タイプ1の場合は不可逆な決断になるので、もちろん検討をじっくりすることで質の高い意思決定を目指すべき。グラフにするならこんな感じ?

だけどタイプ1では正しくても、タイプ2の意思決定でよくあるのは、検討する時間量の投下に対してすぐに質が上がらなくなるんですよね。

(グラフがおざなりなのは仕様です!)

それよりも実行に移して体験することによる学習量のほうが遥かに大事なことが多い。逆にいうと、やってみないと学習量が増えないしやらないことでの時間ロスのほうがもったいない。

さきほどのマジックペンの話でいくと、物理法則をネットで調べたり詳しい人に聞きに行ったりして時間を掛けて結論としてはこうだ!と答えをだしてから実際にやってみると想定と違った結果になって、机の摩擦係数ががががががとか、マジックペンの重さの違いは考えてなかったあああああ、みたいなこと、よくありませんかね。ない?

あーこれ以上事前に検討しても質あんまりあがらんな、と思ったら早く実行に移してそこからの学びに注力する。タイプ2はやり直しが効くので。

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あと見落とされがちなのが、タイプ1かタイプ2のどちらの意思決定をしようとしてるのかが自分自身や当事者間で認識が揃ってないことが多いんですよね。

個人で動く分にはまだいいのですがチームで動くときは、ラテン的な

「とにかくやってみようZe!」

みたいなノリは馬鹿にされやすい傾向があるように思います。慎重に検討するほうの意見が尊重されやすいというか。言い出しっぺだけがやらされて周りは冷ややかな目で笑ってるみたいな。ダチョウ倶楽部的な。

だから、個人でもチームでも、今決定しようとしていることは、タイプ1なのかタイプ2なのかをきちんと意識揃えておくだけで無駄な時間が減りそう。

ってか、うちのチームでまずやってみようっと。

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まとめると、

○ 意思決定には少なくとも2つのタイプがあるので、今自分(or 自分たち)が検討しているものはどちらのタイプなのかを明確に意識しておく。
○ それがタイプ2の場合は検討に時間を掛けすぎずとにかくやってみる。やることで自分(or 自分たち)が体験する学びや腹落ちを大事にする。

この2つを徹底するだけで、何かを始めるときの意思決定と行動のスピードって上がる人やチーム多いのではと思いました。

今、悩んでるその案件ってタイプ1? それともタイプ2?

ではまたっ!


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