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保険サービスと自費サービスの違い

これはリハビリテーション分野における身体機能訓練の話になります。
現在は、保険サービスがメインですが自費サービスもあります。これらの違いと同じ部分について私見を勝手に書いていきます。

《目次》
・保険サービスとは
・保険サービスと自費サービスの違い
・保険サービスと自費サービスと同じ部分
・両方のサービスの共存について
・おわりに

保険サービスとは

はじめに保険サービスの考えは押さえておいた方が良いと思うので書いておきます。
保険サービスは税金によって行われております。税金は、以下のような歳入と歳出から成り立っています。

歳入:101兆4571億円(所得税、消費税、法人税など)
歳出:101兆4571億円(社会保障、公共事業、防衛、教育など)
国税庁HPより(令和元年データ)

リハビリの保険サービスは医療保険と介護保険がメインとなります。これは、歳出の中の社会保障費に相当しますが、社会保障費は歳出で最も多くの33.6%を占めます。

つまり、国民から集めたお金を使っているサービスが保険サービスとなります。 

保険サービスと自費サービスが異なる部分

次に異なる部分についていくつか挙げていきたいと思います。

①集客
保険サービスは、お客様(患者)の自己負担額が少ないことと信頼があるため、自ら広告を行わなくても集客できますが、自費サービスは広告などをしないと集客は難しいです。

②科学的根拠に基づく割合
保険サービスは、国民から集めたお金を使うため、ある程度の国民が納得がいくお金の使い方をするのが良いと考えています。
よって、科学的根拠に基づくサービス提供を頭に入れておく必要があります。

ちなみに、EBM(Evidence-Based Medicine)とは根拠に基づく医療と訳されますが、これは
・最善の根拠
・臨床家の専門性(熟練、技能など)
・患者の希望・価値観
を考え合わせる医療のことです。

よって、従事者の経験や対象者(患者)の希望も考慮するのは当たり前ですが、科学的根拠の占める割合が多いのが保険サービスと考えています。

③アプローチに対する妥当性の検証
これは対象者(患者)の希望を聞いて、それを行う妥当性がないと判断した場合、行わないという選択肢が必要なのが保険サービスだと思います。
勿論、自費サービスでもこの判断が必要な場合もありますが、保険サービスより、この割合は少なくなると考えています。

例えば保険サービスで、肩がこっているから肩をもんでほしい、という希望があった場合、それを行う妥当性があれば行いますが、妥当性がない場合にはそれを行わないという選択肢も、保険サービスでは視野に入れておく必要があります。
しかし、自費サービスであれば、妥当性がない場合も相手が望んでおりリスクもない場合はそれを行っても良いと考えています。

保険サービスと自費サービスと同じ部分

リハビリ職種のアプローチは、
「聴取➔評価➔プログラム立案➔アプローチ」
という流れが一般的ですが、この流れは保険サービスと自費サービスで大きな違いはないと考えています。 

上記で述べたように、集客とアプローチの選択の部分が異なるくらいで、流れは同じになります。

よって、保険サービスと自費サービスでリハビリ専門家としての技術と知識はあまり変わりません。

保険サービスと自費サービスの共存

保険サービスと自費サービスについて述べてきましたが、理想は共存できるのが良いと考えています。
保険サービスによる身体機能訓練が行えなくあった後の受け皿として自費サービスがあるのが良いですね。

しかし、これは法律面をクリアしないと難しい問題なのでなんとも言えませんが。
また、どうしても自費サービスは対象者の負担額が多くなってしまうため、経済的にサービスを受けることができない人が出てくるのも問題と考えています。

おわりに

最後に、自費サービスはすごいことをやっているような印象がありますが、技術や知識に差はありません。
差があるとすれば、集客技術(マーケティング)です。これは自費サービスでは圧倒的に必要になります。
ちなみにコミュニケーション能力は両方とも必要です。自費サービスの方が集客のためには重要と思われがちですが、保険サービスは他職種との連携が重要になるので、逆に保険サービスの方がコミュニケーション能力は重要だと感じることがあります。

保険サービス、自費サービスは同じ部分と異なる部分がありますが、専門家としての中身は同じですね。保険サービスに関して、国民のお金を使っているという意識は多少ながら必要かと思います。
以上、勝手ながら書いていきましたが、お読みいただきありがとうございました。





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