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「世界を10年進めたコロナ禍とリモートワーク」

リモートワークのメリットとは。

 現在、主流となったリモートワークですが、そこにはデメリットよりも多くのメリットがあることがわかってきました。ここではリモートワークだからこそのメリットについて考えていきたいと思います。

  世界を10年進めた新型コロナ

 2020年に起きた新型コロナによるパンデミックは、多くの意味で人類社会を変えました。それまでは当たり前だった人との接触ができなくなり、マスクと自粛、緊急事態宣言というかつてない状況や、他にもトイレットペーパー不足になるという虚偽の情報によって社会を混乱に落とし入れるなど、人々の行動に制限をかけました。一方で、不謹慎かもしれませんが、コロナ禍は社会のみならず、人類の生活を大きく変えたことも確かです。特に変化をおそれ「出社して仕事をする」ことが絶対と考える日本の社会において、10年はかかるリモートワークをわずか1年で可能にしました。考え方によっては、世界を10年進めたとも取ることができるのです。

    都内である、若手社長は、ある日、パソコンのディスプレイに表示されたデータを見てうなり声を上げました。コロナ禍によって導入を余儀なくされたリモートワーク、確かに、設備投資にお金はかかったものの返ってきたデータは意外なものでした。生産性の向上に加え、個々人の時間が増えたことで業務に余裕ができ、業績が上がり、時間単価の向上と合わせて離職率が低下していたのです。それまで出社すると、業務前にチームミーティングを行い、各自のスケジュールを確認する。それが組織を有機的に動かすもっとも効率的な方法だと信じて疑っていなかったものが、簡単に打ち砕かれたのです。他にも通勤費といった経費を削ぎ落とすことができ、これまでやってきたすべての会議は無駄だったと結論づけたのです。

 一方で、社員側の視点に立つと、自宅で仕事を遂行できることで自分のペースで仕事を進められることで仕事へのモチベーションも上がりました。通勤時間分を睡眠に当てることができ、朝と夕方の散歩でストレスも解消でき、昼寝もできる。趣味や勉強の時間が増え、今まで求めてきた生き方が今ここにあると実感することができました。人によっては、ネット環境とパソコンさえあれば仕事ができるので、人が少なく快適にすごせる郊外や、中には田舎への移住を決めたり、中には日本を転々と旅をしながら仕事をする人も現れました。環境の変化によって、仕事のアイディアの幅が広がり、今まで思いつきもしなかったことが仕事に活かせるようになったのです。

 リモートワークには賛否があることも確かです。自粛によってECなどの通販需要が増え、相対的に小売業は厳しくなりました。そこに人がいなければできないいわゆるエッセンシャルワーカーなども疲弊しました。一方で同業でも、リモートワークを導入した企業とそうでない企業で開きができたことも確かです。今後、社会はリモートワークを始めとするDX(デジタルトランスフォーメーション)に適応できるところはさらなる変革を起こし、一方でそれができない部分にも細かく対応できる仕組みが求められていくことでしょう。それができれば社会は、もう10年進化することができるはずです。

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