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ChatGptと創作について考えたこと

1.ChatGptについて

技術の進歩って素晴らしいですよね。
ChatGptの登場によって、きっと世界は変わっていくのでしょう。
どんな質問してもほぼノータイムで返してくれるので、やばいです。
プログラムや翻訳なんかでも、一瞬でやってくれます。
科目にもよりますが、学生の課題のレベルだと瞬殺かもしれません。

ただ、これを使って答えを得てしまうのは勉強になるんですかね?
学生時代の勉強って、基本的に答えを得ることよりも、答えを求める方法を学ぶことだと教わりました。
僕自身は不真面目な学生で、専門書も論文も大嫌いでしたが、それらと向き合った経験は、なんだかんだで役に立っています。

学生さんは苦労しなくてはいけないという精神論を言いたい訳ではなく、ChatGptの出した答えが正解かどうかを自分で判定できないって状態になってしまうと、非常に怖いんですよ。常に正解を出してくれるなら問題ないのですが、知らないことを質問されると、それっぽいことを適当に答えてきます。

こいつ、知ったかぶりをするんです笑。

例としては、日本のなぞなぞなんかを出してみると、かなりトンチンカンな答えが返ってきます。最新の有料版のGPT-4を使っても「上は洪水、下は大火事って何でしょう?」みたいなことを聞くと、日本の古くからの諺で、困難な状況に直面したことの比喩みたいな解説をされます。
間違いを教えようとしても、ほぼ改善されません。

自分の知らないことを尋ねるのは、非常に危険です。

日本語への対応が遅れているというのもあるんですが、それだけじゃありません。英語で質問しても、弱い部分はたくさんあります。
やっぱり、人間も勉強しないといけません

学生さんがChatGptを利用することによって、指導や添削してもらう機会を放棄するのはもったいない、と大人の立場になると思ってしまいます。
僕自身が学生だったら使っていた可能性があるので、強くは言えませんが。

じゃー、こんなものは使えないかというと、そんなことは全然ありません。
すっごく便利なツールだと思います。
基本的に、ChatGPTを使わなくても、時間をかければ自分で答えを出せる項目については、神ツールなんですよ。時間短縮や見落としのチェック、別視点でのアプローチなどができるので、クオリティを上げることができます。

この中でも時間短縮というのが一番大きいでしょうね。これからの世界は、AIを上手く活用できる人とできない人で、生産性に大きな差が生じることになると思います。
国会の運用で採用している国もありますので、将来的には、SFの世界のようになる可能性もあるんでしょうね。楽しみでもあり、ちょっと怖くもあります。

悩み相談なんかもおすすめです。
その人にとっての最適なアドバイスってのは難しいですが、8割の人が解決できるような一般論でアドバイスをしてくれます。あたりまえの意見であっても、意外と忘れてることって多いんですよね。色んな事に気付かされて感心してしまいます。
感覚的には、初対面の占い師やカウンセラーの方に相談しているようなものでしょうか。

ゲームへ応用できると、面白そうですよね。
ゲーム内でキャラクターと定型文以外で会話することができるようになったら、ゲームに革命が起きます。
ChatGPT、VOICEROID、Vtuberの3Dモデル、VRの技術なんかを融合させて恋愛シミュレーションゲームを作れば、廃人を大量生産できちゃうとんでもないものまで作れてしまいそうな……。

2.ChatGptの小説

ChatGPTさんは、コンプラにかなり厳しいです。
・ミステリーのトリックなど犯罪に直結するものはすべてNGです。
・性的な表現もNGです。

ですが、適当に指示しても、それなりに小説を書いてくれます。
異世界転生をテーマに小説を書いてくださいという指示だけでもOKです。
僕よりも上手い文章で、一瞬で冒頭部分を完成させます笑。

ただ、現時点でこれを使ってコンテストに応募して受賞するってのは、かなり難しいでしょうね。
一貫した10万字の物語を安定して書けるかというと、無理です。今後、インプットとアウトプットの容量を増やしていけるようになると、できるのかもしれませんが。

小説を書いてもらうときに作者αという人格を作り出したとしても、次の会話で作者βになっている可能性があって、固定というのができないんですよ。
僕の指示が悪いだけかもしれませんが、文字数を増やしていくと、グダグダと中身のない冗長な物語ができあがっていきます。リレー小説みたいな感じですかね。仲間内でやる分には楽しいかもしれませんが、コンテストには不向きです。小説本文よりも、一度の出力でプロットを作ってもらう方が、クオリティが高いと感じました。

AIを使った文学賞で大賞を取った作者さんは、AIで作った文章の倍以上を手直しされたようです。そんなことができる方は、最初から自分で書いても受賞できる実力を持ってるんじゃないでしょうかね笑。

AIが発達すれば小説家はいらないという意見もありますが、そんな未来は来ない気がします。色々試したのですが、AIは僕よりも上手い小説を書ける可能性は多々ありますが、僕にはなれないってのは確信しました。

今後の人生で、僕が物書きとして評価されるかはわかりませんが、自分の個性が唯一無二のものだってことだけは、自信を持っていきたいと思います。

3.AIの創作の弱点

僕が感じた点は、愛がないってことでしょうか。
『ヤンデレお嬢様が、好きな人相手に書いたラブレター』という馬鹿なお題で書いてもらったのですが、なかなかのクオリティでした。
ヤンデレとお嬢様について理解した見事なラブレターでしたよ。
こんな馬鹿げた指示にも対応してくれるなんて「すげぇええええ!!!」としか言いようがありません。
しかし、よく読むと内容について物足りなさを感じてしまい、修正をお願いしてみました。でもいくらやっても、まったく改善することができません。
似たような文章になってしまいます。ニュアンスを伝えても、僕の言葉をそのまま文章に取り入れるだけなんですよね。
一瞬で書いたのは凄いのですが、これですと、時間をかければ僕の方が狂った文章を書くことができます笑。

他の題材でも色々試した結果なんですが、この題材が好きという気持ち、読者を楽しませようという気持ちが伝わってこないんですよね。指示通りに、知識をなぞって書いているという感じです。AIなので、あたりまえのことかもしれませんが。

愛やこだわりやサービス精神ってのは、人間固有のものなのか、AIで再現できるものなのか。今後の進化が楽しみです。

4.創作にChatGptを使うことについて

AIを主にした創作については、僕は否定的です。
なぜなら、AIを主にした創作活動はつまらないからです。

AIが考えた物語を手直ししていく。
これだと創作ではなく、ただの作業だと思います。
仕事と割切るのならありなのかもしれませんが、お金を稼ぐという目的なら、作家という職業は効率が悪すぎじゃないですか。
もっとお金を稼ぎやすい資格勉強をおすすめしたいです。

それと、例えAIが書いた小説が評価されて受賞したとしても、それはAIが評価されたわけで、自分ではありません。これでは、承認欲求を満たせないでしょう。そして、出版社に同じクオリティの続編を求められたとき、地獄を味わいそうな……。

法律的な部分でも問題があります。
AIの書いた文章には、著作権が存在しないらしいのです。自分はこの分野の専門家ではないのでわかりませんが、書籍化した場合には、この点は大問題になりそうな気がします。

でもですね。
AIを使った創作活動自体は、非常におすすめなんですよ!
ChatGptさんは、創作の相談相手としても、すっごく頼もしいので!

例えば、あらすじを書いて、このタイトルはどうでしょう?みたいな相談すれば、かなりきちんとした意見を言ってくれます。創作の悩みを言えば、一般的な創作論に基づいたアドバイスをしてくれます。
24時間気軽にどんな意見でも言える簡易的な編集さんって感じですね。
※もちろん、本職の方には及びません。

AIと相談しながら、出てきた意見を自分の判断で取捨選択していくのは、ありなんじゃないでしょうか。僕自身は、今後もAIに小説の本文を書いてもらうことはありませんが、どんな相談をすれば、もっと効率的に創作できるかは、試行錯誤していきたいと考えています。

最後に言いたいのは、すっげーものが出てきたなって感じです。
現代の黒船来航です。鎖国をしている場合じゃありません。
AIが暴走して人類が危機に陥るのはフィクションのお約束ですが、現実では上手く付き合っていきたいものですね。

長文乱文失礼しました。
本文の内容については、あくまでも個人の感想です。
タイトルの画像については、画像AIで生成しました。