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危険回避のための立ち位置

こんにちは。介護士のyooshです。


【利用者転倒】

ちょっと前の出来事です。


うちの施設を利用してくれているおじいさん(OGさんとしましょう)が「後方に」転倒してしまいました。

(どっち向きに倒れたかが以降の話でポイントになるので「」書きにしました)

それも僕の目の前でこけてしまいました。

尻もちをついて、かなり痛がる様子。

結果、背骨を圧迫骨折。入院となりました。


【後方に倒れる】

OGさんは、歩行が結構不安定です。

けど、自力で歩こうとします。

『自分で歩くゼ』という思いは、めっちゃ大事です。

歩かないと『歩行』においての自立度は確実に下がります。


けど、結構危ないんです。


なので、OGさんが立ち上がる時は、必ず『本人のすぐそばにいく』と決めています。


で、今回OGさんが立ち上がったと時も『すぐそば』にいました。

厳密に言うと、『本人の目の前50センチのところ』にいました。


何故この位置にいたか?

『本人は歩き始めに「前方に」バランスを崩すことが多い』

からです。


でも今回は『後方に』バランスを崩しちゃったんです。


で、倒れ始めた瞬間に僕はOGさんの後方へと回り込みました。

OGさんから一切目を離していないので、瞬時に『後方へ回り込む』行動に移れたと思います。

後方に回り込むことはできました。

けど一瞬遅かったんです。

後方に回り込んだ僕に、仰向けに覆いかぶさるようにして、OGさんは尻もちをついてしまいました。

結果、背骨の圧迫骨折です。


あと一瞬少し回りこみが遅かったり、『そもそも職員が誰もそばにいない』状況だと

もしかしたら思いっきり後頭部を打ってたかもしれません。

そうなると、もっと深刻です。

そこは防げたんですけど、、、


【思い込みによる危険予測】

僕がOGさんの『横』にいたら、結果は変わっていたかもしれません。

『前方』にいるよりも、もっと早く『後方』に回り込めたと思います。

『コケる』って一瞬の出来事なので、職員にも瞬間的な対応が求められます。


僕にはOGさんが『前方に倒れる』という思い込みがありました。


『OGさんの過去の動き』を考慮して予測を立てているので、

テキトーな感じで『前方にいた』わけではないです。


けど、

『後ろに倒れる可能性もあるよね』

と危険予測をして

『後ろにこけて、後頭部打つのは相当ヤバいよね』

と考えて

『じゃあ基本的に後方の危険回避はできるようにしとこうね』

『けどOGさんは前に倒れるリスクも高いから、「前」にも「後」にもすぐ回れる「横」にいようか』

て感じに、起こりうる危険の可能性を広げたうえで『明確な立ち位置』を決めることができそうです。


『思い込み』だけでなく『起こりうる危険』と『過去の利用者の行動分析』に基づいた『明確な職員の立ち位置』を割り出していくことって大事だと思います。

(めっちゃ堅苦しい言い方になってしまいました、、、他にうまく言葉が選べなくて、、、)


【危険回避のための職員がいない】

今回の転倒事故で、

『今まではないけど、まあそれって普通に起こりうるし、起こったらめっちゃ危ないよね』的な危険予測の大事さを思い知らされました。

(なんで僕は後ろにコケるかも??って思わなかったんだろうか、、、)


けど、危険を回避する上での根本的な問題があります。


『明確な立ち位置を決めても、そこに立つための職員がそもそも存在しないよね』問題です。

つまり『人手不足』です。


介護施設のユニットって10人くらいの利用者さんがいると思うんですけど、

職員1人で見てることって多いと思います。

まあユニットケアでなくても、1人の職員がケアする利用者の数って結構多いと思うんです。

夜間だと、職員数が少ないので、ケアする利用者はもっと増えます。

こんな状況で、OGさんみたいな状況が2か所以上で起こるともうoutなんです。


で、その状況って結構起こりますよね???

危険性を理解しながらも『より優先度の高い人だけ』の危険回避をすることってあります。

一方で同時に動いている『優先度は2番目だけど確実に危ないよね』的な人の行動を冷や冷やしながら見る、なんてことも、、、


もう一人職員がいて、見守りしてもらえれば、、、と思うことってよくあります。

けど、職員いません。いてもいなくなります。

(いなくなる人のせいではないです。自分基準で「ダメだこりゃ」と思う職場からさっさと去るのは賢明だと思います)


穴の開いたバケツから流れ出る水のように流出していく職員、、、、

職員の少なさは『危険回避』を困難にしているのは確かです。


けど、この問題は『採用』とか『人材教育』とかの話になるので、また別の機会に書きたいと思います。

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