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山登りと商品企画

山登りと商品企画、関係があるのかな?
私がやってきたことなので、無理やりでもこじ付けてみました。

商品企画に必要な能力とはモノの本によると下記の様に書かれていました。●コミュニケーション能力
●フットワーク
●調整・折衝能力
●プレゼンテーション力
●世の中のトレンドを敏感に察知・予知できる能力
●情報収集・調査・分析力
●商品に関する専門的な知識
●膨大な情報の中から、本質を見抜く力

これらを山登りと紐付けしてみましょう。

●コミュニケーション能力
山登りでは単独行とグループでの登山があります。
おおかたは二人以上で山に登ります。
安全の面から見ても、何かあった時に一人では対応出来ませんね。
目標は決まっていますが、山では色んな出来事が生じてきます。
リーダーはメンバーとコミュニケーションをとりながら対応します。。
話さなくても通じるほどの阿吽の呼吸があれば、ジェスチャーやアイコンタクトで通じますね。
そのくらいコミュニケーションが出来ていれば最高ですね。

といっても、二人だったら安全か? そうとも言えません。
友人2人が屏風岩から転落しました。
一人が滑り落ちて、それを止めるはずのもう一人のビレーピンが抜けて、二人とも墜落しました。
山での悲しい思い出です。

屏風岩2

一つの物事をなすには相手とのコミュニケーションを取らなければ、どうなるか分かりませんね。
一つのモノを作るのに相棒との連絡が密であるのは当然ですね。
お互いに思いが異なると、出来上がるものは中途半端になります。
一昔前のトヨタの車がそうでしたね。
若い人が斬新なコンセプトで新しいデザインの車を試作しても、おえらさんが、ああでもない、こうでもないと口を挟むと、どんどんと角が取れて、
普通の車になります。
トヨタには乗りたい車がないとトヨタの若い社員が言ったとか?

コミュニケーションも色々ありますね。
トヨタのブラックボックスは偉いさんの話を聞かなくてよいと言うことで、若い人だけで作った車と聞いています。
この頃から、トヨタのデザインは変化してきました。

また別に、一人でする商品企画もあります。
自分の思いを一人で形にしていくのです。
他人と相談する必要はありませんが、自分とのコミュニケーションは必要ですね。
アップル創業者のスチーブ・ジョブズさんはそうですね。
自分の思いのたけを一つの商品に込めました。
この後を継ぐ人はなかなか出てこないですね。
自分は何をしたいのか、何を作りたいのか、明確にしないと、モノは出来ません。

山登りの単独行も自分が何をしたいのか、
何をするのか、明確にわかっていないと、
迷ったり、遭難したり、危険な場面に出くわすことが多くなります。

単独行は自分と、そして自然との対話になります。
都会生活の息苦しさ、人間関係の煩わしさ、何かムシャクシャする。
等と感じたら、一人で山を歩くことをお勧めします。

山の中でたった一人でテントを張ったら、何から何まで自分一人でしなければなりません。
如何に、今まで、人に頼っていたかが分かります。

寝るときは、自然の音が大きく聞こえます。
静かなようですが、自然は色んな音を持っています。
風、雨、木々の葉っぱのこすれ合う音、虫の鳴き声、何かの羽音
動物の鳴き声、時には足音。

都会でベットでコンクリートに守られて寝ている人にとっては、
聞こえて来る小さな音そのものが、不安や恐怖につながります。
最も、ほとんどは何も起こりませんが。

私は夜中にクマと遭遇したことがあります。
(実際の目で見た訳ではないので確証はありませんが)
テントで寝ていると、フーフーと言う大きな鼻息と、ドスンドスンとの音で、目が覚めました。
場所は北アルプス 双六への登り、伊籐新道の秩父沢の出会いでした。
私は、眠い目をこすりながら、テントの中から、裂ぱくの気合
(少々、剣道としていました)を発しました。
瞬間、外は静かになりました。

眠いので、そのまま寝てしまい、朝、起きてみると、テントの外に置いた、ザックは無く、
ザックに入っていた中身は点々と飛散していて、だんだんと藪の方に続いていました。そうなると、少し怖いですね。
ピッケルで空き缶をガンガンと叩きながら、藪の中に入り、落ちている中身を拾って歩きます。
少し下ると、二人のザックが落ちていて、そのザックの胴体やポケットは引きちぎられて、中の食糧は食べられていました。
青春の山登り12年間で、この1回だけがテント泊で、少しヤバかったと思った瞬間です。
もちろんこれ以外も、岩から落ちた事、真冬の丸木橋から転落して川に飛び込んだこと、吹雪の中での必死の脱出行、思い出すとキリがありません。
きっと、何かの役には経っているでしょう。

西穂高岳5

●フットワーク
世の中はどんどんと動いていきます。
その場その場に対応した商品でないと、いくら良いものを作っても、
遅すぎたり、早すぎたりすると、ヒットが難しくなります。売れゆきも芳しくありません。
タイミングが大事ですね。

テニスでもレシーブの時に足を小刻みに動かして、飛んでくるボールに対応できるように構えていますね。
山登りもフットワークが軽くないと、山行も予定通りに進みません。
自然現象に対応することも大事です。
雨や風、雷、吹雪などへの対応は素早くしないと、命にかかわることが出てきます。
相手は自然です、こちらの思い通りにはいきません。
自然に合わせることが大事です。

西穂高岳7

●調整・折衝能力
会社でのチーム、団体戦では、内部の調整、折衝、社外に対しての調整や折衝が欠かせません。
社内だけだったらまだしも、全て、自分たちで出来るわけではないからです。

この良し悪しがプロジェクトのスムースな進行や、
出来る、出来ないにも拘わります。

山登りでも同じですね。色んな調整があります。
メンバーへの持つべき団体装備の配分、各人の体力の能力を見定めて決めていきます。

特に遠征隊など組織すると、やることがイッパイあります。
協力スポーサーとの折衝、協力依頼、要望内容、協力内容決め、等々、
装備品のリストアップ、調整、必要品、不必要品の見定め。
山の場合は人力で荷物を担ぎ上げるので、
必要最小限で、過不足なく調整するのは大変な作業です。

西穂高岳4

●プレゼンテーション力
何をするか、どんなことをするかをアピールし、知らしめる力は大事です。
これにより、協力を得て、モチベーションを高め、目的に向かって邁進できる力を得るのです。
どんな素晴らしいテーマ、目的でも上手く伝えることが出来なかったら、
思いが半分も伝わらなかったら、成功への道は遠くなります。

山登りでも同じです。計画を立案し、目的、目標を伝える。
チームの力を一つにまとめるには、やはり、プレゼンテーション力が必要となります。

●世の中のトレンドを敏感に察知・予知できる能力
世の中の動きを知っていないと、商品企画する商品が
その時代、世のなかに合致してるか分かりません。
あっていないものは、受け入れられないでしょう。
タイミングを計って、商品を登場さす。大事ですね。

山登りにもトレンドはありますが、自分達だけでの登山では、
そんなに必要ではないかも知れません。
もし、遠征などで、スポンサーを募集するならば、
その時のトレンドは大事です。
世の中に合致していれば、広告効果の意味合いが強くなります。
スポンサー付きの遠征は大変です。
自分達の思い通りにならない事もあります。
協力してもらったスポンサーの意向も大事にしないとね。
企業のスポンサーもお願いする相手は人です。
どんなに素晴らしい企画でも、窓口の担当者が理解して、
納得して、協力しましょうと思ってもらわなければ、話は進行しません。
企業はそんな話は沢山来るからです。
すると、その企業の担当者の思いにも答える必要が出てきます。
みんなの思いが、遠征隊を後押しします。

西穂高岳3

●情報収集・調査・分析力
新しい事に挑戦するときは、どの様な状況か、どうなっているのか情報を集めて、対策します。
さらには分析して、どうすれば、どうなるか、戦略、戦術を立てるのに、まずは情報の収集からですね。

山登りも同じです。登るべき山はどんな山か、どんな危険があるのか、
それに対して、どんなスキルが必要なのか、どんな装備が要るのか、
どれだけ食料をもっていくのか?
「敵を知って己を知れば百戦危うからずや」ですね。

神戸の六甲山に行くのと、冬の穂高岳に行くのは、
まずは心構えが違いますね。
冬の穂高岳は雪があり、気温も低く、雪崩の可能性もある。
雪の降るのは当たり前ですし、冬型気圧配置になると、
3~4日は吹雪で動けなくなることを覚悟しておかないといけません。
雪に対して、寒さに対して、その中を行動する装備、そして食料、
最も大事なのは、挑戦できる、体力、知識、心構え、対応力、想像力
予知力、等々が要りますね。
チームの誰もが持っている必用はありませんが、
少なくとも、同じように行動できるスキルは最低限必要です。
そうでないと、足手まといになり、チームを危険にさらすことになります。

西穂高岳6

●商品に関する専門的な知識
専門的な知識は必要ですね。そうでないと、自分が企画しようとするものを、
どの様にするのか、どの様にしたらいいのか?が分かりませんね。

オーバースペックでもダメ、他社と競争出来るレベルでないと、
新しく出す価値がありません。沢山費用をかけて作るのも問題です。
企画はバランス感覚も求められます。
その為には、専門的知識が必要になりますね。

山登りも同じです。安全に山を登るには、山の知識、地図の知識、天気の知識、山登りのスキル、
装備を扱う知識、食料の知識、怪我や医療の知識等々、色んな事を知っていないと、安全に山は登れませんね。

●膨大な情報の中から、本質を見抜く力
現代は世界中から色んな情報が得ることが出来ます。
意識していなくても、情報が飛び込んでくるようになっています。

自分が興味ある情報を取りに行くと、比較的、簡単に沢山、収集することが出来ます。
本当に欲しい情報は自分が悩んでいること、解決したいと思っていることを、明確にして、
頭の中に入れて置くと、必要な情報を探しやすくなります。
必要な情報を得るためのセンサーが働くのです。

欲しい情報を望めば望むほど、苦労すればするほど、
必要な情報が向こうからやってきます。
そんな感じで、欲しい情報が入ってくるのです。
明確に目標や、解決すべき問題が分かっているから、情報の本質が見えてくるのです。

山登りも同じです。登頂すべき山の情報を集め、チームの実力を把握して、目指すべき山をルートを決めます。
この作業を間違うと、その山登りは成功の率が低くなります。
気象条件が悪ければ、遭難の可能性も出てくるのです。
実力にあった山やコースを選ぶことが成功につながるのです。

何でもそうですが、もう少しで成功する、もう少しで登れる、
ここが一番危険なのです。
その場面まで体力を使っていますから、あと少しが大変なのです。
この少しを超える力やスキルを日ごろから鍛えておく必要があるのです。
最後の最後に役立つのは、火事場のバカ力です。
このバカ力が成功へ、完成へ、登頂へと導くのです。

山登りも企業経営も似た所があります。
登山は家を出て家に変えるまでが登山です。
何時も、何があっても、非常事態が起きても、
それに対応する力は残しておく必要があるのです。
そうでないと、家には帰れません。

私はサラリーマンでしたから企業経営の経験がありませんが、
傍で見ていて思います。
上手く行きだすと、その延長の先に未来があると思いがちです。
それは単に一つの山を登ったに過ぎないのです。
山は山頂にたどり着くと、後は下りになるのです。
直ぐに、次の山に登る支度をする必要があるのです。
企業経営も峠を越えて、しばらくは上手く行ってても、
だんだんと体力がなくなっていたら、
大成功しても、真の体力不足で上手く行かない場合もあります。
乗り越えて、なお、余力を持っている。
そして、次の山を目指す。
そんな風にしたいものです。

人材バンクネットでの商品企画を見てみると
・何かを作るのが好き
・人と接するのが好き
・アイデアを考えるのが好き
・専門家になりたい
・人の役に立ちたい
・華やかなものが好き
・組織や社会に影響を与えたい
・物事を分析・研究・探究したい

このな人が商品企画に向いていますね。
商品企画は楽しい仕事です。
苦しみや苦労もやってきます。
しかしながら、乗り越えて、成果が出ると、
とても晴れがましい思いを得る事が出来ます。
それが一生の思い出にもなります。
自分が楽しんで、喜んで、いつも商品の事を考えていられる人は
是非に挑戦してみて下さい。

西穂高岳2


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