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死ぬほど面白すぎて頭を抱えた中国のアニメ映画『羅小黒戦記 僕が選ぶ未来』を語らせてほしい。

ーー11月22日の16時過ぎ。
私は映画館の座席、前から2列目で頭を抱えていた。

本当は両手を上に掲げて降参のポーズをしたかったけれど邪魔になるからね、ちゃんと堪えたよ。

ってな感じで私が久々に観たアニメ映画で死ぬほど感激した作品というのが、『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)僕が選ぶ未来』(2019年 中国)です。

 黒猫の妖精、シャオヘイは住んでいた森が人間による開発のせいで住む場所を失ってしまった。

 ある日シャオヘイが出会ったのは同じ妖精、フーシー。彼はシャオヘイを人間のいない妖精だけが住んでいる島へ案内し「一緒に住もう」と歓迎した。

 そんな時に人間でありながらも最強の力を持つ、館の執行人ムゲンが訪れフーシー達を襲撃。フーシーの怪しい行動に目をつけて捕らえにきたのだった。抵抗するもシャオヘイはフーシーたちと逸れてしまう。

 シャオヘイはムゲンに無理矢理連れられ島を脱出するも、ムゲンによる指導で力を身につける修行を受け日に日に成長していく。そして二人は共に、人間と妖精が共存する館を目指す。

 一方フーシーとその仲間たちはとある計画の為にシャオヘイを取り戻そうとしていたのだが……。フーシーの目的とは一体?
 そしてシャオヘイは自分の居場所を見つける事ができるのだろうか。

監督:MTJJ
【吹き替え版キャスト】
シャオヘイ:花澤香菜 フーシー:櫻井孝宏 ムゲン:宮野真守 他



そもそも羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)とは?

本作品は中国のアニメ監督兼漫画家のMTJJと、寒木春華スタジオが原作のwebアニメ。


シリーズ第1話が公開されたのは2011年。
作風はFlashを使用した2Dアニメで、現在は28話まで公開されているよ。シリーズ展開され、書籍化もされている。

可愛らしい絵のタッチに加え、個性豊かなキャラクター。そして戦闘シーンもバリバリのアクションで爽快!
これがまた中国で大ヒットして高い人気を得ている作品なんだとか。まさに中国を代表するアニメ作品。

2019年に劇場版が公開され、中国語音声の日本語字幕によって日本でも一部地域で公開されていた。
そして2020年11月、ついに日本語吹き替え版が公開された! しかも超豪華キャストで。知らない名前が無いほど有名過ぎる声優勢が揃っている。

webアニメ本編は劇場版の4年後が舞台で、本編を知らなくても映画のストーリーを楽しめるので是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
私は映画を観て帰宅後すぐに本編を一気見してしまった。

絵があまりにも可愛らしいので、アクションシーンはギャップがあって驚くと思う。
それも本作品の見どころ。
1話1話が5〜10分程度なのでサクサク進んでいく。
中国アニメは恐ろしい(褒め言葉)



キャラクターが魅力的過ぎぃ

次に劇場版に登場するキャラクターについて簡単に紹介するよ。
とにかくキャラデザが良き。可愛らしいキャラクターから美形なキャラクターまで。
表情も動きもコミカルに描かれるのでそれもまた惹きつけられる。

ここで少し主要キャラクターを紹介してみようと思うよ。

シャオヘイ CV:花澤香菜

真っ黒なカラーに大きなおめめ。「にゃー」と喋るシャオヘイにとても癒される。年齢もまだ6歳で子どもの妖精。
そして人型にも変身できる。

もぐもぐご飯を食べるシャオヘイがめちゃんこ可愛い!!
ムゲンや人間たちには生意気に歯向かうが、ムゲンに対してはだんだん心を開いていく感じがもう……何とも……親になった気分……(尊い)

最初こそはへっぽこだけど、ムゲンの訓練によって才能を開花させていくのは胸熱。とてつもない能力を秘めた超凄い子。
個人的には花澤さんってこんなキャラも演じるんだなーと少し驚いたキャスティングだった!


ムゲン CV:宮野真守

人間なのにほぼ妖精に近い存在で、彼の能力は圧倒的なもの。
シャオヘイに指導をし能力を身につけさせた。
物静かでかなりクール。たまに見せるお茶目な部分も面白くて良い。

アクションシーンはほぼムゲン様無双でめちゃくちゃカッコいい。見どころさんすぎる。

そんなムゲン様は料理の才能が無いのもギャップで、ただの焼き魚や鳥の丸焼きがゲロマズになる。可愛いかよ。
クールオブクールな宮野ボイスが味を出していてとても良い。みんなムゲン様が好きになる。


フーシー CV:櫻井孝宏

このフーシーというキャラがかなり物語を大きく転がしていく存在で、彼もこれまたまぁめちゃんこ強い妖精さん。

住む場所を失ったシャオヘイを迎え入れ親切に接してくれる。
そんな彼もかつては住む場所を人間に奪われてしまった。

このフーシーというキャラクターがまた尊く……彼はとある計画のために仲間たちと共に動き出しているのだけれど、シャオヘイをめぐりムゲンと激しく対立する。自分の意思は誰にも譲れないという強い感情の持ち主。

他にも妖精キャラクターが続々と出てくるよ。

とにかく声優が豪華過ぎて驚き桃の木です。
予告編には出てこないけど、個性豊かなキャラクターが沢山出てくる!
妖精同士のバトルアクションは瞬きしていられないほど。


この映画の世界観ってなんぞや

さっきから妖精やらやら能力やらのワードが出てきていると思うけれど、まずこちらを先に簡単に説明すると


妖精:日本でいう妖怪みたいな存在。妖精自身の意思で人型に化ける事ができる。
映画には人型の妖精が多く登場し、みんな人間社会に溶け込んでひっそり暮らしている。もちろん自然の中で暮らす野良妖精もいます。


:映画には館長、と呼ばれるキャラクターも登場しますが館とは妖精館というものでその名の通り妖精のための施設です。各地に館が分布しており、妖精が住んでいます。
都市部では空を飛ばない、人間には妖精だとバレないよう暮らす、などの決まりがある。


能力:これは妖精だけではなく、人間も修行すれば身につけられるものです。それぞれ有する属性があり、氷属性や火属性は名の通りで木属性は植物を自由自在に操れます。
ちなみにシャオヘイとムゲンは金属性で金属を自由自在に操れます。

ってな感じだぁ。そして映画の世界観をもう一度まとめると……

妖精のシャオヘイは昔、故郷を人間の開発によって奪われた経験があるので人間を恨んでいる。
フーシーもまた故郷を奪われた過去があり、人間のいない世界を目指しているが、彼の行動は暴走しがち。

そんなフーシーの過度な行動を取り締まるために館から執行人として派遣されたムゲンが追ってくる。

妖精による妖精のための世界を目指すフーシーと、人間と妖精が共存する世界を目指す館とムゲン一同の激しい対立を描く。

この映画の大きなポイントは「妖精と人間の共存」です。
館によってある程度は共存の世界が作り上げられているけれど、結局は妖精側としては人間世界で正体を隠し、こそこそと生きるしかありません。
また映画では妖精絡みの事故に巻き込まれた人間に記憶処理を行う事を指示するシーンもあります。


これは結局共存できているのか……? とフーシーも別の言葉でそれをムゲンに指摘するせれど、正直私も映画を見終えてから府に落ちないなと思ってしまったよ。

また自然を破壊し人間の生活地を開発していく事に関しても、現代によく訴えかけているテーマだよね。
自然と人間の対立と言えばジブリ作品の『もののけ姫』も同じテーマだった。

この映画は大人が観ていて「ハッ」とする部分や考えるものが沢山ある。一見子ども向けアニメにも思えるけれど、大人の胸によーーく突き刺さる凄い作品です。


人生で初めて映画館で再鑑賞した

この映画を直前までは、そもそもこの作品の存在さえも知らなかったし勿論予告編も観たことがなかった。ストーリーもキャラデザさえも知らない。

一緒に観に行った人が「ジブリみたいなストーリーの中国のアニメ映画」と紹介したので、観る前にチラッとポスターを見ただけだった。「子ども向けな感じかな……?」と勝手なイメージでいざ映画館へ。

そんでもったら本当に面白くて面白くて、アクションも衝撃的過ぎて目がかっ開いたまんまだったし、そして泣けて……とマジで人生で1番面白いと感動したアニメ映画だった。

中国らしいのがこれまた、師弟関係の描き方が大きな特徴。ムゲンとシャオヘイが共闘するシーンはもうずっと目を開いて観るしかないし、エモ過ぎてダメです。アドレナリンがドバドバでした。

それと思わずクスッとしてしまうコメディなシーンも程よくあって、凄く癒されます。これも見どころ。

とにかくこの映画の見どころポイントは
・アクション
・キャラクター
・ストーリー
えっ、全部やん。

これを書いた今日この日、二度目の鑑賞に行ってきました!!!!!!!! 初めて!!!!!! リピートした!!!!!!

あの時この映画を誘ってくれた人に本当に感謝するしかありません。出会わせてくれてありがとう。
私がこれだけ激推しする作品なので、もう本当に面白い事を期待して観に行ってほしい。

そして是非webアニメ本編も観てもらって、この『羅小黒戦記』の世界観を楽しんで欲しいです!

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