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最初で最後の語りにしたい、祭の話

悲しみの果てに おぼえた歌もある
胸に残る祭りのあとで 花火は燃え尽きた

桑田佳祐『祭りのあと』

はじめに


今ならギリ笑って話せるけど6.12から1〜2週間ぐらい通勤時に『歪鏡・シェンショウジン』をずっと聴いていた。分かる人は笑って下さい。分からない人は戦姫絶唱シンフォギアシリーズをK2の標高が世界3位に下方修正されるところまででいいので観て下さい。


まあ、なんというか、前回の記事を読み返してみて、「全略」「13Q540Hくらいある行間を読んで」というのは繊細ヤクザの傲慢でしかないな、と思ったので、前回の記事からの掌ドリルというか、ちゃぶ台返しというか、前言撤回的な動機でもって自分語りをしようと思います。
先に言っておくと、私は試合の動画を見返してないし、遠藤選手ご自身以外の人間の言及についても秋山選手の試合後コメントと、週刊プロレス2022年7月20日号(No.2191)内『編集部EYEコラム』くらいにしか目を通していないです。
解像度も低い人間が客観性もインプットも投げ捨てて、ただただ好き勝手に自分語りをしているだけということを踏まえて読んで欲しい。
正しさが欲しいならチリンのすずでも読んでろ。

燃える星と祝福の名前

93年 天皇賞(春)。
極限まで削ぎ落した体に、鬼が宿る。
“王者”メジロマックイーンの三連覇を阻んだ、漆黒のステイヤー。
悪役(ヒール)か、英雄(ヒーロー)か。
悪夢か、奇跡か。
その馬の名は──

JRAキャンペーンCM『The WINNER 天皇賞(春)』

どこかで言及したような気はするけれど、2017年4月のKO-D無差別選手権試合60分ドローの遠藤選手を観た時に頭をよぎったのがライスシャワーだった。ウマ娘ではなく元ネタの競走馬の方。
小柄というほど小柄ではないけど大柄とは言えない体躯で引き締まってて黒いし、美少女化した時どっちも広義のメカクレなってたし。
こじつけの域というか本格的に私だけの共通点になるけれど、その界隈(プロレス/競馬・ウマ娘)にハマる前にやや変化球のきっかけ(ぶらり路上プロレス/寺山修司の著作)で知っていたところも、最推しなところも共通はしていた。私がお姉様だ。
そんな勝手なイメージの重ね合わせをしてたから、6.12のあとの侃侃諤諤を見て余計に勝手に重ね合わせてメンタルをやらかしていたのかもしれない。自爆にも程がある。
けれど、終わってしまったことについて無関係の人間が好き勝手に邪推して、我田引水して、結果論で話して、自分の意に沿わない人間の発言の揚げ足取りをして、鬼の首をとったように騒ぐ様子は、あまりにも似ていなかったか。それが人間の本性だというならまあ確かにそうですねって話だけど。
のっけから話が面白くなくなってきたな、気持ち悪いオタク話でもするか。いつものやつ。

いつものやつ

「やる気なんてもうずっと無いよ
食べたくもないもの食べて
したくもない筋トレして」
「じゃあ なんで…」
「あの一瞬の衝動だけは証明し続けないといけないって思って
それができやんかったら あの時の自分がきっと嘘になる
そうなるのが なんでやろ…めっちゃ怖い」

あちゅむち『エロティック×アナボリック』

5月の折り返し、広島興行の少し後、身体絞ってるから牡蠣を食べなかったと仰っていた。私は食欲で生きてる人間なので、口では「そうなんすねー」と言いつつ、内心では「ご家族でも人質に取られていらっしゃる?」としか思えなかった。
だって5月半ばの広島だぜ?
広島の牡蠣が美味しいのって2〜4月だからかなり美味しく食べられる部類に入る時期だが??
この時期の出費エグくて限界貧乏旅行にした私ですら穴子と生牡蠣食べたが????
それぐらいにストイックな人で、そうまでして脂肪を削り落とした先に魅せたかった技、作り上げたかった美しさ、やりたかったこと叶えたかったことがあるというのが、当人の思い入れと比べたら絶対にうっすらとだけど、感じていた。
だからこそ、交流ではなく対抗戦がゆえのカリカリして尖った空気に居心地の悪さを抱きつつもそれ以上の楽しみでもって迎えたと記憶している当日、私が一番観たかったはずの第8試合。
リングに上がり対角を見据える眼光が、スタンド席からでも分かるぐらい鋭く輝いていて、3.12大阪で後から入場すした竹下選手を見てた時や、4.24神戸の入場時を思い出させて(どんな試合だったかについてはWRESTLE UNIVERSEで確認して欲しい。できればそれぞれの直近の試合だった3.2新宿と4.22新宿も併せて観て欲しい)、記憶に焦げ付くような爪痕を残す何かやってくれる、と思わせてくれる危うい色をしていたから、何も始まらずに幕が引かれたのがただただ残念だった。
こんな記録も記憶も欲しくなかった。
でもこれが現実で、私はあの時に立ち会った観客として、いちファンとして、忘れず、抱えて、背負って、生きていくしかない。
オタクだから、という意味ではなく、他人事ではないから。楽しみにした、期待した試合で起きたことだから。板の上の出来事は、上に立つものだけで成立せず、最初から最後まで、周りを囲み、見上げる視線との共作だから。

復帰戦のキャッチコピーに使われた「恥をかいた」は実態としてはカリスマの発言ではあるけれど、あの場あのタイミングで発せられたのは結果的には代弁になっていたように思う。
DAMNATION Forever……いや私DAMNATION解散後からのファンだが……。
だからこそ「恥をかいた人間にしか紡げないドラマ」が今後どんな形で展開されていくかを観たくて、また追いかけたいと思っているし、私の手元には既に夜行バスのチケットと大阪大会のチケットがある。追うぞ、観るぞ、予算の範囲で。

この短い文章を書くのに、普段の早口長文noteを書くのよりも長い時間をかけていて、それなのにこれぐらいしか語れないので、私はまだ語る手段を持ち合わせてないな、と思ったので、そろそろ砂でも撒いて終わらそうと思う。
楽しくない話をするのは楽しくないし、私には向いてねえな、と、実感したので。

砂の女


誰が悪いのではなく、強いて言うなら間が悪かったか当たりどころが悪かったと、そうは思っているけれど。いや記者会見でパートナー脳震盪手前にさせてから1週間もしないうちにまたやらかすのどうなのっていうのはちょっと思ってるけど。ちょっとだけ。ダチョウの卵の細胞のサイズぐらいのちょっと。
語るのは決して義務ではないけど、試合後から今に至るまでフェス自体がなかったことのように何も語らないでいるように見えるのが、咽喉にマグロのカマが刺さったような異物感があるのと、このまま本当に無かったことにされるかもしれないのが嫌だなと思ってる。今のところ再戦を観たいわけじゃないし、今後交わらないなら構わないとは思ってるけど、白か黒かで判断できるほど私はこの出来事について判断をしたくない。
ただ。
対抗戦相手のファンとして最低限の礼儀だと思い、カード決定からの1ヶ月程度とは言えNOAHの大会を追っていて、DDTとは違う色や魅力にある程度の興味を持ってはいたので、こんな形で「ひと段落つくまでは極力観たくねえな」と思ってしまったのがとても勿体ねえなぁ、と感じてます。
とか言いつつ7.16はGHCヘビー級選手権試合の途中からだけ観ました。テンコジエモかったし拳王選手戴冠おめでとうございました。
あと拳王チャンネルとこんなの初めてですよTVもチェックしてる。
頭ごなしにまとめて嫌いになるには知りすぎたのは、いいんだか悪いんだか。

終わり。

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