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フクシマ2021見聞記

※上の写真は福島ロボットテストフィールド(南相馬)

浜通り地域をひとっ走り

このご時勢ですが、事前事後PCRと万全な体制で9/2-3で一泊二日、最善の注意を図りながら、福島出張に行ってきました。文脈としては福島イノベーションコースト構想推進機構から委託を受けてリバネスが実施している、Fukushima Tech Create内アクセラレーションプログラムでの、チームの伴走支援。支援企業の工場訪問と連携先とのディスカッションへの参加でした。ここでは、連携先のA社との議論や、東日本大震災とそれによる津波被害、そして福島第一原子力発電所の事故からの復興にいまだ苦しむ地域の一部(楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町)を車から見た感想、そして思ったことを記します。
日本人が目を背けてはいけない現実がそこにはありました。

※福島イノベーションコースト構想推進機構やFukushima Tech Createはこちらを参考に
https://www.fipo.or.jp/
https://www.fipo.or.jp/ftc

10年間、今もなおときが止まっている地域

まず、国道6号線を楢葉町から浪江町まで走った感想から。

一言でとてもまとめられませんが、あえてまとめるとしたら「異様」。帰宅困難地域や居住制限地域がほとんどのこのエリアは、一部の道を除いてバリケードが置かれ、通行止め、検問や通行規制のためのチェックポイントが置かれ、未だ厳戒態勢であることがよくわかりました。国道6号沿いには元は飲食店やコンビニ、服屋だった廃墟が立ち並び、草木が生い茂っていました。帰宅困難地域がゆえに、手入れがされていない家も散見されました。本当に10年前から人の営みがされていない地域なんだなと実感しました。
テレビで見ていたはずの光景でしたが、いってみるとまた感じるものも大きく、インパクトだけが今も残っています。

地元の人以外で進む復興

更に異様さに追い打ちをかけるのが、廃炉産業や復興産業と呼ばれるものたちの存在でした。廃墟だらけなのに、大きなトラックは列をなすように続々と瓦礫や土砂を運び、建設作業員が住んでいるプレハブもたくさん存在する。一部はホテルや民宿を会社が買い上げたとか。もちろん、いたるところに放射線廃棄物の中間貯留施設がありました。空き地だらけだから、そこに置いている感じ。復興に向かって動いていることはとてもよいことなんでしょうが、これがあるべき姿なのか?となんだか難しい思いになりました。

今日も東京に電気を届けるのは10年前と同じ

原子力発電が止まってから10年、昨年12月、福島の浮体式洋上風力発電は採算性の問題から完全撤退が決定されてました。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB1787A0X11C20A2000000/

一方で、私が知らなかっただけですが、いわゆるメガソーラー拠点がたくさんありました。耕作放棄地ばかりなので、正しい活用法の一つなのでしょう。東電も少しでも儲けなくちゃいけないので、やるべきことだったんだと思います。送電線網もしっかりしたものがあるので、設備投資も少なかったんでしょうし。

ただ、首都圏に住んでいる我々が改めて問うべき問題だなと感じました。湯水のごとく使う電気、今後さらに電動化が進んで電力消費量は増えるはず。その生産を地方、しかもフクシマに依存し続けている現状は、簡単にどうこうできる問題ではないのですが、問い直すときがくるのかなと思いました。

ということで、まだまだ科学技術を投入しなくてはいけない世界は国内外いたるところに広がっています。ハイテク、最先端科学である必要性がないところもたくさんあります。技術の集合体で課題解決にアタックする。
今週末から始まるテックプランターのエコシステムを軸に、一人のリーダーとしてエコ領域を中心に旗振って頑張りたいと思います。

☆リアルテック領域のエコシステム「TechPlanter」


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