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岸田総理 一般討論演説を読み解く後編

皆さんこんばんは
本日は昨日投稿した記事の後編です。
今回は北朝鮮関連の内容で初級編ということもあり、かなり簡潔にまとめています。

岸田総理は国連総会の一般討論演説において、北朝鮮による拉致問題の解決に向けて、金正恩総書記との首脳会談を実現するため、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動してことを述べた。
5月27日都内で全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に出席した際も、「あらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と岸田総理は発言している。

こういった発言に対して一部保守層からは「口だけだ」「それしかいわない」といった批判の声が見受けれ、影響力のある保守言論人からも同じ声が聞かれる。

北朝鮮側からのメッセージ

そうした批判がある中で、5月29日付けで北朝鮮外務省のパク・サンギル外務次官が談話を発表。
これは岸田総理が拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会での発言に対するリアクションであり、パク外務次官は「日本が新たな決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が会えない理由はない」と表明した。
これは5月27日の岸田総理の発言を北朝鮮が早急に翻訳し、本国伝え金正恩総書記に報告をしたことを意味する。
つまり、パク外務次官の発言は金正恩総書記の意志であるのだ。

北朝鮮の厳しい内部状況

こうした反応をしてくる理由には北朝鮮での食糧不足による飢餓が大きい。
一般的に北朝鮮は前年の収穫の蓄えが底をつく春から、麦の収穫が始まる初夏まで食糧供給が厳しくなるとされる。
しかし、新型コロナウイルスの影響などにより北朝鮮は2020年に国境を封鎖、食料など生存に欠かせない物資の輸入を断ち切った。
これによって北朝鮮国内でも最も栄えている首都平壌でも餓死者が出る事態となるほど困窮状態なのだ。
中国からの支援を拡大するという手段もあるが、それによって中国の影響力が拡大し、金正恩体制が崩壊するのではないかと警戒しているのも実情としてあり、そう簡単にはいかない。
朝日両国が会えない理由はない」という外務次官の発言はそれだけ事態がひっ迫していることがわかるのだ。

首相の発言を軽視してはいえない

政治界隈でよく言われている「首相は何度も同じことを言っている、くちだけだ」という批判があるがそれは本当に正しいのだろうか?
全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会で岸田総理が発言したことによって、数日でに北朝鮮はリアクションを返してきた。
つまり、首相の発言は各国の関係者が注目しており、国連総会の一般討論演説の内容も北朝鮮側がチェックをしている可能性が大きい。
「口だけだ」「それしかいわない」といった批判は論外と言えるだろう。
是々非々で物事を見極めることを意識して、あらためて一般討論演説を読み解く必要があるのではないだろうか?


今回はここまで
明日も記事を投稿するのでお楽しみに




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