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アメリカ歯科大学院合格への道: ADEA PASS

今回はアメリカ歯科大学院を受験する上では避けて通ることのできないADEA PASSについて説明しようと思います。
このADEA PASSは毎年5月上旬にスタートします。
そこから志望校のデッドラインまでに提出する必要があり、なるべく早く提出した方が良いですよと各大学院でアナウンスもされています。
私はなるべく早く提出しようと事前準備もしましたがなんだかんだで5月末までかかってしまいました。

ADEA PASSとは…

ADEA PASS® (Postdoctoral Application Support Service) is the centralized application service for over 700 participating advanced dental education programs. ADEA PASS simplifies the application process as applicants can submit one application for multiple programs.
ADEA PASS® (Postdoctoral Application Support Service)は、700以上の先進歯科教育プログラムに参加するための集中申請サービスです。ADEA PASSを利用すると、申請者は1つの申請書を複数のプログラムに提出できるため、申請手続きが簡素化されます。

https://help.liaisonedu.com/ADEA_PASS_Applicant_Help_Center/Starting_Your_ADEA_PASS_Application/Getting_Started_with_Your_ADEA_PASS_Application/01_Quick_Start_Guide

続いてADEA PASSで入力する情報になります。

Personal Information

ここでは名前や誕生日や性別、住所など基本的な情報を入力する場所になります。
ここでの重要なポイントとしてはDENTPINという個別識別番号の発行が必要という点です。
ガイドに従って準備すれば問題はないので焦る必要は全くありませんが、あまり聞き馴染みのないものなので「なんだこれ…」と思ったので一応記載しておきます!

Academic History

ここは卒業した大学や大学院についての情報、受講したセミナーについて、TOEFLなどの試験情報を入力する場所になります。
他にも大学によって出願する上で受けなければならない試験があるのでよく確認していただければと思います。
重要なポイントを3つお伝えします。

Official Evaluationの登録

これは卒業した大学、大学院から英文で発行していただく必要があります。
その後、成績をGPAに変換してくれる会社がアメリカにあるのでそこに郵送し、変換後にADEA PASSに提出する手続きをします。
これは郵送料と変換するための費用がそこそこかかってきます。ちなみに私の場合は80,000円弱でした…(円安…)

ここではミスが起きやすいので注意していただきたい部分がいくつかあります。

  1. GPAに変換する上で志望校がどこの会社を指定しているか調べます。基本的にはECEだとおもいます。(進め方はADEA PASSの記載する欄の近くにリンクが貼ってあります)

  2. 学校から書類をもらった時に中身が間違いないか確認するために何通が予備でもらっておく

  3. 封筒にしっかり封がされていて、そこにサインや印鑑が押されているか確認する(印鑑やサインがないとOfficialだとみなされない)

  4. 卒業証書は英文のものがない場合は自分で翻訳して、その書類を成績をGPAに変換してくれる会社にメールで送る必要があります

  5. 郵送する上でどのくらい時間がかかるか調べておく(郵便局なのかヤマトの国際便なのかFedExなのかで料金も時間もだいぶ違います)

上記のポイントにはくれぐれも注意してください!
わからないことが多くて私は軽くパニックになりました(笑)

受講したセミナーなどの登録

どんなセミナーや研修に参加したか記入する場所になります。1dayセミナーでも積極的に記載してください!
なお、一度登録すると内容の変更はできないようなのでしっかり確認した上で登録していただければと思います。

Standardized Testsの登録

私の場合はTOEFLだけですが、必要な方はGREなどのスコアの提出を行います。
これについても丁寧に説明が書いてあるのでその通りに行えば問題ないと思います。TOEFLのサイトでスコアを送る大学や機関を指定できたと思いますのでそこでも確認してみてください。
補足ですが、TOEFLのスコアレポートを後から追加すると追加料金がかかるのでTOEFL受験時に登録しておいた方がいいと思います!

ADA Standardized Testsの登録

ここではADAT、NBDEなどのテストの登録を行います。
私は受けていないため詳細は分かりませんが、ここにもHelp centerへのリンクが貼られているのでそれを元に記載すれば問題ないと思います。

Supporting Information

ここはADEA PASSの中で一番の山場です!
推薦状(Evaluations)や学部長からの推薦状(Institution Evaluation)や職務経歴書(CV/Resume)や歯科医師免許の登録が必要になります。

推薦状(Evaluations)

これは出願においての肝になります。なかなか大変ですが、諦めずに頑張りましょう!

まず、推薦状を書いていただける先生を探します。
最初からいきなりハードルが高いですが、私のおすすめとしてはやはり志望校の卒業生や関係者かなと思います。
そういった先生方に推薦状を書いていただけるようにTOEFLの勉強と並行していろいろな勉強会に参加することをお勧めします。
特に行きたい大学が決まっているようであれば、その大学の卒業生の先生と積極的にコミュニケーションを取ってみてください!
あとは交流がある大学の先生に書いていただくのも良いと思います!

続いて書いていただけるようになったら、次に気にしなければならないことを推薦状の項目です。実はADEA PASSに提出する推薦状には細かく項目があります。

  1. Critical Thinking (250 characters)

  2. Clinical Skills (250 characters)

  3. Didactic Knowledge (250 characters)

  4. Integrity (250 characters)

  5. Interpersonal Skills (250 characters)

  6. Maturity (250 characters)

  7. Organizational Skills (250 characters)

  8. Professional Demeanor (250 characters)

  9. Reaction to Criticism (250 characters)

  10. Self-Awareness (250 characters)

  11. Others (3,600 characters)←ここがいわゆる推薦状の部分です

上記の項目に沿って書いていただく必要があり、文字数も制限されていますので注意が必要です。

最後に推薦状の登録方法になるのですがこれもまた複雑なんです…
簡単に手順を書きますと

  1. ADEA PASSの入力画面上で推薦状を書いていただく先生のメールアドレスを記載する

  2. そのメールが推薦状を書いていただく先生に送られて、アカウントの作成をしていただく

  3. その上で先ほど紹介した項目について入力していただき、登録をする

このような流れになります。

私は紙媒体で書いていただき、それを郵送かPDF化して登録するものだと勝手に想像していたのですが、そういった方法ではありません。

上記の手順だとそんなに複雑ではないんじゃないかと思われるかもしれませんが、このような流れを推薦文を書いていただく先生に理解していただければなりませんし、かなりの手間になってしまいますので事前に大変さを理解しておくことが重要になります。

学部長からの推薦状(Institution Evaluation)

これは学部長個人からの推薦状というよりも母校からの推薦状というニュアンスだと思っていただければと思います。

母校の学部長は私のことを知らない状態でお願いしなければならなかったため、少し苦労しました。私の場合は、その学部長が所属する医局の医局員の方に話をしていただき、推薦状の作成を了承していただきました。

内容に関しては先ほどの推薦状とは異なりEthical Behavior(1,200 characters)とRemarks(3,500 characters)になります。

提出方法は先ほど記載した流れと一緒になります。

職務経歴(Experiences)

これは自分自身の職務経歴を記載していただければ問題ありません。

CV/Resume

これは職務経歴書になります。先ほどの項目と類似しますがより詳細にどのようなことをしたのか記載していきます。

  1. 卒業校

  2. GPA

  3. 研修医からの職務経歴

  4. 受講したセミナー

  5. TOEFLのスコア

私の場合はこれらを記載しました。また、英語に自信がなかったので海外の大学院受験専門のコンサルの方と一緒に書いていきました。私はIvy League consultingと一緒にResumeはもちろん、Personal statementや面接対策などもやっていただきました。
会話は英語になりますが、担当していただいた方は私の拙い英語をよく理解してくださいました。
もし、どのコンサルタントにしようか迷っている方がいらっしゃいましたらぜひカウンセリングも受けてみてください!

Unofficial Undergraduate Transcript

これは先ほどのOfficial Evaluationとは異なり、大学からもらった成績証明書や卒業証明書を自分でPDF化してアップロードする場所になります。

License

最後に歯科医師免許のアップロードです。これは厚生労働省に英文にしてもらう必要があるため、申請が必要になります。2ヶ月前後かかったイメージなので早めに申請することをお勧めします。準備という意味ではまず最初にやってもいいかもしれません。

Program Materials

ここでは出願校を選び、追加で必要な書類を提出する場所になります。
また、いろいろな大学の出願条件も簡潔にまとめられているため、気になる大学院を調べることも可能です。

私はここでPersonal Statementの提出をしました。
Personal Statementとはいわゆる志望動機書になります。
なぜこの分野なのか、なぜこの大学なのか、ここに通うことは自分の夢や目標の実現にどれだけ大切なものなのかを書きます。Personal Statementも受験においてものすごく重要なポイントになると思いますのでぜひ頑張ってください!

以上がADEA PASSの登録の流れになります。

正直、ADEA PASSの登録のタイミングにならないと意味を成さないというか退屈な内容になりますが、きっと登録されるときにかなり参考になるかなと思いますので是非目を通していただけると幸いです。

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