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数学的な問題解決能力を伸ばそう

塾の生徒が質問してきた問題から一問取り上げてみます。

【摂南大学】5cosθ-√3sinθ+1>0のとき、tan(θ/2)の範囲は?

ちなみに、学校の数学教師が「摂南良い問題出すなぁ」とわからなくて誤魔化した一問。

実際に解いてみましょう。
条件の不等式を見てなんとなく合成したくなる形ではありますが、合成したところで何の解決にもならないことがわかります。
tan(θ/2)の範囲を求めないといけないわけですから、cosθとsinθいずれかの範囲が出ればいいのでしょうか。
しかしθに範囲が与えられてないので、それもなんだかやりづらそうです。

ゴールがtan(θ/2)ですから、不等式の中身も全て(θ/2)で統一してみることを考えます。
tan(θ/2)の二次不等式にならないかなと願いつつ変形してみましょう。
θは無理やり2×(θ/2)と表せますから、2倍角の公式で変形できそうです。

(θ/2)で統一することができました。
ここからtan(θ/2)で表すことができないかを考えます。
両辺をcos(θ/2)の二乗で両辺を割ると上手くいきそうです。
cos(θ/2)=0のとき、θ=+-π/2しかなく明らかに元の不等式を満たしません。
よってcos(θ/2)の二乗で両辺を割るのも大丈夫そうです。
答えまで出していきましょう。


上手く解けました。
基本的な解法が身についているのに、数学がなかなか伸びない生徒はこういう数学的な問題解決能力がないケースが大半だったりします。

入試レベル問題の答えを見て暗記するのではなく、初見でどうやって解くかという視点が大事だと伝え続けているのですが中々難しいようです。

頑張れ受験生。


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