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遺品整理の仕事【23回目】

2022年6月29日(水)

8時半頃出勤。

今日は派遣の男の人が、ドライバー兼作業員として出勤していた。

立花さん、バイトリーダー、鷹野さん、派遣の人、わたしの5人で施工を行う。

トラック3台で施工現場へ向かった。


<1件目>

マンションで3トンの施工。

到着してからトイレに行った。

治安の良い場所にあるマンションのため住民の人柄も良いようで、マンションの清掃員さんがとてもにこやかで心に余裕があるようだった。

冷蔵庫、洗濯機、着物、アクセサリーはまとめて買取に出す。

立花さんとバイトリーダーがまとめてくれた荷物を、ひたすらトラックの側まで運ぶ。

疲労の蓄積で指が筋肉痛になり、荷物が運びづらい。

運びながら派遣の人が、以前飲食店を経営していた話しや、これから経営したい飲食店の話しをしていた。

ひたすら荷物を運び続け、施工が終盤にさしかかる。

トラックを見ると、駐禁が切られていた。

そして切られた駐禁が誰の責任だという話しになった。

「やましー(私のこと)がトイレに行っていた間に駐禁切られたんじゃないか」と言われ「わたしがトイレに行った時間と駐禁が切られた時間は合わない」と主張する。

「いや立花さんがそこに車を停めたからじゃないか」という声が上がったり「バイトの誰々が確認していなかったから」という声が上がったりした。

みんなが責任をなすりつけ合う中、立花さんは「俺が悪い」と言っていた。

結局無免許の立花さんが罪を被ることになってしまった。

遺品をトラックに積んで、次の現場へ向かう。

その道中でわたしは熱中症になった。


<2件目>

14時からの施工だったが、駐禁の件で揉めていたこともあり、到着が遅れた。

2件目は施設への引越しと不用品の処分。

一軒家で、たしか6~7トンほどの施工だったが記録が残っていない。

今日はパッカー車(ゴミ収集車)を手配しなければならない施工だったのだが、パッカー車の手配を忘れていたようだった。

いまからパッカー車に来てもらえないかと連絡したが「今日は無理です」とのことだった。

パッカー車が来てくれないとトラックに不用品を積みきれないため、施工の途中で不用品を倉庫に置きに行く。

倉庫へは、鷹野さんが同行してくれた。

トラックの運転中も、熱中症でかなりしんどい。

しんどすぎてイライラする。

お昼ご飯も食べられていない。

休憩も取れない。

この状況と体調の悪さにイライラした。

いつもの倉庫へ到着したが、倉庫がパンパンすぎてなにも置けない状態だった。

そのためパッカー車(ゴミ収集車)の会社に直接不用品を置きに行くことになった。

鷹野さんは、わたしがしんどそうなのを見かねて5分寝かせてくれた。

5分経って、パッカー車の会社に不用品を持っていく。

鷹野さんは「不用品を下ろす作業はしておくから、寝てていいよ」と言ってくれて、その間の20分弱を寝かせてくれた。

だが、そのあとも熱中症の症状は改善しない。

施工現場に戻るためトラックを運転する。

交差点で赤信号から青信号になった。

青信号になったこと自体は認識しているのに「青信号は進む合図」だということを忘れてボーッとしてしまった。

施工現場に戻ると、トラックに積み込みをするとき、荷物を支える木の板の「ケツ板」がないと騒ぎになっていた。

とりあえず別のトラックのケツ板を使用し、引越しの荷物の詰め込みをする。

鷹野さん、派遣の人、わたしの3人で引越しに向かった。

引越し先の施設に向かう最中、派遣の人がまた、経営していた飲食店の話しや、これから経営したい飲食店の話しをしてくる。

熱中症でしんどいし、うざい。

引越し先に到着すると、鷹野さんと派遣の人が引越しを行ってくれて、その間トラックで寝かせてくれた。

みんなに余計に動いてもらって申し訳ない。

施設の人に請求書を持っていくときだけ起きて対応した。

そのあと派遣の人がジュースを買ってくれた。

派遣の人をうざいと思う気持ちが晴れた。

施工現場に戻ると、立花さんとバイトリーダーが不用品をまとめ終えてくれていて、あとはもうトラックに詰め込むだけだった。

だが熱中症で思うように動けず、駐車場の植え込みに座らせてもらった。

熱中症でしんどいのに、派遣の人が「そんな顔せんといてよ〜!笑ってよ〜!」と何回も何回も何回も何回も言いに来て本当にうざかった。

トラックに不用品を詰め込み終わって、またケツ板が無いことに気づいた。

派遣の人が引越しをした施設へ確認に行くと、施設近くの塀にケツ板を忘れていたらしい。

帰りは鷹野さんと2人で、行きしなバイトリーダーが運転していた代車のトラックに乗ることになった。

また不用品をパッカー車の会社に置きに行く。

ここでも鷹野さんが1人で不用品を下ろしてくれた。

ガソリンが無くなりそうだったので、セルフのガソリンスタンドに寄った。

ローソンでご飯を購入する。

熱中症はまだ良くならない。

事務所に戻るためトラックを運転していると、トラックがなにかを引っかけているような、カクカクとした動きをした。

荷物を固定するときに使用するゴムが引っかかっているのかもしれないと、路肩に停めて確認を行う。

だがなにも引っかかっている様子はない。

気のせいかもしれないと再び走行する。

だがすぐに、車体がゴウンゴウンゴウンゴウンゴウンと上下に飛び跳ねだした。

これはさすがにおかしいと思い、再びトラックを路肩に停めた。

会社まであと1キロほどの距離だった。

バイトリーダーに電話をかけ、状況を説明し、原因について思い当たるところがないかを聞いた。

バイトリーダーは思い当たるところについて、いくつか答えてくれた。

立花さんも話しに入ってくれたが、原因は分からない。

するとバイトリーダーが「あ、もしかして」と言う。

「それさ、ガソリンの種類が違うんじゃない?」

「えっ」と自分の言葉がつまる。

いつも乗っているトラックと、見た目や種類の違いに気づかなかったため、まったく考えていない原因だった。

わたしは今回、いつもと同じ軽油のガソリンを入れている。

「社長にガソリンの種類確認してみて」と言われ、電話を切る。

社長に電話をかける。

状況を説明する。

社長は「うーん。軽油かレギュラーどっちやったかな。代車手配してくれた〇〇(某自動車メーカー)に聞いて」と言った。

助手席にいた鷹野さんは、バイトリーダーが迎えに来てくれて事務所に戻った。

某自動車メーカーの担当に電話をかける。

状況を説明する。

某自動車メーカーの担当は「あー、代車のガソリンですか。どっちやったかな………………」としばらく沈黙になった。

そして「たしかね、レギュラーですよ。うんレギュラーです。レギュラーですね」と言った。

「いま車ってどうなってます?車はエンジンかけてないですか?停まったまま動かしてないですか?」と聞かれる。

「車はエンジンかけて動かしました」と答えた。

「車動かしたんですか!!うわーー。それはまずいですよ!!もうガソリンが車内にまわっちゃってますね!!エンジンかけたり、動かしたりしなかったら、ガソリンを中から抜くだけでよかったんですよ!でももうガソリンが車内にまわっちゃってるんで、これ、修理大変ですよ!」と言われる。

想像以上に大変なことになってしまっているようだった。

「どっちにしろ、うちは今日休みなんで対応は出来ないんですよ。なので明日うちまで持ってきてもらってもいいですか?」と言われ、電話を終えた。

社長に電話をかける。

某自動車メーカーの担当から聞いた内容を伝える。

すると「JAF呼んで。そのトラックを借りてる駐車場まで運んでもらって」と指示を受けた。

JAFに電話をかける。

「いつもはJAFの保険に入っているため費用がかからないんですが、今回は代車でJAFの保険に入っていないので、費用が23,000円ほどかかります」と言われた。

予想以上の金額に焦る。

あと1キロほどの距離がこんなに大事になるとは。

社長に電話をかけ、JAFでかかる金額を伝えた。

「はあ?!23,000円?!あのさ!それお前半額払えよ!!」と言われる。

「えっ、半額ですか」と言う。

「お前悪いと思ってないんか!当たり前やろ!半額払えよほんま!てかガソリン回ってるなら修理代100万200万かかんねんぞ!それも半額払えよほんま!あと今日駐禁のこともあったらしいな!あれも責任明らかにしろよ!」と言い、電話を切られた。

修理代の金額には驚いたが、すぐに「はあ?」と思った。

正直、半額を支払う義理はないと思った。

もちろんわたしに確認ができていない落ち度はある。

だが、社長も、某自動車メーカーの担当もハッキリ把握していないことを責められても腑に落ちない。

「代車はいつもとガソリンの種類が違う」ということなんて、全体で確実に周知しておかなければならない事項なのではないか。

その周知が一切ない状態で、わたしに責任を押し付けるのは違うと思う。


30分ほどして、JAFが来た。

レッカー車が代車のトラックを吊り上げる。

わたしはレッカー車の助手席に乗せてもらった。

駐車場まで着くと、レッカー車は代車のトラックを、駐車スペースの近くに下ろした。

JAFの人に「いまからトラックの運転席に座って、ニュートラルに入れてください。ハンドルは重くなっていますが、頑張って指示する方向に操作してもらえますか」と言われた。

わたしは代車のトラックに乗り込み、言われた指示通りにした。

JAFの人が自分の体を使って、代車のトラックを駐車スペースまで力一杯押す。

JAFでも最後は人力なんだ、と思った。

重いハンドルを精一杯切ろうとするが、なかなか思うように動かない。

何度もJAFの人から指示を受けて、何度も駐車をやり直す。

見かねた通行人の人がトラックを押すのを手伝ってくれて、なんとか代車のトラックを駐車できた。

通行人の人とJAFの人にお礼を言い、JAFの人にお金を支払う。

時間は22時半頃だった。

熱中症と、ガソリンを入れ間違えたこと、JAFの金額23,000円・修理代100万〜200万の半額を請求されていることなど、様々な要素が合わさってすごく気持ち悪かった。

明日仕事を辞めるのに、その前日にとんでもないことをしてしまった。

事務所へ戻ると、立花さんとバイトリーダーがいた。

ガソリンのことは聞かれず、当たり前のように今日の出来事について話しをしてくれたので戸惑った。

立花さんとバイトリーダーは、わたしが明日辞めることを知らなかったらしい。

経費精算などを行い、23時半頃退勤。

家に帰って、日付が変わってからローソンで購入していたご飯を食べた。


サポートしてもらえたらうれしすぎてヒョーー!!ダンスダンス!!!🕺🕺🏻🕺🏼 そのあとはサポートしてもらった画面をスクショして何回もニヤニヤします。