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隠れプログレを探せ〜①ハードロックはプログレだ!

プログレッシブロック、略してプログレ。
60年代末から始まり70年代末まで僅か10年ほどロックの屋台骨としてその地位を築いた。
高度な音楽性、高度なテクニック、名の通り進歩的なロックと賞賛とは裏腹に大作志向、オールドロック、根暗な音楽、ロックの反抗精神がないなどと叩かれもした。
しかし今やロックの一ジャンルとして定着。
レアな作品は高額で取り引きされている。
そんなプログレッシブロックであるが、そもそもロックとは現代に発生した音楽であり、どんなバンドやアーティストにもプログレッシブな一面はあるのではなかろうか?

筆者はプログレの条件をこのように考えている。
誠に勝手ではあるが、プログレ五大原則とさせてもらう。

①高度で独自な音楽性、幻想的な音楽性、そして革新的な音楽性を持っている。
また変拍子や効果音をよく用いる。
②ジャズ、クラシック、民族音楽など多様な音楽から影響を受けてる。
③テーマがあり、全体的にコンセプトを重視している。
④ディスクやレコードのジャケも作品の一つである。
⑤曲が長め。場合によってはアルバム1枚分で一曲もありうる。

だいたいこの五つ条件にあてはまるのではあるまいか?

さて通常のプログレ作品を紹介してもそれはありきたりなので、これはプログレではないけどプログレだという作品を紹介しようと思う。

まずはレッドツェッペリン、かってはハードロックの一巨頭、今やロック史上に残るバンド。
レッドツェッペリンはハードロックが基本だが普通のバンドでは考えられないことをやる。
彼ら最大のハードロックナンバー「胸いっぱいの愛」すら既に隠れプログレだ。
このまますんなり進んでガツンと締めるのがハードロックだが、彼らの場合そうじゃない。
途中ストップして、電子楽器テルミンとエコーを使うことでの幻想的な効果音を入れる。
「レッドツェッペリン4」でトラッドを取り入れたことがさらに拍車をかける。

○天国の階段
作詞も幻想的、前半はトラッドに影響されたメロディだ。


隠れプログレは「聖なる館」で拍車がかかる。
ジャケを製作したのはピンクフロイドでお馴染みのヒプノシス。
トップ画を見て頂きたい。
天使が山を駆け上がってる不思議な光景だ。

楽曲としては「永遠の詩」、「レインソング」、「ノークォーター」、この三曲は隠れプログレである。


特に「ノークォーター」は間違いなくプログレ曲だろう。
ロバートプラントの呪文のようなボーカルの後に入るジョンポールのキーボードは幻想的な雰囲気に包まれる。
そしてそれに続くジミーペイジ のギターはボンゾのドラムと鼓動して頂点へと向かう。

○ノークォーター
幻想的な雰囲気に満ちた独特な曲だ。

レッドツェッペリンはこのアルバムで一旦プログレから手を引いたように思えたが、次の作品「フィジカル・グラフティ」ではカシミールをとっている。
この曲もインドからアラブの雰囲気をただよわせた曲だ。

○カシミール
中近東風のメロディは民族音楽度を,一層盛り上げている。


思い返せばツェッペリンはこれらのプログレ度が高い曲をライブの定番に必ず入れていたのは偶然だろうか?

さてもう一つのハードロックの巨頭、ディープパープルはどうであったか?

三大ロックキーボードの1人であるジョンロード、クラシック音楽に強い影響を受けたリッチーブラックモアが在籍していたのだが,曲そのものに関わるものはない。
ただ彼らのクラシック音楽からの影響はソロで見られる。
リッチーブラックモアが現在も活動するブラックモアズ・ナイトはトラッドや中世の音楽を取り入れたバンドだ。

○ブラックモアズ・ナイト
ヨーロッパで人気の高いリッチーとその妻キャンディスナイトのバンド。
ヨーロッパは中世そのものの文化が今も根づいてるのだろうか。

○ジョンロードバンド+オーケストラ
ディープパープルはかってロイヤルフィルハーモニックオーケストラとコラボアルバムを製作してるが、その延長線上にある演奏。


プログレは本当に奥が深い!

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