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ラストワルツ回想〜追悼 ロビーロバートスン

ザ・バンドのギタリスト、ロビーロバートスンが先日亡くなった。
享年80才。
長い闘病生活だったそうだ。
私はザ・バンドは詳しくは聴いてないが、映画ラストワルツについてはかなりの衝撃を受けた。
おそらく解散コンサートを特別に設けて、親交のあるアーティストらを招待し、一緒に演奏したのはザ・バンドが最初で最後なのではないだろうか?
ロックのドキュメンタリー映画としても未来に残るべき作品だろう。

○ザ・ウェイト

ザ・バンドのファーストアルバムに収録されていたソウルフルなナンバー。
カバーしたステイプル・シンガーズが加わっている。そういえばこの曲をカバーしてる黒人アーティストはアレサ・フランクリン、ダイアナ・ロス、ディオンヌ・ワーウィックと多い。


映画はロビーロバートスンがマーチン、スコーセッシに監督を依頼して撮られた。
実際のバンド間は解散は、ロピーが独断で決めたことで、納得はしてなかったといわれる。
事実その後ザ・バンドはロピー抜きで再結成して、リーダーであったレボン・ヘルムとの確執を生むことになる。
だがロピー抜きのザ・バンドはありえないだろう。

この作品はバンドへのデビューからの思い出に沿ってのインタビュー、ザ・バンド自身の演奏、ザ・バンドとゲスト・アーティストらとの共演から成り立っている。
映画の時間配分上、解散コンサートの全曲を取り上げておらず抜粋されている。
のちに完全版なるものの音源が発売されたが、私的には映画としては編集された元のオリジナルが一番でないかと思う。

○オールド・デキシー・ダウン

カントリーロックにデキシー・ジャズのニュアンスを取り入れた軽快なナンバー。アメリカンロックにはあまり例がない。

ラストワルツの面白さはきちんと進行が決まっていたにも関わらず、意外なハプニングが起きてそれをうまく対処して、しかも盛り上げに成功してるところにある。

○ファーザー・オン・ザ・アップロード

本来はエリック・クラプトンがギターソロから歌に入るはずだったが、ギターストラップが外れて戸惑ったため、すかさずロピーがソロを弾いて穴埋めするというハイライトシーン。弾かないギタリストが弾けるという証明でもあった。

もう一つは師でもあり、友人でもあったボブ・ディランとの熱演である。
彼は最初このコンサートを断っていたというが、「いつまでも若く」から「連れて行ってよ」の流れはその場で決まったらしい。
まだ30代であった彼らが老後を歌ってたのは既に完成された姿であったのだろう。

そして圧巻のフィナーレ、ゲストアーティストが総出の「アイ・シャル・ビー・リリースト」

スティングが後に主催したシークレット・ポリスマンズ・ライブでもこの曲をフィナーレでレゲエバージョンでとっている。

○アイ・シャル・ビー・リリースト

最後のフィナーレに駆けつけたリンゴスターとロンウッド。
映像面からも然り、70年代の壮大なお祭りであった。

これで終わったと思ったら、真のエンディングが最後に出る。
文字通り、映画のテーマを奏でるザ・バンドの「ラストワルツ」。
字幕のテロップと共にお祭りは静かに終わる。

演奏の切り取りや編集を巡り、またその後の再活動を巡り賛否両論であるというが、映画はザ・バンドが全盛期に残した音をストレートに伝えてくれる。
現在メンバーはガース・ハドスンのみとなったが、ザ・バンドの歴史は永遠に刻まれるであろう。

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