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ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説

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ラブコメ? 青春小説? ミステリー? それとも……な長編小説です。
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記事一覧

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -1-

 校舎裏は常に日陰である上、時折強い汐風が吹き抜ける。  藤堂亜麻は校舎裏があまり好きで…

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -2-

▼前話(第1話)  瀬戸家で居候を始めて、三日。  この間に、亜麻はこれまでなんの興味もな…

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -3-

▼前話(第2話)  数日後、学校にて。  その日は体育の授業があり、亜麻はいつも通り真子と…

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -4-

▼前話(第3話)  翌日、学校の昼休みにて。  また例の資料室に真子を呼び出した亜麻は、昨…

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -5-

▼前話(第4話)  翌日の放課後。 「……それで結局、亜麻はその結奈とかいう妹ちゃんが瀬戸…

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -6-

▼前話(第5話)  結奈の尾行を行った日から、およそ一週間後。ゴールデンウイーク明け。  …

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -7-

▼前話(第6話)  翌日。朝のホームルーム前の時間。 「それで、昨日の成果とやらはどうだったの? なんか見つけられたん?」  登校してきた真子が早速と言わんばかりに訊ねてくる。少々からかうような調子で。  対して亜麻は、得意げに「ええ」と答え、 「真子にあれだけ協力してもらったもの。なにも見つけられなかったわけないでしょう?」 「え、まさか本当に盗撮したデータがあったとか?」 「残念ながらそれは発見できなかったけど、これを見つけたのよ」  亜麻はスクールバッグの中を漁り、件

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -8-

▼前話(第7話)  真子に啖呵を切ってから、およそ二週間が過ぎた頃――。 (そろそろ、獲れ…

ブラックボックス・ラヴァーズ / 長編小説 -9(完)-

▼前話(第8話)  雨粒が鬱々と、傘の表面を間断なく小突いている。  もうすぐ六月が終わる…