元スロプロの私が、パチンコ、スロットをまったく打たなくなった訳

19歳で上京して半年間、池袋近辺に住んだ私はアルバイトをやりまくっていた。とにかく色んな職種を経験したかったので何種類も働いた。居酒屋を中心に、コンビニ、レストラン、弁当屋、ピザ屋、マネキン工場、ライブイベントスタッフ、カラオケ屋、駅前サンプリング、ティッシュ配り、流れ作業、引越し、テレアポ系、ポスティング…等など。

色んなとこで働いた理由は、当時芸人を目指していたのでとくにやりたい仕事もなかったので色々なとこを見たかったのだ。

そんな私がスロットを本格的に始めたのが上京半年後。それまではなんとなく打っては負けてを繰り返していた。その理由は「パチンコやスロットなんかに真剣になってる奴ダサい」という考えが根底にあったからだろう。

しかし、負けが重なり考えが変わった。

「負けることが一番ダサいし、ダメだ。真剣にやって勝ってやる」

俺は帰りにノートとペンを買い、ガラケーを駆使してネットでデータを取りまくった。

当時、スロプロは多く存在していて、どこの店にも大抵プロや、ノリ打ちプロ集団がいた。それだけスロットがアツい時代だった。

当時の人気機種は、北斗初代、吉宗、沖スロ全般、設定1でも勝てるジャクラー。獣王やHANABI、ビンゴ、初代GODなどの少し前の時代の超絶爆裂機も残っていて、まさにスロットの絶頂期とも言える状況だった。そんな状況なのでスロットで喰っていくという選択肢はフリーターの俺にはそう突飛なわけでもなかった。

最初は、バイトとスロット両方の生活だったが、だんだんとバイトに行くのがもったいなくなるくらい勝てるようになりバイトが週3から週1になり、週0になった。ライブに無料で入れてバイト代も貰える登録制のバイトだけたまに行ってフェスに無料で参加していたのが懐かしい。


その時のスロットプロ達の立ち回りは主に2種類。

朝一から並んで狙いの高設定の台をGETしてぶん回す か 捨てられた高設定台や期待値プラスのゾーン狙い、つまりハイエナ のどちらか。

私達プロの行動は、朝一並んで高設定狙いをし、それがダメならハイエナをしながら夜まで打つ。帰宅してデータを整理して翌日の狙い台を絞るという1日。翌日の行動を妄想するのが凄く大事で、第一候補の台が取れなかったら次コレ、それがダメならこれ。設定狙いが上手く行かなかったら店を替えてあーだこーだ、、、と、とにかくたくさん考える。

優秀な台が多くあったことともうひとつたくさんのプロが生活できてた理由は『イベント』だ。当時のパチ屋はイベントが多く行われていて、とにかく集客がすごかった。

イベントには2種類あって、稼動でごまかしてたいして出さないガセイベントと、本気で高設定の入る本気イベントだ。それをプロは見際めて行動するのだ。ガセイベントは本当にひどくて夕方に明らかに設定1のような台に【設定6】の札を刺したり、客が設定を確認できない(法律で設定確認が禁止になった)ことを良いことに店側もやりたい放題だった。当然知識や店の癖を知らない一般人はそういう台に飛びつき大金を失っていた。

しかし、プロたちの中にそんなガセ札やガセイベントを抗議するものはいなかった。なぜなら、そのガセイベントで一般客がたくさん負けるお陰で自分達が喰えてることをよーく理解していたから。

私の収支も2年半で平均月35万くらいだった。

正直、当時の状況は本当に実力のある立ち回りをしているプロだけが勝てるような状況ではなかった。 あまり有利な立ち回りをしていなくても、1日中時間があれば高設定が空いたり、「こんな台が空くの!?」という台が捨てられたりしていたのでスロットで生活するのはそれほど難しいことではなかった。それほど遊戯人口が多かったし、稼働が活発だった。

当時、実際にあったイベントや店の行っていたサービスを紹介する。

一時期謎に流行っていたのが『一回交換イベント』。大当たりしたら店員を呼び、出玉は後ろに。再び現金投資から始まる。ちなみに設定は6との事だったが、実際には456って感じだった。ジャグラーとか鉄拳とかの台でよく行われていた。店は出玉感をアピールしたかったのだ。

さらに違う店では、来店ポイントや投資額、出玉などでポイントを貯めれてそれが最大に貯まると朝から好きな台の設定6を打てるという設定6予約サービス。夢のようなサービスだが、ストックを飛ばしてあることもしばしばあったりで、主役は銭形を打ってストックが飛ばされてた客が店員を怒鳴りつけ、けっこうな修羅場になってることもあった。ちなみに多くの客のポイントがそろそろ貯まりそうになった頃にいきなりサービス終了になったりと、なかなか罪深い店だった。

あと、雑誌などとのコラボイベントも活発になり、大抵アツいイベントが多かった。1番凄かったのは池袋チャレンジャーという店で、4階全6というイベント。全台北斗の拳で、それが全6。とんでもない出玉感だった。この池袋チャレンジャーはガセイベでボッタクリまくっていたが、確実に設定を入れていてプロが多く利用していた。今まで見た中で一番パチンコで出てたのがここの1階にあった当時新台のジョーズ。80箱くらい出してたんだけど、ヘソの釘が足の親指くらいに開いていたりとイカレた店だった。

そういうイベントだけ打って回るだけでもそれなりに勝てる時代だったのだ。


ちなみに私がよく打っていた台は、初代吉宗。

周りはノリ打ちのプロばかりだったが、私は誰とも組まずピンで打っていた。そういうプロたちは投資額がかさみ、設定判別が難しく、引き次第では高設定でも負けてしまう吉宗を避ける傾向にあった。ピンの私にはこのライバルがすくない吉宗が最高の台だった。吉宗だけで300~400万くらい儲けたと思う。最近の台しか知らないスロットユーザーにこの初代吉宗がどんな台か説明すると、BIGが711枚取れ、それが割と1ゲーム連する。1BIGで引きまくれば1ゲーム連が最大5個ストックできる。ちなみに私は7連したことがある。しかも1ゲーム連を引けなくても193ゲーム以内に連荘することがそこそこあり爆裂な出玉を得るチャンスが多くあるのだ。とある日、朝から色んな台で負けまくって19:00の時点で12万負けの状態から、吉宗の連荘だけで21:30には万枚突破していたことがあるくらいだ。

しかし、天井は2000ゲーム。途中子役解除はほとんど望めず、設定6でも2000ハマることがある。1000円で約30ゲーム回るので、朝天(朝一から天井)なら7万弱無くなる計算だ。天井でバケなんて引こうもんなら本当に胃がキリキリしてくる展開。それがキツイのでプロは敬遠する、そんな脳汁がブシャブシャ出る台なのです。


そんなパチンコ、スロット全盛のなかプロもたくさん増え、まさに毎日が給料日。パチンコ、スロットを勉強することにたくさんのメリットがある時代だった。



そんな時代も終わりの始まりがくる。

それが四号機時代の終焉である。

今でも覚えている。五号機として初期に出てきたエヴァンゲリオンだ。モードとかはとくになく、設定6だと本当にメダルが減らない。BIG後、200ゲームでクレジット内連荘したことがあるくらいメダルが減らなかった。

モードなどはないのでこの台で喰うには高設定に座る以外にはない。 これがスロット生活者にとっては大問題なのである。

ここからが題名の話題にようやく突入だ。

この頃から目に見えてプロの数が減ってきた。プロ達は五号機は喰えねーわ!とよく口を揃えて言っていた。

まず、五号機時代になると今まで高設定狙いではなく、モード狙いなどのハイエナをメインとしていた人たちは喰えなくなった。その時はまだ四号機が多く残っていたけど、稼働も落ち台数も減って行く中ハイエナたちの多くは消えていったのだ。

実は優秀なプロはハイエナをしている人が多かった。なぜなら、ハイエナのほうが設定の影響を受けにくく、投資額が計算しやすく収支が安定しやすいメリットがある。逆に朝一からの高設定狙いは投資額が計算しづらく、よりギャンブル要素が強い。

五号機時代以降のプロの立ち回りは、『高設定を打つ』が最低条件になっていく。もちろん所々モード狙いが有効な台は出てきていたが、そういう台はライバルが多く旨みがない。

私も思うように勝てなくなり、仕事を始めてだんだんとスロット生活から離れていくことになった。

とは言ってもスロットはよく打った。2年半もそればかりで金を得ていた俺がスパッと辞めることはできなかった。

五号機になってスロットが劇的に変わったかというと実はそうでもなかった。相変わらず万枚の出る機種は多くあり、私も何度も五号機以降で万枚を出した。

しかし、喰っていけるかという基準で見ると環境はガラッと変わっていった。

スロットで喰うには、朝一から高設定に座るほかない状況はキツイ。万枚は出ると言っても出玉スピードは四号機のそれとは比べ物にならないからだ。四号機なら、夕方までに5万負けてても上手くモード拾いが当たれば取り返せたが、今はどうだろうか? 5万取り返すのに時間がかかりすぎる。負けを取り返せないってことはつまり、必ず負けるということ。

このようにスロットは負けを取り返せなくなって衰退していったわけだけど、一番の問題は『負けるスピードはほぼ同じ』ってこと。

四号機と同じスピードで負けて、取り返すのは難しい。スロット遊戯は詰んでいる。スロットで喰えるのは朝から高設定を狙いに行けてその精度が高い者だけ。あまりにも難易度が高すぎて、四号機時代と比べて勉強する価値がない!まだだらだら打っているパチスロ打ちはさっさと辞めろ!あほ!!それ、絶対に勝てないよ。

と、今は思っているけど、当時の私もまだまだスロットをきっちり辞めることはしていなかった。その一番の理由は『手っ取り早いギャンブル』だったからだろう。時間が空けば店はどこにでもあり、好きな台が空いていてすぐ打てる。勝った記憶を追いかけて勝ったり負けたり、結局は負けのほうが多くなってもすぐにはやめれない。

私ほどのギャンブルを生活の一部としている人間はそうはいない。今までギャンブルをしない日はほとんどないと言っても過言じゃないくらいギャンブルをして生きてきている。その私がパチンコ、スロットを辞めた一番の理由は、勝てなくなったとかではない。

まず、ほとんどのパチスロ打ちが辞めれない理由は『そもそも辞める気がない』からなのです。ギャンブルをあまりしない人たちはスロット打ち、パチンカスたちがなぜ辞めれないか疑問に思うでしょうが、これが真実です。そもそも彼らに辞める気ナシ!よくギャンブル依存ガーと問題にしていますが、依存症は[それがいけないと分かっているけど、やめられない]のです。そんなパチンコ、スロット打ちは本当にごく僅か。それが悪いことだと分かってるだけまだ真っ当な人間と言えるでしょう。たぶん依存症の人たちは然るべき治療をすればギャンブルから抜け出せると思いますが、私のようなそもそも辞めようとも思ってないギャンブラーたちのほうがよほどたちが悪いのです。

辞める気がないけど、スロットで勝ち続けることは不可能だとも薄々気付いている。こういうギャンブラーがパチスロを辞める方法は実は簡単。

『ほかのギャンブルをやる』 です。馬鹿みたいな方法ですが、それしかありません。結局ギャンブルは辞めれないのです。

ほとんどのパチスロ打ちがそれだけで2年半も生活をしたことはないでしょうから、私はパチスロ打ちの中でも比較的賢く利口な部類だと言えます。

私は利口ですから、(パチスロを打つのは辞めよう。どうせギャンブルで大成しないと俺が大金持ちになれることは無いんだからせめてその可能性がある違うギャンブルをしよう)という思考にたどり着きました。

今でもまだパチンコ、スロットを打ってる人はそれに気づけず現状に満足している人たちです。負けても口ではツライと言っても実際はたいして追い詰められているわけもなく、会社に雇われ安い給料で現状で生活していければ満足だし、それが一生続くと思っている人たちです。彼らは依存症ではありません、ただ情弱で利口じゃないだけなのです。そこをあやふやにして、パチンカスと下げて呼んだり、ギャンブル依存症とレッテルを貼るから何の解決にもならない。

あなたの近くにパチンコを辞めさせたい人がいるなら、まずそれを理解してあげてください。彼らは辞める気がなく、その必要性を感じていない。金持ちになりたいわけでもなく、現状に十分満足しているから辞めないのです。彼らを辞めさせる方法ほとんどありません。あなたが今の生活に満足しているとしたら、何かを辞めようと思うでしょうか? 彼らも同じです。彼らはパチンコ、スロットが本当に割に合わないギャンブルだと理解しない限り辞めないのですが、パチンコ、スロットがどんなものかという事にすら疑問をもっていないので、それに気付くのもなかなか難しいでしょう。周りが辞めろと言うほど、何も言わないパチンコ台と向かい合っているほうが心が落ち着くようになってくるのです。


私が完全に辞めるにいたった思考はこんな感じ。

パチンコやスロットというギャンブルは、安定して勝たなければ勝ち続けることができないギャンブルです。

どういうことかというと、パチンコやスロットは負けたら同じだけ勝たなければいけないという事です。当たり前のように聞こえるかもしれないですが、これがパチンコやスロットがギャンブルとしては破綻している理由です。

例えば、競馬は、1万円賭けて負けてを10回繰り返しても、次で2倍以上の馬に10万賭けて当たれば勝つことができます。1勝10敗でも勝つことができるのがギャンブルです。一方、パチンコやスロットはそれができない。ベット額をコントロールできない、まさにゲーセンの延長線上、あくまで『遊戯』なのです! 四号機時代もそれは同じでしたが、ちゃんと攻略方法があったし、現在とは出玉性能が違い過ぎて話になりません。


私はギャンブラーなので、遊戯にはあまり興味がなくなりパチンコ、スロットから離れるようになりました。私はその後、ギャンブルを相変わらずやりまくっています。人生を大きく向上させる可能性があるギャンブルに比べると、パチンコ、スロットはあまりにも幼稚すぎます。3歳くらいの子どもが同じ絵本を何度も読んでとせがんできて、読んであげるとそれで満足しているのと同じです。

ちなみにパチンコ、スロットが遊戯だと分かっていながら打っている人は別です。それはただの趣味であり、問題ありません。

余談ですが、パチンコ、スロットが遊戯だと分かっていない人は結構アホなので、私調べですが、麻雀が弱いです。そういう人に誘われたらぜひ打ってお金をGETしてください。私もそういう人の誘いは重宝しています。

結局、優秀なギャンブルとはなにか。

まず、プレーヤー同士で取り合うゼロサムゲームのギャンブルは優秀です。麻雀やポーカーが代表です。これはレートも多岐に渡るし、勝ち負けに関わる技術を習得できるのでかなり優秀です。

あと、ギャンブルの代表、カジノです。バカラ、ブラックジャック、ルーレット、どれも優秀です。これらはベット額のコントロールが最大の肝になります。それがすべてと言っても過言ではありません。ベット額のコントロールと資金管理で大数の法則に立ち向かうゲームで攻略可能です。

競馬、競輪、競艇、オートは、知れば知るほど楽しいギャンブルです。勝ち続けるのはかなり難しいですがもちろんこれで喰ってる人たちもいます。相当なギャンブラーと言えるでしょう。

FX、株、先物、暗号資産などは投資の側面が大きくギャンブルとしてプレイする者たちを殺しまくります。これが青天井の資金ゲームの怖さですが、一番人生を逆転するチャンスがあります。

これらのギャンブルを知れば、パチンコ、スロットがあまりにも子供のおもちゃみたいでまったくプレイしたいと思えません。

パチンコで3万円負けるとして、その3万で競馬をいしていたらどれだけ夢があるだろうか。パチンコだとうまくいったとして数時間かけて10万勝ちがいいとこ。競馬なら、数分で10万勝ちがあり得る。 またはその3万をオンラインカジノに入れてたら、数時間で40~50万勝ちもあり得る。パチンコには絶対に届かない領域です。私がもっぱらプレイしているギャンブルはビットコインでプレイするbustabitですが、それはまた別の機会にでも書きますね。


頑張れ、パチンコ、スロット産業!!!


でわ。

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