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ワカモノ ヨソモノ バカモノ サトモノ

都内でヨガ講師として活動していた掘さんは、市原市の里山に魅力を感じ、2019年に地域おこし協力隊として加茂地区の折津という地域に移住した。「旅ヨガ」や「畑のがっこう」、「野奏樹」といった地域に関わる活動をいくつも手がける掘さん。2021年11月19日に、養老渓谷の角屋商店前に「サトモノ屋」というお店をオープンした。今回はそんな掘さんにお話を伺った。

移住してみて感じたこと

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開宅舎 小深山(以下Kと示す):ぼくが一番最初に掘さんのお話を聴いたのは確かドローンでヨガのイベントをするって時でしたよね。

掘さん(以下Hと示す):上空からヨガのイベントをしたら楽しいかなってドローンの会社さんとこっちに来たのが最初だったかな。

K:そこが市原との関わりだったんですか?

H:母が10年前に折津に移住してて。その時に何度かこっちに来たことはあったあったんだけど、10年前は都内で朝から晩まで仕事してたから、移住する気なんて全然なくて(笑)ただ、上総大久保駅のビジュアルを見た時に、移住以上の繋がりがこの地域とありそうだなって感じたの。夏だったんだけど、虫たちが夕暮れに森の中からフワァーっと出てきてて、ナウシカの世界みたいな感じで、感じたことのない感情になったの。

K:移住してみて2年くらい経ちますが、どうですか?

H:移住する前は、部落のことや他にどんな人がいるのか全くわからなくて、いつもいく場所が決まっていて。この関わり方はもったいないなと思ってた。移住した途端に、周りからの距離が一気に近くなって、ウエットな付き合いだなって(笑)

K:ドライな付き合いって言葉は聞きますけど、ウエットな付き合いは初めて聞きました(笑)

H:コミュニティって言葉をすごく感じた。大学のキャンパスみたいな感じなのかな。すごい仲のいい人もいれば、なんか見たことあるって人がいる。そうやってこの地域はできてるんだなって。

K:都会ではないですよね。

H:自分の村は自分で守るっていう自治に対する主体性を感じた。私はそれをすごくポジティブに捉えてて。防犯意識だよね。それはとっても大切だと思ってて、みんなで守りあって支え合ってっていうのがすごく居心地がよく感じてる。

「サトモノ」とは

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K:掘さんの事業には「サトモノ」という言葉が共通していますよね。改めて、サトモノとはなんですか?

H:とれた野菜や食べ物をなどを言う地のモノ、若者ヨソ者といった人物のモノ、開宅舎が扱っている空き家のような建物のモノ、里山というものがなんなのかを伝えられるモノをサトモノだと思ってます。里に繋がっていくモノ。

K:なるほど。「サトモノ」って言葉はいつくらいに自分の中でこの言葉だって思ったんですか?

H:日頃から何かをするときに名前をつけることが習慣になってて。「畑のがっこう」や「野奏樹」も前から取り組んでるけど、一年くらい前に南市原で活動してる人たちがどんなことを取り組んでるのかなって思ったときに、あ、みんなサトモノだなってふと思ったんだよね。最初からあった言葉じゃなくて、自分が見て触れて体験して出てきた言葉だね。

これからのこと

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K:サトモノ屋をオープンして、これからどうしていきたいというのはあるんですか?

H:このお店に地図を用意していて、あの地図を見ればあの地図に誰がどんなことをしているのか、あそこに行けば開宅舎がいますよ、あそこに行ったら白石さんのカフェがありますよってわかるようにしたい。

K:新しい加茂地区の地図みたいな感じなんですかね。ここは地域の案内所のイメージですかね。

H:ここはそういう場所にしたいね。今はすごく地方や里山に流れがきていと思うから、その流れをもっと作りたい。それぞれのプレイヤーにスポットライトが当たるようになったらいいな。来年の春には自宅の納屋を改装して、里の暮らしを間近に見ながら「野奏樹」で作ったクロモジティーが飲めるようなカフェを作りたいと思ってる。あそこはロケーションがいいし、目の前が畑だからほんとに里山の暮らしが見れるんだよね。

K:そうなんですね。名前はもうあるんですか?

H:里に住むで「里住(りずむ)」って名前を考えてる。里のリズムを取り戻す。自分の主義(ism)を見直すRe-ism。移住じゃなくて里住(りじゅう)になったらいいなって思ってる。ゆくゆくは折津の部落全体がワーケーション化していけたらいいなと思ってる。

K:すごくしっくりきました。「里住」楽しみにしてます!

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