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【解体工事の疑問】同じ大きさの建物なのに、なんで解体工事の金額が違うのか?

一生のうちに一度くらいあるイベント解体工事。高いか安いかはっきり言ってわからない。どんなものにお金がかかるのか理解していただければ納得してもらえると思います。解体工事の疑問を少しでも解消されれば幸いです。

※今回は一般的な住宅の解体を想定しています。

結論 ”解体工事の金額は条件による”

身も蓋もない結論ですが、これに尽きます。なぜなら同じ条件の工事はないからです。例えば同じ大きさの家だとしても住宅街か郊外かで金額は違います。また使用している建材にもよります。では次にどんなものにお金がかかるのか見ていきましょう。

どんなものにお金がかかるのか?

人件費、車両費、廃棄物処分費

ざっくりこの3つです。業界用語だと「直接工事費」や「間接工事費」などと言います。あとは「諸経費」もありますが、難しい言葉は抜きでお客様に説明するようにわかりやすく説明していきます。では細かく見ていきましょう。

工事の半分を占める人件費

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職人や作業員へのお給料です。お給料をどれだけ払っているかは今回は関係ありません。重要なのは「人数と日数」です。

例えば1日5人で6日の工事だとします。合計で30人分の作業となります。一人当たり20,000円として30×20000=600000 60万円となります。

大半を占める人件費ですが、効率よくできれば少なくなる。その反対に効率が悪いと多くなる。作業の効率に大きく影響するのが機械代です。ではどんな影響があるのか見ていきましょう。

作業効率を上げる車両費

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車両といっても解体工事では車(トラック)と重機(ショベルカーまたはバックホウ)のことです。建物を壊したり、廃材を積み込むのは人力よりショベルカーのほうが早く終わります。また大きいトラックのほうが多くの廃材を運搬できますので効率よく作業ができます。では車両の使える条件を見ていきましょう。

車両が使える条件は3つ

入るか、置けるか、使えるか です。

入るか”は工事現場までに十分な道幅があるかどうかです。大きい重機、大きいトラックのほうが効率よく作業ができます。その反対に狭い道だと重機が入らなかったり、小さい車で何回も廃材を運搬しなくてはいけないので、効率が悪くなります。なので十分な道幅が必要です。

置けるか”は工事現場内に十分な作業スペースがあるかどうかです。解体工事は解体作業と廃材の積み込み作業を同時に行います。まず車が置けないと廃材の積み込みができません。なので十分な作業スペースが必要となります。

使えるか”は隣の建物と十分な距離があるかどうかです。隣の建物と近いときは建物を傷つけたり、人を怪我をさせてしまう可能性もあります。重機が使えないときは人力での作業となりますので効率が悪くなります。なので十分な距離があるかどうか必要です。

人力で解体して小さい車で運搬する場合は工事日数か多くなり人件費が多くなります。しかし、重機を使い、大きい車で運搬するほうが工事日数が少なくなり人件費が少なくなります。なので3つの条件は作業効率に大きく影響をします。次の廃材処分費は人件費、車両費にも大きくかかわっていきます。詳しく見ていきましょう。

建材によって異なる廃材処分費

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家を一軒、解体するのにおおよそ4トントラックで20台から30台くらいの廃材が出ます。廃材は種類によって金額が異なります。なので同じ大きさの家でも使われている材料によって金額の差が出てしまうのです。では詳しく見ていきましょう。

解体した廃材はどこへ行くのか?

答えは「処理施設へ持って行く」です。そして、処理施設で再資源化してもらいます。施設で処理してもらう作業を「処分費」です。それに対して処理施設まで持って行く作業が「運搬費」です。処分費については種類や地域によって異なりますので今回は割愛いたします。

(人件費+車両費)×日数=運搬費

では運搬費についてです。例えば100トン分の廃材を往復1時間かかる処分場に持って行くとします。積み込みや荷下ろしの関係で1日5回が限度としたとき

2トントラックなら50回つまり10日

4トントラックなら25回つまり5日

10トントラックなら10回つまり2日

次に各トラックの経費と運転手の人件費を計算すると

2トンの場合  (8000+20000)×10=280000

4トンの場合  (13000+20000)×5=165000

10トンの場合 (26000+20000)×2=92000

10トンの例は極端ですが、2トンと4トンでは1.5倍くらいの差はあると思います。以上のことから、大きい車が入るほうが効率がいいということです。

まとめ

同じ大きさの建物でも

大きい重機、トラックが入るほうが効率よく作業できるので工事日数を少なくできる、つまり安くなる。

結論 ”解体工事の金額は条件による”

今回は割愛しましたが廃材処分費も決して安くは処理できません。30万円から50万円くらいかかることもあります。廃材の処分についてはまた記事に書きたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。解体工事のことを少しでも理解してもらいたくて記事を書きました。今回の記事では書ききれないことたくさんありますので、また次の記事を読んでもらえたら幸いです。



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