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フリードリヒ大王からブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公フェルディナントへの手紙を訳してみた①

エリーザベト・クリスティーネから弟、ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公フェルディナントへの手紙を訳したので、今度は夫氏からフェルディナント氏のお手紙を訳してみました。
もうね、どんだけ好きやねん!恋文かってくらいの熱量高いお手紙ですが、相手は嫁の実弟です。

王妃→実弟へのお手紙はこちらから読めます。この仲良し姉弟め!
萌え。


AU DUC FERDINAND DE BRUNSWIC.Potsdam, 8 octobre 1750.

Mon cousin,
Je saisis avec bien de la joie l'occasion que vous me fournissez de pouvoir vous témoigner combien je suis prêt à condescendre à tous vos désirs.
Je vous accorde bien volontiers la permission que vous me demandez, par votre lettre du 7 de ce mois, de pouvoir faire un tour à Brunswic pour le temps que vous vous prescrivez vous-même,quoique vous me feriez un plaisir bien réel de vous arranger de sorte que vous ne partiez d'ici que le 14 ou 15 de ce mois; et comme je suis tout à fait persuadé de vos sentiments tendres et sincères pour moi, vous pourrez aussi, à votre tour, être très-assuré de l'amitié inaltérable et sans bornes que je vous porte et porterai à jamais.
Je vous regarde comme mon ami le plus intime et le plus estimable; point d'ennemi n'oserait ni ne pourrait altérer cette amitié ou vous noircir dans mon esprit; et, supposé que vous ayez des envieux, croyez fermement qu'aucun ne pourra jamais vous nuire, et que ma plus grande satisfaction sera toujours de vous témoigner combien je suis, etc.

フェルディナント・ブラウンシュヴァイク公爵へ 1750年10月8日

私の近しい方へ

あなたが私に与えてくれた機会に、心から感謝し、あなたの願いをすべて応えたいと思います。
今月7日付のお手紙でお尋ねの件の許可を、喜んで授けます。
あなたが自身で決めた期間、ブラウンシュヴァイクへ出かける事を許可します。ただし、あなたがこちらを出発するのは、14日または15日にしていただけるように手配していただけると、私は本当に喜びを感じます。
私はあなたが私に対する真摯で深い想いを確信しており、私もまたあなたに対して永遠に続くであろう、変わらぬ無限の友情を強く抱いております。
私はあなたを最も親密でかつ尊敬できる友人だと考えています。
敵が私たちの友情を傷つけたり、あなたのことで私の心を曇らすようにすることはできません。そして、もし妬みを抱いている者がいるとしても、誰もあなたを傷つけることはできないと固く信じてほしいのです。
私の最大の喜びは、常に私がどれほどあなたを大切に思っているかをあなたに示すことです。

敬具

登場人物

・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公フェルディナント

プロイセン王妃、エリーザベト・クリスティーネの実弟。ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公。姉王妃とは超仲良しシスコン。そして従姉妹のオーストリア女公で神聖ローマ皇后のマリア・テレジアにも気に入られたイケメン。
性格も頭もイケメンっぷりを発揮し、国王に愛される。軍人としても有能、その余波で国王の実弟に嫉妬されるオプションがつく。

・フリードリヒ2世(フリードリヒ大王)

プロイセンの第3代国王。エリザベート・クリスティーネの夫氏。
世間では大王と呼ばれるくらいの尊敬と偉大さで知られているが、性格はアレがアレでお察しください
血縁身内以外の女性が苦手で、美人で有能な王妃と絶賛別居中。頭と面の両方兼ね備えたイケメンが大好き。周りに侍らせて、ポツダムやサンスーシ宮殿でキャッキャしてる。
フェルディナント氏には深い愛情と信頼を抱いており、彼を頂点に夫婦で妙な三角関係を成立させた。

あとがき

手紙の内容自体は「休暇申請の許可だしますね。ただし14日または15日からにしてね」というシンプルで1行で終わりそうなものですが、大好きな相手にはこれでもか!といういうくらいに熱い愛情表現を独特の回りくどさでアピールする大王陛下。
相手は嫁殿の実弟だぞ…どんだけ好きやねん(大事なことなので2度)

その好意表現の1割でも嫁殿に回して差し上げて

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