劇場の記憶

舞台刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち

2019/12/21(土)17:30~ @TBS赤坂ACTシアター

いわゆる刀ステ。生ステにナマステ。
おもしろくもないオモシロはさておき、誘ってくれた友人には感謝でいっぱいである。

今作のお目目が釘付けポイントは、なんといっても、活動量の半端なく多い舞台。広義の舞台ではない。そのものずばりの舞台という場所と、その上につくられた装置のことだ。
ぐるぐる回り、分割され位置を変え、離れ小島状態からまた一つの大陸に…とまあ目まぐるしいまでの転換があり、さらにその上であっちへこっちへの芝居と殺陣が繰り広げられるのだ。
かっこいいからやみくもに動かしてるわけではない。
物語の肝のひとつなので詳細は伏せるが、しっかり意味を持ったぐるぐる。意味に現実感と臨場感をもたせるぐるぐるだった。なるほどね~。
あの動線を身体に叩き込む前に、わたしなら、ぶっ倒れるか大怪我するかだ。幸いにも俳優さんたちはわたしではないので、全公演無事に幕が下りた。それだけでも拍手喝采である。

ストーリーは、刀ステ『新章』の謳いのとおり、これが入門でも十分にわかるし面白いものだったと思う。
いっそ、刀剣乱舞をしらずに飛び込んでも楽しめたのではないか。というくらい作品ひとつでまとめられてて小気味よかった。
連作を否定するのではないけれど、ひとつの作品はひとつの作品としてきっちり締められているもののほうが好きなんだなあ。

なお、わたしの頭の中の坂本龍馬周辺は、『お~い、龍馬!』(アニメ)と『龍馬伝』でできあがっているという偏りぶりなので、あの中の彼らとこの中の彼らが融合し合い反発し合いながらの鑑賞であったことは論を待たぬ。