記憶に残ってる心霊体験7(家族の体験その2)

しばらく自分の体験は無し



高校後半あたりから人に話せるような、大した心霊体験をすることは無くなってきた。
母は元々霊感の強い人だったので、戦争で死んだ霊だとか、死霊に取り憑かれた人だとかを見ることが多く、よく話を聞かされた。

家族では、唯一父だけがそういった体験をしていない(した話を聞いていない)。



初詣に家族で行ってみる



毎年の初詣は、近所の神社に家族で参っていた。
が、何故かその年に限って、父の発案で出雲大社の分社に行くことになった。
そこは、近くの山の上の方にあり、歩けば1時間近く登らないと辿り着けない。
家族も珍しくノリノリで、家から歩いて向かった。

道路は整備されていて広く、歩道もあり、勾配が強いことを除けば歩きやすいものだった。
父も調子が良いらしく、独り先に歩いていく。



突然の父の異変


半分過ぎて、カーブが多くなってきた頃、先に歩いていた父がおかしな動きをしだした。
道の脇に、引き寄せられるように倒れ込んだのだ。

駆け寄ると、道の脇に父が横に倒れてうずくまっている。
調子乗って早く歩いたのが災いして、苦しくなったのか?

何故か父は苦しそうでもなく、ただじっとしている。
ただ体に力が入らないようだった。

10分程じっとしていただろうか、体が動くようになったらしく父は起き上がった。
体調が悪くなっていないのか、『大丈夫、行こう』と父は再び歩き出した。

歩くペースはさっきと変わらず、また先に歩いて行く。

そして10歩も歩いただろうか、また道の脇に倒れ込んだ!
さっきよりも、更に奥の方へ。

また苦しそうでなく、動けないだけのようだった。

流石に全員が不安になる。

母が、何か感じたらしく、『今日は諦めて帰ろう!』と言い出した。
父も、渋々それに従う。


父が動けるようになってから、来た道を引き返す。
父は、支える必要が無いらしく、自分で歩いて行く。



家に着いてから



帰りは何事も無く、無事に帰り着いた。
ただ、母は思うところがあるらしく、塩を出してきて玄関に入る前に父に振りかけた。
私は姉にも塩を振って入るよう促す。

翌日、父は何事もなかったように元気そのものだった。
初詣は、結局タクシーで行き、無事に終えた。
正月三が日、それ以降も父は元気だった。



母の調査報告



あの日、母は現場に霊的なものを感じていたらしく、後日知人を通じて現場の情報を集めていた。

そして集めた情報はこうだった。

1.現場のカーブで、バイク2台の自損事故があった。
  (現場の道は、いわゆる『走り屋』がよく走行練習に使っていたらしい)
2.その事故で2人、人が亡くなった。
3.1人は道のすぐ脇に。もう一人はずっと奥に。

父が倒れた場所は、正にその二人が倒れていた場所で、父の倒れた姿勢が、その二人の倒れていた姿勢と同じだったのだとか…。

母曰わく、父は『バイク事故で死んだ二人に憑依された』ということらしい。
母は後日現場に行って供養したそう。

以降、父は初詣は近所の神社に参るようになった。

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