原始人、Monument Valleyを語る

前回、スマホゲー『Monument Valley』について触れたので、MV推し文を転載します。
こちらは、落山羊さん主催の『みんなの萌え語り文集』に寄せたもので、冊子は通販型イベントText-Revolutions Extra でのみ頒布されました。頒布終了していますが、自作の転載については自由とのことでしたので、この機会に掲載します。読み返すたびに書いた人のことが心配になります。大丈夫かな?

 スマホを使うにあたって、忌まわしく呪わしいことを三つ挙げるなら「指紋がつく」「電池が減る」「音質がクソ」だ。何を言ってるのかわからないだろうが、スマホを使うのに向いていないと心底思いつつ、まあ、お察しの通り。原始人、スマホ手放せない。
 生活必需具合と「忌!呪!!」具合の兼ね合いでスマホを使うか否かが閣議決定されるのだが、スマホゲーは満場一致で「不要」だった。ポケGOは気ままに遊んでいたものの、諸々あって放置している。すまねえフレンドさん、原始人は元気です。なお、ちょっと歩いたくらいでは痩せなかった。

 そんな2020年3月28日、コロナ禍による自粛要請中、今だけ無料とRTされてきたパズルゲーム「Monument Valley2」を何の気なしにインストールした。本当に、何となく、としか言いようがない。つまり運命だ。閣議を完全スルーで遊んだ。
 画面が美しい。中間色のグラデーションと、昔のSLGみたいなマップ。クランクやブロックなどでフロアを操作し、錯視(繋がっていないはずの通路が繋がって見える)を利用してタップで主人公を扉に導いてゆくだけのシンプルなつくり。スクショ貼れないのがもどかしいけれども、エッシャーの騙し絵の中を旅する、というのがわかりやすいかもしれない。「さわる」と「変わる」。たのしい。すげえたのしい!!

 ひとりで進むステージもあれば、赤い頭巾の娘ちゃん(目鼻もなにもないのに動きが細やかでラブリー)と二人を操作して進むステージもある。主人公に台詞はなく、幽霊のように透けたNPCが喋るだけ。確たるストーリーは不明ながら、なんかすごくもの悲しい空気。進む。考える。やってみる。できる。工夫と休憩と試行。直感的思考。頭がすっきりする。一人で黙々と遊ぶタイプの原始人オタク、とてもたのしい。
 指紋?こまめに拭け。電池?充電ケーブル差して遊べ。音質はやっぱクソだ、イヤホン使おう。アメイジング原始人。天才かもしれない。
 原始人閣議、スルーされた怒りを三秒で忘れ、上がってきた臨時予算案を即座に可決。課金である。課金である!!ウホウホーッ!流水の如き指捌きで1作め「Monument Valley」を購入。
 オタクとして当然の振る舞いだ、推しには愛と金を。コンテンツはシェアを。スクショフォルダがもりもり埋まる。初めて手にしたコンパスで、いくつもの円を描いたときの静かな興奮が蘇る。幾何の美しさと楽しさを、久しぶりに浴びた。
 スクショやシェアボタンでゲーム画面をツイートすると、数人のフォロワさんから反応があった。「推しです」「神ゲーです」ほんまそれな。ちょうたのしい。
 クリアしてしまうのが勿体なく、週末に少しずつ進めた。でも終わりは来る。コンシューマ派である原始人には、エンディングがあることが誠実にさえ思える。分かたれた道が再びひとつになり、ついにクリア。新しい朝が来た希望の朝だーッ!
 神ゲーだった。
 今までに遊んだなかで、いちばんシンプルでいちばん美しいゲームだった。これを作ったひとがこの世に存在することが嬉しい。開発チームに幸いあれかし。できれば続編はよ。ありがとう、ありがとう。まだ少しずつ遊んでるし、これからも遊ぶだろう。このグダ文を読んだ誰かが遊んでみようかなって思ってもらえたら、原始人とてもうれしい。原始人とてもたのしい。

 「モニュメントバレー」てぐぐるとモニュメントバレー(米国)が引っかかるので(SEO~!)、多少面倒だけど英語でぐぐりゃんせ。原始人からのアドバイスでした。

【開発】ustwo studio Ltd.
【プラットフォーム】どろでもぽんでもあそべます可及的速やかにストアへGO!


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やっぱり、読み返すたびに書いた人のことが心配になる……(大丈夫じゃなかった)
(なお、スマホ変えてスクショフォルダが新しくなってしまったのでまたイチから遊んでいます)(とても楽しい)

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