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お金とは何か?そして、仮想通貨の価値とは何なのか?

 こんにちは、ベア之助(@kaisaobama1)です🐻✨


 前回は仮想通貨TITANのメルトダウンとIRON Financeについて書きました↓

 これらの仕組みや暴落のメカニズムについて説明するのが記事の目的の1つでしたが、主要な論点は以下の3つでした。

① IRONのドルペッグが外れたのは魔界特有のものではなく、そもそもステーブルコインが安定していることが幻想である。

② TITANの暴落は魔界特有のものではなく、他のビットコインなどの仮想通貨の価値も幻想である。

③ ①や②の幻想は仮想通貨特有のものではなく、日本円のようなフィアット(法定通貨)も同じである。


 これらの考え方について、多くの皆さんが共感してくれました↓




 さて。

 今回は、前回の記事の性質上、語り尽くせなかったお金の本質や仮想通貨の価値に焦点を当ててみます。

 そもそもお金とは何か?フィアットの担保は何か?について触れていきます。

 最後に仮想通貨の価値について考えを共有していきます。


 最近の仮想通貨界隈では、これらの議論が活発になされているように思います。おそらく仮想通貨の盛り上がりに対するバックラッシュ(より戻し)と考えられますが、これらの議論の一助になれば幸いです。

 今回も長いので、まったりとお付き合いください!


お金の本質とは?

 『日本円の価値とは、一体なんでしょう?

 突然そう街で問われたら、あやしい新興宗教のたぐいかなと身構えてしまいそうですが、お金の本質を考えていくと日本円(フィアット)は宗教さながらな存在であると思うようになります。

 どうして私たちは紙切れに1万円という価値があると信じているのでしょうか?


 そもそもお金は物々交換の代わりとして『価値を代替する』ものとしてはじまりました。

 言い換えると、みんなが欲しがり、交換が簡単で、納得する値打ちのモノをお金として用いてきました。(これはお金の3つの機能と言われています↓)

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 ご存知のように、昔は美しい貝殻だったりしたわけです。現代に生きる人からみたら『貝がお金なんて馬鹿馬鹿しい』と思うかもしれません。

 確かに、iPhoneを買うために貝殻を10万枚集めてApple Storeへ持っていったら、ただの変質者ですし、場合によっては逮捕されてしまうかもしれません。

 ですが、昔の人にとってみれば貝は美しく憧れの存在だったわけです。

 もし、私たちがタイムスリップして、貝の代わりに日本円を山のように積みあげても、魚や肉には一切ありつけません。それこそ最悪の場合、打ち首にされてしまいます。

注意:現代でも一部の地域では貝貨が利用されています↓


 ここまでの話が明示しているように、当たり前すぎて忘れがちですが、お金とは絶対的なものではなく、あくまで相対的なものにすぎないということが分かります。

 現代の日本では、お金絡みで人が死ぬのは日常茶飯事ですが、貝殻の奪い合いで人が死ぬことはまずありません。

 お金は絶対的なモノではないのです。

 にも関わらず、いつからか日本円さえあれば何でもできるような、まるで絶対的な神のような存在に仕立て上げてしまっています。

 実際は、現在のフィアット(日本円)も金本位制が崩壊した1971年からはじまったもので、たかだか50周年を迎えたにすぎませんし、いつまで続くか分かりません。


 さらに、先ほどの貝に関する小話から分かるもう1つの事実があります。

 それは、みんなが認めれば、何でもお金になってしまうということです。

 これこそがお金の本質です。


 そういう意味でFacebookのリブラの構想はかなりいい線をいっていたと思います。

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 リブラの目的は、貧困などで金融サービスから取り残された約17億の人々を救済することです。これを『ファイナンシャル・インクルージョン』と言いますが、リブラはこれを掲げていました。

 ですが、その実『通貨の主権を奪うこと』が目的とささやかれていました。マーク・ザッカーバーグもかつて『写真を送るような感覚で、お金も送れるようになるべき』と野心的な発言をしています。

 もし、リブラが発行されていたとすれば、Facebook関連のサービス利用者である全世界人口の3分の1の人々がリブラを使う可能性があったわけです。

 すると、各国の法定通貨は誰にも利用されなくなります。これは、国の通貨の価値がなくなり、最終的には国の弱体化を招きます。

 非常に残念なことに、リブラはG7や中央銀行、IMFから猛烈な反対を受け、計画のほとんどが潰されてしまいました。

 公聴会で証言するザッカーバーグ↓

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 シニョレッジを享受するのは国の特権としておきたいようですが、各国の反発の様子を見ると、リブラはみんなに認められて、お金になり得るポテンシャルを秘めていたことが伺えます。

(リブラの詳しい話はまた今度しましょう!)

 

 さて、ここでお金の本質について、もう1度整理しておきます。

 (1) お金は『価値を代替』するもの

 (2) お金は絶対的なものではなく相対的なもの

 (3) みんなが認めればお金になる


 ビットコインもみなが貴重だと認めているからこそ価値があるわけです。これは、ある意味で貝殻への先祖返りでもありますよね。

 日本では『暗号資産』などとレトリックを使って大衆を煙に巻こうとしていますが、国が認めるとか認めないとかは、お金の本質からすればどうでもいいわけです。結局はみんなが認めれば、貝でも紙切れでもビットコインでもお金はお金です。


 一方、突き詰めていけば、ビットコインも電子上の貝殻に過ぎず、価値はないということです。この辺の議論はすでになされていますのでこちらをご覧下さい↓


フィアットを担保しているもの

 では。

 どうして現代では紙切れに1万円という価値があると思い込んでいるか、という話題に戻りましょう。

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 『強制通用力』として法律で決まっているということはおいておくとして、基本的には国そのものの信用が紙切れに裏付けされていると考えることができます。

 貝殻がお金だと信じている人たちに、これを説明するのはかなり難儀です。

 紙に国の力が宿っている…もはや意味不明です。

 かなり宗教的ですが、とにかく、法定通貨には国の信用が宿っているわけです。


 では、国の信用とは具体的に何でしょう?

 ここでは、米ドルを思い浮かべてみましょう。

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 まず、アメリカは資源や食料を豊富に生産でき、多く所有しています。これは、米ドルを裏付けているコモディティとみなすことができます。

 金本位制におけるゴールドをコモディティ(資源や食料)に変えたと考えれば、分かりやすいですよね。

 例えば、アラブ諸国の通貨が弱いのは、石油がほとんど唯一の通貨の裏付けであると考えられるからです。『石油保有価格 ≒ 通貨の価値』とみなされているためです。

 他に米ドルを担保するモノは何でしょう?

 テクノロジー、医療、人口、人材、企業、政治力など国の生産力に関わる項目のすべての総合点で決まると思えばいいでしょう。

 ただ、結局のところ戦争に勝てるどうかが大きく影響を与えていると考えます。なぜなら、戦争に負けてしまえば、通貨の価値はなくなるからです。アメリカには強大な軍事力があります。これこそが紙幣の信用の源です。


 では、日本はどうか?

 ここで詳細は述べませんが、資源や食料は明らかに乏しいですし、近年は他の項目も悪いスコアへ落ち込んでいます。

 端的に言えば、日本や日本円はオワコンということです。

(日本の衰退について興味がある方は、参考文献の『貧乏国ニッポン』が興味深いのでご参照ください)


 念のため補足しておきますが、僕は日本円がハイパーインフレになり価値がなくなるなどと言いたいわけではありません。

 依然として、日本円は最強レベルです。

 ですが、相対的には日本円の弱体化が進んでいるという点が論旨になります。


本当の『価値』とは何か?

 それでは、相対的に信じられなくなりつつある日本円を使っている僕らが、今後どのように行動すればいいのかを考えていきましょう。

 主な戦略として2つ示してみます。

 それぞれ『価値の移行』そして『分散』です。


 まずは『価値の移行』についてです。

 これは、簡単に言うとお金以外のものに価値観をシフトさせることです。

 分かりやすいのはミレニアル世代を中心に台頭しているミニマリストという生き方があります。これは、行き過ぎた資本経済や資本中心の価値観への反発です。

 また、流行りのFIRE運動も、ただお金を貯めて早期退職するという従来までの考えではなく、ミニマムなお金でミニマムなライフスタイルをすることが前提でリタイアするという内容に変化しているように思います。


 また、インフルエンサーも価値の移行の1つの形です。いわゆる『価値主義』へのシフトです。価値主義では、お金ではなく、いいねやフォロワー数が価値になります。

 お金の第一の法則は『価値の代替』でした。

 彼らはお金がしていた価値の代替をフォロワー数でやっていることになります。もちろん彼らは、マネタイズしたいときには、フォロワーへの影響力を行使することでマネタイズすることもできます。

 ただ、価値が移行したからと言って、当たり前ですが競争がなくなるわけではないのもまた事実です。

 フォロワー数のピラミッド↓

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 金融資産のピラミッド↓

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アセットの分散

 さて、もう1つの戦略は分散でした。

 まずは単純な話からですが、アセットの分散があります。

 資産を日本円だけにしないで、ドルや株、不動産、債権、ゴールドなどに分散させることです。

 何も信じられないからこそ分散させるという考えですね。

(少し脇道にそれますが、ヨーロッパでは他国に占領されて自国の通貨が使えなくなったり、経済の混乱によりハイパーインフレが起きた歴史から、今でもゴールドや金貨を持つ習慣があります。彼らはフィアットを過度には信じていないのです。)

 そして、アセットの分散の一端を担うのがもちろん仮想通貨です。

 twitterや株クラでは、仮想通貨を毛嫌いして極端に批判する人がいますが、それはアセットの分散性に対する正しい認識の欠如です。

 『危ない』『あやしい』『また暴落』などと騒ぎ立てて、知りもせずに遠ざけることは、むしろリスクを助長させます。リスクを適切に抑えて、仮想通貨を運用することはアセットの分散につながります。この点が、理解されていないのは非常に残念です。


仮想通貨の本当の価値は?

 いよいよ話が佳境に入ります。

 もう1つの分散についてです。

 それは経済圏の分散です。そもそもビットコインが掲げている分散性は、このことと解釈できます。


 我々は、日本に生まれて、日本円で給料をもらい、日本円でモノを売り買いしています。60代より上の世代の人たちにとっては、これが常識です。

 ですが、仮想通貨が切り開く未来では、別の経済圏で生きられる可能性があるのです。

 楽天経済圏はいい例ですね。

 モノの買い物だけでなく、電子書籍や通信、保険、ファッション、電気など、あらゆるものが手に入り、楽天ポイントに集約できて、その中だけでやりくりができれば、それは経済圏と言えます。

 ただ、残念なことに、楽天経済圏は実質は円にペッグされており、日本円経済圏です。


 一方、仮想通貨の経済圏は、フィアットの価値からは分離された本当の意味で独立した経済圏になる可能性もあるわけです。

 その経済圏ではトークンで給料や報酬が支払われて、モノの売り買いも移動時の支払いもすべてトークンで行われる。価値観や考えに共有した人々が集まった独自の経済圏です。

 生まれてから死ぬまで、日本円の経済圏に縛られていた私たちが、自分で経済圏を選べる時代が来るかもしれないのです。

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 ビットコインが貨幣の独立の道を開き、イーサリアムがスマートコントラクトで人を介在しない取引を整備し、ユニスワップが中央集権の取引所からの脱却を担う…こうやって仮想通貨界隈では、日々経済圏の独立に一歩ずつ近付いています

 日本円の経済圏に住みながら、他の経済圏を渡り歩く、そんな世界になるかもしれないのです。

 それこそが仮想通貨の本当の価値と僕は考えています。

 僕らは、日本や日本円とともに意味もなく運命を歩む必要がなくなりつつあります。

 国主導の経済圏からの脱却

 それだけのポテンシャルが、仮想通貨にはあるのです。

(もちろん日本円の経済圏を捨てて、米ドルの経済圏に住むのもありです。今回のポイントは、見かけ上は日本円の経済圏に住みながら別の経済圏と共存できるというところです!)


まとめ

 さて、今回はお金の本質について述べました。

 (1) お金は『価値を代替』するもの

 (2) お金は絶対的なものではなく相対的なもの

 (3) みんなが認めればお金になる

 この定義からすれば、貝殻も紙切れもビットコインもお金です。


 また、日本円の担保は信用のみであり、その信用の力も近年は弱体化しつつあります。そして、日本円が弱体化する中で、有効な戦略を2つ示しました。

 1つは『価値の移行』で、お金意外のものに価値観をシフトすることでした。例えば、インフルエンサーのような価値主義への移行やミニマリストのような価値のシフトの方法がありました。

 そして、もう1つは『分散』です。

 1つはアセットの分散であり、仮想通貨もアセットの分散性を担います

 もう1つは、経済圏の分散です。経済圏の分散は、まだ実現されていませんが、仮想通貨がこの道を日々切り開いており、そこに仮想通貨の価値があると考えます。


 私は、アセットの分散性、これからの仮想通貨の価値を信じているので、仮想通貨に投資しています。

 そして、そんな人たちにピッタリな投資方法が、仮想通貨へのインデックス投資と思っています。

 この投資法については、以下のnoteで説明しています↓(結局、宣伝!?笑)


 長かったですが、記事を読んでくれてありがとうございました🐻✨

 資産運用や投資についてつぶやいてますので良ければTwitterに遊びに来てください!

 https://mobile.twitter.com/kaisaobama1


参考文献

(1)これからを稼ごう

(2)お金2.0

(3)貧困国ニッポン

(4)サピエンス全史




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