FIRE生活が半年になりました。 〜ハッピーエンドのその後の話〜
こんにちは!お元気ですか?
約4ヶ月ぶりのnote更新です✨
僕は2021年11月1日にFIREしましたが、2022年5月1日で無事にFIRE生活半年を迎えることができました!
サラリーマンによるFIREは、一般的には『ハッピーエンド』とイメージする人が多いと思います。
しかし。当たり前ですがFIREしたあとも人生は続くわけで、FIRE生活は『ハッピーエンド』の一言では言いあらわせません。
そこで、これまでの半年間のFIRE生活をふりかえって、FIRE生活の真実(ハッピーエンドのその後のストーリー)を書いていこうと思います。
さて。
本文に入る前に、このnoteのハイライトと結論を示しておきましょう↓
【ハイライト】
1. FIREしても悩みは尽きない
2. 現金とインカムゲインも重要
3. 生活のみならず、投資スタイルも変わる
【結論】
僕は『遠くない未来に、FIRE生活をやめて、仕事をする』と予感しています。
『FIRE生活は失敗だったの!?』
と思うかもしれませんが、そうではありません。
この理由はおいおい説明していくとして、まずはFIRE生活で感じた4つの真実(ストーリー)についてお話を始めていきます!
真実1:FIREしても悩みは尽きない
FIREしたという話をすると、必ずされる質問が『FIRE生活はどんな感じ?飽きない?』です。
そんなとき、僕は『GWの初日が毎日続く感じ!飽きないよ!』と答えています。
日曜日の午後に山積みの仕事が頭をよぎって憂鬱になったり、
月曜日の朝に絶望して週末まで消化試合のような毎日を過ごしたり、
心から人生を楽しめなかったそんな自分はもういません。
朝起きて活気にあふれていれば活動的になってもいいし、
少し疲れていたらのんびり過ごしてもいい、
『今日は何をしようかな?』と毎朝自由に決めることができます。
まるで小学生の夏休みです。(今どきの小学生はむしろ僕よりお忙しいですよね……)
会社員時代に抱いていた悩みの80%ちかくは解決した感じがします。
逼迫した納期や理不尽な要求、
見たくもない上司、その口から繰り出される信じられない言葉たち、
社内専用の無駄なスキルにつまらないローカルルール、
長時間労働と不摂生な食事、
……これらから解放されることは、ひかえめに言って最高です。
二度と社畜生活には戻れません。
FIREして後悔したこともありません。
それは大前提です。
しかし。
そうだとしても、一番最初に強調しておきたいことは、FIREしたところで悩みは尽きないということです。
これは、よく考えれば当たり前のことです。
定年退職して仕事を辞めたからと言って、みんながハッピーになるわけではありません。
健康、家族や子供のこと、人間関係、お金、やりがい、社会とのつながり……。
人間は、悩む生き物です。
良いことはすぐに慣れて、悩みは次から次へと生まれてきます。
何が言いたいかというとFIREは目指すべき価値はありますし、人生をより良い方向に進めてくれますが、FIREに過度な期待をしたり、FIREがすべてを解決するなどとは思わないほうが良いということです。
特に、もっとも多い勘違いは『自分の時間が増える』というものではないでしょうか。
FIREした人たちは積極的には言いませんが、そんなことはありません。
なぜなら、仕事をやめたら家事や育児全般が日々のタスクになるからです。
パートナーはあなたが仕事をしていようと、していなくとも、常に家事や育児を進んでやってほしいと思っているものです。
時間があれば子供をどこかに連れて行ってほしいし、パートナーの自由時間を作ってほしいわけです。
FIREしたあとに家族やパートナーは、それを期待しています。
僕も毎日好きなだけ音楽作りや小説作り、その他の自己研鑚をしたいです。
せっかく苦労してFIREしたんだし、やりたいこともたくさんあります。
でも、家庭の運営やパートナーとの関係がやっぱり1番です。
そう考えられない人は、FIREしたあとに不幸になってしまうと思います。
リタイアして家庭のことを何もしない、できないというパートナーは、ただのお荷物です。
離婚や解消の原因にもつながります。
勘違いのないように、ここでまずは明言しておきます。
真実2:FIREして変わる『お金』の価値観
次に、お金について話しておきましょう。
FIREしてからの半年の資産推移は、ジェットコースターのようでした。
ヨーロッパでの危機と混乱、物価上昇、アメリカの利上げ、日本の金融緩和継続など……イベントが盛りだくさんでした。
1000万円近い資産が1週間で消失したこともありますし、FIRE時よりも資産が上昇した時期もありました。(現在はとんとん)
これは予想していたことなので、精神的なショックや不安はありませんでした。
また、FIREするときに現金の割合いを引きあげる戦略を選択していたことも正解でした。
(この戦略は『現金クッション』と呼ばれます)
もし、現金の割合いを増やしていなかったら、このジェットコースターに精神が耐えらなかったかもしれません。
さらに、噂には聞いていましたが、毎月の国民保険の支払いは本当にキツイです。
国民保険だけで1ヶ月あたり約8万円の出費です。
住民税や国民年金でも現金がどんどん出ていきます。
正直に言うと、僕は現金なんてまったく持ちたくはありません。
投資していれば資産を大きくできるはずなのに、それができないですし、持っているだけで価値が下がります。
この半年でドル円のレートは115円から130円になり、円としての購買力は10%ほど下がりました。
僕は、この円安を指をくわえて傍観しているだけでした。
(円安になると考えて、現金のほとんどをドルとして持っていました。結果的に良かったですが、しょせんは時の運です。)
現金は、価値の交換や短期的な保存の手段であって、ただの紙くず同然です。
それでも!
FIREするときには、2〜3年分の生活用の現金を用意しておいたほうが良いです。
現金と同様に、配当もありがたい存在でした。
FIRE本では、資産の切り崩しが基本戦略になっていると思います。
ただ、実際にFIREしてみると、資産がジェットコースターのように乱高下しているときに資産を切り崩して生活することは、精神的にもたないと思いました。
はっきり言ってしまえば、限りなく机上の空論に近いです。
一方で、『無職』にとって定期的な配当は、貴重な収入源になるだけでなく、心の安定にもつながりました。
少し大袈裟ですが、アイデンティティにすら感じます。
FIRE前後でこの点はマインドチェンジしており、もっとインカムゲインの割合いをあげる戦略をとるべきであると考えるようになりました。
(この戦略は『利回りシールド』と呼びます)
僕は、FIREするまで『現金クッション』と『利回りシールド』をかなり過小評価していました。
FIREして半年経った今では、かなり有効な戦略だと実感しています。
これらは、お金に対する価値観の変化です。
他にもFIREしたことでお金への考え方が変わりました。
具体的には、『お金』の価値は『時間』や『場所』によって、大きく変質するという考えです。
この話は今回は省略しますが、以下のnoteで述べていますので興味がある方はぜひ読んでみてください↓
真実3:投資スタイルも変わる
もう1つ、お金のお話を。
意外と指摘されませんが、FIREすると生活スタイルだけでなく、投資スタイルも変更しなくてはなりません。
端的に言うと、アクティブな投資からコンサバな投資に変わるということです。
これは頭では分かっていたことなのですが、アクティブ投資が好きな僕には、意外とストレスでした。
会社員時代は、人的資本として『会社員債権』を持っているという解釈をすることで、アクティブ投資を頻繁にしていました↓
しかし、FIREしてからは人的資本がなくなるわけで、金融資産はすべて失ってはいけない貴重な資源へと変わります。
そのため、コンサバな投資を余儀なくされますが、相場の予想が当たっているとアクティブ投資できていないことが『機会損失』に感じてしまいます。
FIREしてトレーダーとしての人生も終焉し、投資家として生きなくてはいけないことは、まさにアイデンティティの喪失であり、精神衛生上良くありませんでした。
アクティブ投資が好きな人は、FIREするまでに生活費とは別にさらなる投資資金を積み上げることをおすすめします。
できない人は、投資スタイルの変更を許容する必要があります。
これは、FIREするにあたって盲点でした。
真実4:働きたくなっている?
ここまでFIREの功罪を書いてきましたが、結局はFIREはいいものです。
健康的な生活が保証されます。
会社員時代は朝ごはん抜きとか、朝昼どちらもデスクでコンビニごはんを食べたりしていました。
60歳とか70歳まであの無機質なデスクで、朝昼コンビニのごはんを口に放り込み続ける人生なんて、生き地獄です。
今は家族と朝ごはんを毎日ゆっくり取れます。
慌ただしくでかけていた朝に、ゆったりと季節のフルーツやナッツを食べて、コーヒーや作りたてのスムージーを飲む。
このときは、ほんとにFIREして良かったと思います。
運動も思い立ったら気軽にできます。
ジムに行くために仕事を早く終わらせなくてはとピリつくことはないし、同僚や上司が邪魔してきてイライラすることもないです。
健康診断を受けましたが、血圧や血糖値、体脂肪が大幅に改善されていました。
では。『永遠に働きたくないか?』というと、それは違う気がします。
むしろ。
『働きたくなってくる』ものです。
しかも、報酬から切り離された理由で、働きたくなってきます。
ひとつは、『社会との接点』です。
予想はしていましたが、FIREすると、社会や世間からどこか取り残された感覚がします。
ニュースから流れてくることが、遠く離れた存在のことのように感じるときもあります。
良く言えば孤高。
悪く言えば孤独。
大人になると自然と人間関係は、仕事を介したものが多くなってきます。
社会や人とのつながりをもつために働くことは悪くない選択肢であると思うようになりました。
そして、ふたつめは『自己実現』です。
たしかに、社畜として馬車馬のように働くより、FIREしてのんびりくらすほうが有意義な人生ではあります。
だからといって、仕事を辞めて隠居生活を送り、社会に貢献しない人生も同様につまらない人生です。 (* 個人の価値観です!!)
FIREしてから『専門知識を積み上げてきたのに、世界をよりよくするために使わなくていいのか?』と何度も自問してしまいました。
お金による『機会損失』は前述しましたが、人的資本や社会貢献したいという面での『機会損失』も精神的な苦痛になります。
よりポジティブな側面を述べるなら、FIREしてやりたいことがやれるなら、昔からやりたかった仕事や夢に挑戦したいと思うようになりました。
これらの現象は、マズローの欲求の説明がしっくりくると思います↓
会社員時代は、安全欲求のうち経済面や安全面が満たされていませんでした。
FIREして、これらの欲求が満たされると、より上位の欲求である、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲が大きくなります。
僕も現在は、夢であった仕事に就くために、日々英会話をしたり、身体づくりをしたり、専門知識に関する勉強をしたりしていました。
夢に向かって努力する日々は、充実した日々です。
これらの活動は、FIREしたからこそできるものであり、やはりFIREして良かったと思います。
このように、これからのFIREは『FI』を果たして『早期リタイア(Early Retire)』するのではなく、自己実現や社会貢献するために『働き続ける(Remain Employee)』という考え方として浸透していくのではないでしょうか。
FIREする前から思っていたことではありますが、この半年の生活で強く再認識することができました。
まとめ
今回は、FIREして半年で感じたことを踏まえて、ハッピーエンドのあとの真実(ストーリー)を書いてみました。
ポイントは4つです↓
1.FIREすると家庭やパートナーが1番
2.FIREするとお金の価値観は変化する
3.FIREすると投資スタイルも変化する
4.FIREすると働きたくなる!!
特に、4つ目はFIREの思想と矛盾した内容に思われるかもしれませんが、この記事で1番強調したい点です。
最近の研究データでも、人を絶望させるのは『貧困』ではなくて『失業』であることが指摘されています。
FIを果たしたのに、わざわざ『失業』状態になり、幸福度を下げるのは馬鹿げています。
現代社会では職業的な成功こそがもっとも確実な自己実現への道だからです。
FIREして思うことは『早期退職』は魅力的な人生の目標でもなんでもないということです。
FIを果たして、やりたい仕事をする。
これが、多くの若者のあいだでFIREが注目されている本当の理由ではないでしょうか?
40〜50代のオジサンたちが、FIREを目指す若者を鼻で笑う風潮がありますが、これらのオジサンは、まったくココを理解していません。
重要なので、もう一回言っておきます。
FIREは『Financial Independence Remain Employee』で『経済的独立して、働き続ける』ことが本質になっていくでしょう。
人生の目標は早期リタイアすることではなくて、自由に生きることです。
そして、その手段がFIREです。
半年間のFIRE生活で、確信することができました。
最後に……念のため。
僕は、社畜生活に戻りたいというわけではないことは明言しておきます。
FIREを達成したあとは、働き方の戦略も変えていく必要があると思います。
たとえば、年功序列のシステムから抜けて、プロジェクト単位での働き方をするとか。
この半年で、僕は新しい働き方について確立することはできておらず、まさに今模索しているところです。
(シリコンバレーならまだしも、日本のシステムでプロジェクト単位での働き方などまだ無理です。現実的には、自分のやりたいことがやれる会社に属して、プロジェクトが終わらったらミニリタイアして、またやりたいプロジェクトを見つけるために転職する……これらを繰り返すが1つの手であると思います。この辺の働き方の戦略は、また別のnoteでしましょう!)
今回は、ここまでです。
読んでくれてありがとうございました✨
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