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二人の賢者と熊本遠征5

■前回のエピソード》

 ※賢者α=僕の仕事を少しサポートしてく
 ださる宇宙の流れに逆らわない天才の友達。
※賢者β=税理系職の一見普通に見えるが
 めちゃ深みのあるカッコイイおじさん。

 間もなく、幣立神宮(へいたてじんぐう)に到着。前に一人旅で来たときと天候は違いカラッと晴れ渡る。

 拝殿は御開帳されており、自由に中に入れた。中に宮司さんと思わしき人が居たり一般参拝者が適当に出たり入ったりしている。

 拝殿奥の最も神聖な雰囲気の一歩手前にお賽銭を置き、そこで祝詞奏上・・というわけに行かない。場が、そういう雰囲気にないのだ。

 しかたないので、そこでは一呼吸おいて普通に参拝して退出。すぐに幣立神宮裏の龍神池へ向かう。

賢者β
「白へびさん、龍神池は前にもきたんでしょ?」
白へび
「いえ、初めてです。龍神池のことは知らなかったんです」
裏の階段を数段降りると、遊歩道が二手に分かれる。
白へび
「ここです、ここまで来て、よく分からないから引き返したんです。土砂降りのあと足場も随分悪くて、何となく進むのをやめたんです。今思うと、時間がいっぱいあったんだから行けばよかったんですけどね。何故かその時だけ、探求心が出てこなかったです」
 分かれ道を足元が少し整備された雰囲気の右奥に進む。しばらくその細い道を歩き続ける。

 すると、田舎~な雰囲気の畑を横目に小さなお社が出現。その続きに、常にお水で満たされた小さな池、あるいは湿原がある。日本ザリガニや透明な小エビ、アメンボが居そうな雰囲気だ。見たわけじゃない。
 つねに、お水が湧き出て流出(ながれいずる)ような神秘の場所。

「なんだぁ、こんなすぐ近くだったんだぁ」
『でも、前回何でここまで来なかったんだろう‥』という後悔の気持ちには全くならない。

賢者β
「お水のみました?」
白へび
「まだ飲んでないです。飲めるんですか?」
賢者β
「是非、飲んでってください」

 一見、手水舎(てみずしゃ、又読み方は複数ある)になっているその水こそが湧き水らしい。見ると、他に訪れる人も手水舎としても使い一口飲んだりもしていた。

 僕も一口、二口、三口といただく。
ウマい。本当にウマい。真水(まみず)過ぎて腹を壊すという心配もない。とにかく疑いようもなくウマい。

 と、そこで大祓いの祝詞と龍神祝詞を奏上。他にもちょくちょく参拝者が訪れるので、お社の前じゃなく↑写真の右端に少し見える足場で唱えた。
 さすがに三件目ともなると、読みなれてくる。幣立神宮の裏側にあんな場所があるなんて、想像すらしえなかった。前に来たときは山が沈むほどの土砂降りの直後。あの時ここに来ていたら一体どんな風景だったのだろうか。そこだけちょっと気にはなる。

 幣立神宮の裏手奥にある龍神池のお社を参拝後、来た道を戻る。

 

 すると、‥

『いや、ちょっとまて!』
二人の賢者と熊本遠征5を執筆中、ここで使う写真をHDD(ハードディスク)から物色中この写真に目がとまる。

『八大龍王の水源だとぉ!?』

 『八大龍王』という名は、執筆中の今となっては知っているが、この熊本遠征でも認識しないでいた名だ。この写真を撮るとき、立札の内容を一読している。それでも『八大龍王』という名を認識していなかった。

 まさか、ここからご縁が発生していたのか!?

■関連するエピソード》

 さて、本編に戻る。

 来た道を戻る。すると‥

 遊歩道途中のわきにある、古い大きな杉の木に目が行く。この形は、高森殿の杉とよく似た特徴的な形をしていた。

龍神池から戻るときのアングル
中央の木が高森殿の杉の木と同じような特徴の形をしている
ちょっと通り過ぎてからのアングル
蛇が踊り狂ったような特徴的な枝の形

 高森殿の杉の木を目の当たりにしたとき、見たことない木の形をしており、初めて見る巨大な木だったために驚きに驚き、神秘でもあり奇妙でもあるモノとしてそれをとらえた

 そのときの『驚き』はニュートラルな感情だったが、同時に沸き上がった『奇妙』はややマイナスな感情だったと思う‥『奇妙』に気持ちが偏(かたよ)ったために、高森殿の杉の木とのツーショットを撮ってくださった賢者αに『写真を消して』と言ったのだ。

 もしこの様な形の木に、招かれざるモノがくっついているのなら、龍神池へ向かう途中に奇妙な感覚を覚えていたかもしれない。しかし遊歩道を歩くとき、ただ一貫して『ここち良い』だった。

 なるほど、『初見』→『驚き』→『奇妙』→『恐怖』という連想ゲームをやったんだ。

 龍神池に通ずる幣立神宮裏の階段を降りてすぐの場所。

 龍神池から戻って来た時のアングル。この日、カラッと爽やかに晴れた日。そんな日でも足元は十分湿っていた。

 この日の目的地巡礼は幣立神宮が最後、神宮を後に宿泊地の熊本市内中心街へ向かう。その車中‥

白へび
「賢者αさん、さっき高森殿の杉の木の写真消してもらったじゃないですか?」
賢者α
「消したね」
白へび
「消してほしいと思ったのは僕が高森殿の杉にビビって、勝手に恐怖心に繋げてしまったからです。けど、高森殿と同じ特徴の木を龍神池に行く途中で見付けました。全然変な雰囲気がしませんでした。」
賢者α
「別に変な木~じゃ無かったやん」
白へび
「そうなんです。で、さっき僕の端末確認したら、写真が届いたまま残ってました。多分αさんの端末からのみ消えたんでしょう」
賢者α
「じゃぁ残しとけ~いうことやろ」
白へび
「そうですね」

賢者αによって撮とってもらった写真
消しても消えなかった貴重な一枚

白へび
「でもよく考えたら、別のデジカメでも高森殿の杉と一緒に自撮りしてるんですよね」
賢者α
「消させる意味ないやん!(笑」

 つづく

■次のエピソード》