短文「あなたの声が聞きたいの。」

 鳴らないスマホをにぎって、今日が終わる。最後に送ったラインの返事は、まだこない。いったいなにをしてるんだか!

 既読はついてるんだよ! 読んだことはばれてるんだからさ、さっさと返信してくれたっていいじゃないの!じゃないとさ、わたしは、明日も寝不足で、しんどいんだよ!

 あたしは夜勤まじりで、週末休み。 あなたは朝はやく家をでて、お休みは平日。 わたしたちって、あわないのかな・・・?

  そうかもね、って、なにそれ? なんで、そんなにあっさりしてるの? わたしって、それだけ、なの? ひどい! 

 ・・・・・・なんてね。 
 そんなヒステリーはおこさないよ。 これでも、一応は二十歳はこえてるし、わたしだって、社会人だしね。

 あーあ、でも、つまんないな~最近。ちっとも、会えないし、これでも色々かかえてるんだよ!?仕事のストレスもあるし、体だってダルいんだからね! 

 晩ごはん、買ってきたものばっかりだから・・・。その、体重も、増えちゃってるしさ。ふんだり、けったりだよ。 

 せめてさ、隣にいてさ、グチくらい聞いてくれたっていいんじゃないのかな!? 晩ごはんを作るついででいいからさ・・・。

 ねぇ、きいてよ。 わたしの、はなし、聞いてよね。頭のなかでは、どんなワガママだっていえるのに、会ったらもう、だめ。わたしは、なんにも言えなくてさ・・・。 惚れた弱みって・・・つらいよね。

 ちょっとばかり会えないだけで、わたしはどんどん、だめになる。
 スマホに着信がないか、ラインがきてないかを待ち続ける。それしかできない、いじっぱりな、わたし。 

 もうすぐ、今日がおわる。終わってしまう。どうか、今日が終わるまでには、あなたの声が聞きたいの。 そしたら、きっと明日も、元気でいられる気がするからさ。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?