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気分が悪いが、魅了されて観続けられるアニメ、「バビロン」

 今回は話題になったバビロンの紹介をします。2019年アニメランキングで1位にさせていただきました。

 先に書かせていただきますと、原作未読のアニメ視聴のみの考えとなりますので、見解の違いもあると思いますし、ネタバレも含みます(最後の一番のネタバレは言わないようにしています)。その点をご了承ください。
 アニメの紹介をさせていただきますが、感情移入がしやすい人などは観るのがきついアニメになるかもしれませんので、そこは自己判断んでお願いします。グロイシーンもあるので、それでもOKの方は是非とも視聴してください。また、正義とは何か、と考えるのが好きな人も是非とも観てください!

バビロンは全部で3章の構成です。

 東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。
そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。
 捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。
 時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。
正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?

これが1章で1話から3話までの内容。

 新域域長・齋開化による『自殺法』宣言と、64人の同時飛び降り自殺。
日本を震撼させる事件の真相と、暴走する齋の行方を追うため、正崎は捜査に動き出す。
 後任の検察事務官として瀬黒陽麻も加わり、法務省・検察庁・警視庁をまたいだ機密捜査班が組織される。
 さらに、事件の鍵を握る女・曲世愛に関する調査も進める正崎だが、その先にはさらなる絶望が待っていた——

2章の4話から7話までがこのような内容。

公開討論の末に域議選挙が行われ、新域では自殺法の運用が本格的に始まろうとしていた。
齋拉致計画の一件で捜査班全員の死に直面した正崎は、依然として絶望の淵に立っていた。憎むべき人間はただ一人。“最悪の女”曲世愛を正崎は再び追う。
正義、そして悪とは何かを、己に問い続けながら——

3章の8話から12話までがの内容となります。

感想(アニメの流れ)

 バビロンは全体を通して現実ではありえない不可思議な出来事が次々と起こります。フィクションという枠なのですが、本当にフィクションなのか、わからなくなります。1章で私が感じたことは「何者かの陰謀により何かが蠢いている。しかし、まだ起きてない」という何かが起こりそうで怖いという不愉快感をもちました。それを印象付けたのは、事件の謎に1歩近づいたのに、何故か2歩遠くなった、こういう印象を思えたからです。

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 このアニメの超重要人物である曲世 愛(まがせ あい)という一人の女性。この女性が全ての元凶だろうと正﨑 善たちは考えるのですが、新たに始まる謎の一斉飛び降り自殺。その飛び降り自殺者の中には一緒に事件の謎を追っていた同僚もいる。視聴者も正﨑 善と同じ視点で見ているので、何がどうなっているのか本当に不明で今後の展開がどうなるかワクワクする一方、気持ち悪いという印象をおしつけられます。人間が持っている知的好奇心をくすぶり、曲世 愛(スタッフ)の掌の上で踊っているように視聴後に思えました。普段私はアニメの視聴は一気観しないのですが、久しぶりに連続で視聴できなくてよかったと安心したほどです。

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 曲世 愛を追っていくうちに、彼女の声を聴くと自殺したくてしたくてたまらなくなるという考えに至り多くの仲間が自殺してしまう。そうするうちに、自殺するのは悪いことなのか世界が混乱してしまいます。そもそも人を殺すこと自体も本当に悪なのかとも。この時の曲世 愛の言葉をイヤホンで聞くと、視聴者も彼女の言っていることが実は全て正しいのではないかと思う程の魅力的かつ蠱惑的なお言葉を我々は聞くことが出来ます。それをうまく表現している声優のゆきのさつきさんは流石の一言。(ひぐらしのなく頃にに出演されている声優さんは気が狂う演技が本当に上手すぎるっ)そして、このアニメの一番の問であろう「正義とはなにか、悪とはなにか」これを問うている曲世 愛は善にだけではなく、視聴者にも問いかけている問題になり、それこそ、これを観ている一人一人答えを考えさせらるはずです。

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 規模がどんどん大きくなり、最後には自殺法という法律を認めるか認めないかアメリカの大統領を始め世界の首相がサミット会議を開催することにまで発展します。
 それまで、FBIに志願している善や大統領が自殺するのは良いことなのかどうか、そもそも正義とは何なのかいろんな場面で考えて考えて考えて考えて考え続けます。最後にはついに正義とは何か、悪とは何か、正﨑 善と曲世 愛が対立し、答えを良います。この答えを聞くと、案外すーっと私は落ち着くところに落ち着いたという印象を持ちましたし、納得もしました。その前に大統領が答えに至った時のその後の展開は素晴らしいの一言。大統領も正﨑 善と同じ答えに至った瞬間、自殺したくて自殺したくて自殺したくてたまらないという衝動にかけむしられます。しかし、サミット会議でTV中継されている中で自殺すると、大統領が自殺法を認めたことになり、その後の世界の秩序がどうなるかわからなくなる。それを止めるためには善が銃で大統領を殺すしか方法がないという最低最悪の展開になります。自殺法を認めるかたちで大統領が死に世界中で自殺法を認めるように動く世界か、大統領を殺し善がこれまで通りの悪(殺人犯)として人生のすべてを失うか選択させられます。この選択をどう選択し、正﨑 善が曲世 愛の「正義とは何か、悪とは何か」の答えをどう言ったのか、逮捕できたのか、是非ともご自身で確かめてください。

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最後に

 ということでバビロンを紹介させていただきました。正直、このアニメを通して最後は視聴者に何を伝えたいのか不明とも言ってもいいです。考えてほしいと言われればそれで終了ですしね。気分の悪いアニメと言われればその通りだと思います。ただし、それを超えるなにか不思議な魅力があります。アニメ1話を約24分間の本編と考えると、人間の感情をたった24分で不愉快に持っていく作品がここにあるのです。感情で気分が悪いということはそれこそ自身の体調不良、若しくは対人関係や悩みなどのストレスからそういう気分は生まれると思いまうが、作品を観て気分を悪くするとはなかなかレアだと思います。これを最後まで観続けるということはある意味我々も曲世 愛という悪魔に魅了された証拠かもしれません。

あなたにとって「正義とは何か、悪とは何か」是非とも考えてください・



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