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ずる休み

今日、僕は会社を休んで自宅にいる。
というのも、昨日親知らずを抜きその翌日ということで大事をとって前々から休みの予定を入れておいたので、特に急病で...とかそう言うことでは無い。

大事をとって休んでみたはいいものの、実際のところ抜歯した後の痛みは抜いたその当日よりも慣れたので大した事はないし、何なら抜く前の歯茎が腫れていた時の方がよっぽど痛かった。普段よりも仕事に集中できないかもしれないが、我慢できない程ではない。
実質無償で休暇を満喫しているいわば半分ずる休み状態と言う訳だ。

しかし、歯医者の先生からは「激しい運動を控えて一応安静にしておいてください」とも言われた手前出かける事もできない。
何にせよこの状態では100%楽しめないだろうし、不測の事態で抜歯後の歯茎のポケットが痛む可能性だってある。自宅に大人しくいるのが吉。

こうなると、「果たして休んでいる意味があるのか?」とも考える。
今週の月曜日僕は体調不良で仕事を休んだお陰でめちゃくちゃ疲れている訳でもないから今日が終わって「あ〜リフレッシュ出来た〜」なんて事にもならない。


ふと、大学3年生の頃の学園祭を思い出した。
当時サークルの副会長兼ドラマーとして軽音楽サークルで活動していた僕は、サークルの運営側として色々な業務の他、大学ドラマー特有の人を殺すバンド数と曲数に忙殺された上4日間あるうちの1日目には地元に戻って祖母の葬式に出席した。(その日も東京へ帰ってきて喪服の状態で出番を終えた)

打ち上げや片付けを終え、全てが幕を閉じて家に帰った後、文字通り翌日は1日中動けなかった。ようやく動けるようになったのは更に翌日の昼で、近所のラーメン屋で一杯ラーメンを食べた頃ようやく体力が回復し「あ〜スッキリした〜!」となったのだ。

あれはまごう事なき「意味のある休み」だった。

逆に、高校生の時流行りのインフルエンザにかかった時は辛かった。何せB型という比較的軽症の方に罹ってしまい、咳は少し出るものの熱もなければ喉も痛まず至って元気。挙句の果てにはそんなに暇なら、と母親に犬の散歩を頼まれる程だ。(流石に断ったが)
この時はしょうがなく暇を潰すために1日中ゲームをして過ごしたが、かえって目が疲れてしまい何日か休んだ後の翌日の登校が辛かったことを覚えている。

これが「意味のない休み」だ。

物事は何でも表裏一体で、それはこういった日常の風景にも現れる。休みというのは消耗があるから休みの価値が輝くもので、消耗の無い状態で歩みを止めてもせっかくのこの時間は無駄な物になる。下手したら逆に暇を潰すべく消耗してしまう事だってあるのだ。我慢して我慢して解放する。これが休みを楽しむ極意なんじゃないか、と思う。


せっかくの休日なので何か書いてみようと思ったが、逆に消耗したような気がする。
これが、「意味のない休み」。


...そろそろタバコ吸っても良いよな?



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