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スターダスト☆レビューが好きだ。

はじめに

 私は今、どっぷりスターダスト☆レビュー(以下、スタレビ)にハマっています。いわゆる沼というヤツです。もうズブズブです(笑)でもまっさらな状態からハマったのではなくて、大昔、一時期スタレビのライブに行っていたので、出戻りファンということになります。
 約20年ぶりぐらいに出戻って、ものすごい勢いで音源やDVDなどを改めて集めてます。とりあえずまずは音源だ! ということで、過去の音源40年分を宅配レンタルなどを駆使して、1~2ヶ月ぐらいでオリジナルアルバム中心にだいたいは聴けるようにしました。
 すごいですよね、40年ですよ。20年ぶりぐらいに出戻っても、還暦過ぎてまだバリバリにやってるんですよ。久々に生スタレビを観た時は、ありがたくて拝みたい勢いでしたよ(笑)
 まあそれはともかく。音源ほぼ集めて、それである程度気も済んで、勢いも落ち着くんじゃないかなと思ったんです。いやー甘かった。落ち着きませんでした(苦笑)
 スタレビの奥深さと自分の情熱を舐めてました。聴けば聴くほど、知れば知るほど沼でした。昔と違い、自分の足を使わずネットでポチッとするだけで、手軽に手に入れられるせいもあるのかも知れません。
 
 というわけで、スタレビに出戻って約半年、なぜ自分がこんなに沼っているのか、分析好きで文章を書くのも好きなんだから、思いの丈を文章にしてみようか、と思い立ったので書いてみる次第です。長くなりそうですが、よろしければおつきあい下さい。
 そして、ちょっとスタレビ聴いてみようか、動画でも観てみようか、というきっかけになったらうれしいです。

「高い音楽性と低い腰」のまずは「高い音楽性」から。

 スタレビが自分達を語るキャッチフレーズのように使っているのが、「高い音楽性と低い腰」という言葉。
 昔、スタレビのライブに行っていた頃の私は、この「高い音楽性」がよく分かっていませんでした。というか、音楽を深く味わうことをスタレビに限らず、ちゃんとしてなかったように思うのです。若くてお金もなかったし、過去のCDなどを熱心に集めるわけでもなく、とりあえず楽しいからライブに行ってました。
「とりあえず楽しいから」でも、ライブに行く動機としては充分です。それは、曲をそれほど知らなくても楽しめるということでもあります。実際、初めて行ったスタレビのライブで私は、私よりはるかに年上の大人達がものすごく楽しそうに跳んだり振りをしてるのに、元気だな~とちょっとびっくりしつつもその一員となり、ボーカル・ギターの根本要さんのMCが面白すぎて爆笑し、リピーターとなったわけです。
 が、出戻って改めてスタレビを聴きまくるようになって、あの頃さらっと聴いていたことに、もったいなかったなあと正直反省しました。
 私は単なる音楽好きで詳しいわけではないし、もうさんざん言われてることではありますが、まずは「高い音楽性」にまつわる沼った理由を上げてみます。

なんで弾きながらそんなに歌えるの!?


 スタレビはバンドでありながら、コーラスワークやハモりの芸が細かいです。なんと、サポートメンバーの添田啓二さん(キーボード)、岡崎昌幸さん(アコースティックギター、キーボード)も含め、メンバー6人全員歌えます。
 つまり、それぞれの楽器にプラスして6人分の声があり、分厚い最大限の出力も、ボーカルとキーボードだけも、アカペラも、と多彩な演奏が可能ということ。
 しかもそれはあまり打ちこみの音も入っていない(はず)、人の汗や涙、時には高揚やなにかに気を取られてのミスなんかもあったりする(けど時にはそれすらうまく笑いにする)、温かみと豊かさがあってとても贅沢な音楽です(うまく表現できないけど伝われ!)しかも楽曲も本当にバラエティに富んでるので、飽きさせない。
 そんなスタレビなので、誰がどこでコーラスを入れ、誰が主旋律にハモっているのか、その役割分担を確認するのも楽しいです。見ていると、曲によってはこの人は部分的にコーラスしてない、とかいうこともあるような? なぜなのか、素人ながら考えてみる。はい楽しい(笑)
 しかも当然ながら、それぞれの楽器を弾きつつ、バリバリコーラスを入れるのです。ライブでは必ずアカペラをやるし、バンドなのにコーラスアルバムを3枚も出しているグループは、世界的に見てもそういないでしょう(と本人達も言ってます)なぜなら大変だから(笑)
 現にベースの柿沼清史さんがインタビューで語っています。

(コーラスは)ビートルズが基本ですから当時(アマチュア時代)からやっていましたけど、ベースを弾きながら歌うのはキツかった(笑)(中略)要は(イエスの)ジョン・アンダーソンとスティーヴ・ハウを1人で演っていましたからね。それを観ると"ベース弾きながらコーラスできない”とは言えなくて(笑)それで相当鍛えられました。
・・・
楽器弾きながらコーラスをやるってハードルが高いから、楽器小僧ってわりと楽器オンリーになっちゃうんですよね。

(「PLAYER」2012年12月号)

 ではなぜ、スタレビはそれができるのか、というと、とにかく練習あるのみ、練習大好き。まずは手癖で弾けるようになるぐらい、それぞれの楽器パートを覚えるそうです。
 かなり昔の番組ですが、スタレビのコーラスの作り方や上に書いたことを語り、実演もしていてなかなか面白いのが、「ベストサウンドⅡ」のスタレビ出演回です。でもこれおおっぴらにリンク貼って、なんかの拍子に見つかっちゃって権利の関係で消されても怖いな……(昔ちょっと苦い思い出が)
 というわけでリンクはあえて貼らないので、興味がある方はググってみて下さい。司会がキーボーディスト、アレンジャーの井上鑑さんということもあり、さすがに音楽的に鋭い指摘もいくつか。
 そしてこの番組内でも、ベースという楽器の特性ゆえに、弾きながら歌うのは難しいでしょう、と井上さんに言われてますが、ツアーでは毎回1曲ぐらいはメインボーカルを取る柿沼さん。優しく柔らかな歌声が素敵なんですが、いやまあ本当によくベースを弾きながら歌えるなあと感心します。
 要さんもバリバリエレキギターを弾くので、歌が消えるか消えないかぐらいで間髪入れずに間奏のギターソロに入ることも。いやまあ本当によくギターを(以下略)

日本一のライブバンド。

 スタレビはとにかくライブがやりたくて始めたバンドだ、とは要さんがよく言う言葉です。デビューから40年強、全国津々浦々回るホールクラスのツアーを長年続け、ライブ回数は2,000回越え。最近はワンツアー100公演近く回ってます。今日本でこんなツアーをやっている、できるバンドは、スタレビぐらいだと思います。
 そしてそんなライブ大好きなバンドが弾きながら歌えるように練習しまくり、長年ライブを続けてきたわけですから、当然演奏のクオリティが高い。その上、ツアー中ライブを録音して自分の演奏をチェックする、ということを結構してるらしい。
 最初、え? と思いました。他のミュージシャンでそんなことしてる人いるんでしょうか? 私が知らないだけかも知れませんが……。もう大ベテランなのに、さらにうまくなろうとしてる。驚きました。
 そんなスタレビの演奏力を堪能できる1枚として、私がお勧めしたいのが「NO BALLADS」というライブ盤です。中でもイチオシは「HELP ME」。ダイノジの2人がスタレビを語った動画で、リズム隊(ドラム、ベース。ドラムは寺田正美さん、小柄ながら演奏はパワフル)の安定感がすごい、と言ってましたが、この曲はそれがよく分かるかなと。聴いててまあ気持ちいい。

 日本一のライブバンドだという自負なのかどうなのか、スタレビほどライブ盤を出してるバンドもなかなかいないと思います。
 最近では、ライブ映像の発売とライブ盤の発売がセット。しかもこれがなんと税込1,100円、お求めやすくなってますよ、奥さん(笑)ライブ盤を集めて、ライブの定番曲のアレンジの違いを聴き比べるのも楽しいです。

 個人的好みですが、私はスタレビのプレイリストを作る時に、自然とライブバージョンを選んでしまいます。作品として完成されてるCD(オリジナルアルバム)もこだわって作りこまれてて、もちろんいいんですが、ライブならではの揺らぎがいいんです。
ライブの定番曲「夢伝説」や「木蘭の涙」などは、ライブバージョンがたくさんあるので、そこから自分の好みのテイクを選ぶのも楽しい。
 そしてそんなクオリティの高い演奏に、要さんのお笑い芸人も舌を巻くMC。参考にしろとスタレビのライブ観に行くよう勧められた、なんて話もあるほど。お客さんを煽るのも本当にうまい。ライブの定番、要さんのパーカッション・林"VOH"紀勝さんいじりも爆笑もの。ツアー中何回も観るリピーターのためにも、日替わり曲があったりする。楽しくないはずがない。
 と、ここまでですでに長くなってますが、次は「低い腰」の部分について語ります。私が知るほどに沼った原因はむしろこの部分なので、さらにうっとうしくなると思いますが、おつきあいいただける方は続きをどうぞ。


では、「低い腰」について語ります。

 私がなにかにハマる場合、ルックスなり演技なり歌なり、そういうなにか分かりやすいきっかけから入って、だんだんと人柄や考え方を知るうちに、ますます好きになるパターンが多いです。みなさん多かれ少なかれそんな感じだと思うのですが、年を重ねたせいか、久々に私の前に現れたスタレビという沼は、「人柄や考え方を知るうちに~」が占める割合がとても大きいのです。
 ここでは「低い腰」を、スタレビの活動のバックボーンになっている人柄や考え方とその言動、と拡大解釈します。主にリーダーでフロントマンである要さんの言葉を私なりに解釈して、共感したり感心したりしたことを語るので、思い違いなんかもあるかも知れません。ご容赦を。

 というわけでまずは、「MUSIC GUIDE」より要さんの最近のインタビューを。
 私がこれから語ろうとするぐっと来たポイントは、だいたいこのインタビューで理由が語られてると思います。もうこれ読んでもらえばいいんじゃない? レベルですが、語りたいんです、すみません。
 このインタビュー、全部読むとかなりの読み応えです。前置きからして、最初に読んだ時、早く要さんのインタビュー読ませろよ、とチラッと思ったほど長いですが(すみません……)、スタレビの活動についてうまくまとまってます。なので、この前置きだけでもぜひ(と言う私自身の前置きが長い!)


本当に腰が低い!

 ライブ映像を見ていると、ライブ中スタレビのメンバーはよく頭を下げます。それも深々と。要さんが曲終わりやMCなどでありがとう、と言う回数も多い。ライブラストでは必ずスタッフ、そしてお客さんに感謝を示し、「We are スターダストレビュー!」と言って締めます。あ~早くこの言葉生で聞いてキャー!(小声)って言いたい!
 私はそれなりに他のミュージシャンのライブにも行ってますが、こんなに何回も深々とお辞儀し、お客さんだけではなくスタッフや時にはスポンサーへの感謝を伝えるミュージシャン、いたっけな? と当初思ったものです。
 ライブはお客さんがいてこそ成立するもの。そしてスタッフなど周りの協力が不可欠で、自分達だけじゃできないものだという思いが強い。ライブバンドとして40年やってこられたことへの感謝が、とにかく来てくれたお客さんを喜ばせようというサービス精神の高さ、クオリティの高い演奏を聴かせようという向上心や謙虚さに繋がっているのが、要さんのインタビュー読んでもよく分かります。

そういうわけで、ファンサがすごい。

 出戻って即スタレビのファンクラブ、FLAPPER CLUBに入ったんですが、FCのサービスが手厚く、行き届いていて、驚きの連続でした。
 最初のファンサの洗礼は、FC限定動画「楽屋ネオン・パラダイス」。コロナ禍で楽屋ご招待に代わる企画として登場したそうです。ツアー中毎公演、終演後に楽屋でその日のライブの感想やら届いた質問に答えたりするもの。
 前回のツアー「年中模索」終了後に入会した私を待っていたのは、毎回10分前後、時にはもっと長い、100本強の動画アーカイブ。見ても見ても終わらない(笑)ツアー中は土日祝日ほぼライブの、日本一のライブバンドのすごさを見せつけられました。しかもそれは時に、終演後は時間の都合で撮れないから開演前に、とか、翌日もライブで次の公演地に行くバスでの移動が待っている、なんて中で撮られているのです。すごい。なんでそこまで。スタレビのサービス精神、温泉の如し。
 一番驚いたのは、FC先行でチケット取ると、割引があること。十数回ライブに行けば会費の元は取れる計算に。その上に年6回の会報にバースデーカードに継続特典? 大丈夫? 実質無料どころかお釣り来ない? と、出戻りの熱に浮かされた頭はバグりました(笑)
 会費を払ってまで自分達を応援してくれて、ライブに来てくれるファンを大事にしたい、ということらしいですが、ファンに感謝しすぎじゃありません?
 ちなみにチケットの割引は、FC会員だけじゃなく一般発売でもジュニア割・シニア割・障がい者割があり、こういうことをしているのはどうもスタレビぐらいらしいです。さすが日本一のライブバンド。

ソールドアウトは申し訳ないらしい。

 スタレビのあれこれを見聞きしているうちに、時々聞く「空席は気にならない」という言葉が気になり出しました。なんで? 空席多かったらがっかりして演奏のモチベーション下がったりしないの? とか思った私が浅はかでした……。根本的に考え方が違いました。
「スタレビは観たい時に観たい人が観たいだけ観られるバンド」とよく要さんが言うのを、私は最初自虐だと思っていました。違うんですね。
 スタレビは「観たい時に観たい人が観たいだけ観られる」を実現するために、自分達が動員できるキャパシティよりも少し大きい会場をあえて選んでいるそうです。だから空席は気にならない。要さんはスタッフにも、赤字にならない限りは行こうよ、と言っているのだとか。
 そして要さんには、「空席以外は満席」という名言が。ガラガラでも、来てくれたからにはそのお客さん達に楽しんでもらいたいと、むしろ燃えるらしいです。空席には目を向けず、来てくれたお客さんに向けてなんならいつも以上に熱の入ったパフォーマンスをする。見習いたい姿勢です。
 そんなスタレビなので、ソールドアウトはむしろ、来られなかった人がいるわけだから、申し訳ないと。ソールドアウト自体には感謝しつつも申し訳なさそうなメンバーを見て、その価値観にほ~と思いました。私の価値観も、スタレビの影響でちょっと変わったかも知れません。

愛なんだ。

 「低い腰」パートのまとめも兼ねて、私が本当にたまげた上記要さんインタビュー内の言葉を引用、と思ったらどうもダメっぽいですね……。なので、インタビューの最後のとこだけでも読んで下さい。私は思わず、は~! って声出ちゃいました。
 プロとして長年ライブをやり続けて来た人が、もしライブできなくなったらストリートミュージシャン!? すごい。すごすぎます要さん。どんだけ演奏することが好きなんですか!
 スタレビの音楽、特にライブが楽しいのは、本当に音楽が、演奏することが好きでライブをこよなく愛している人達が集まって、その愛ゆえに真摯にいろんなものに向きあい、よりよいものをと努力し磨いたものを見せてくれるからなんでしょう。
 みんなその、愛あふれる上質のエンターテイメントを浴びにライブに来る。何度も観たくなる。そういうことなんだと思います。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。というか、こんなに長くて、最後まで読んで下さった方いらっしゃるんでしょうか……。でもこれでもだいぶ絞ってます(苦笑)
 この曲が好き! メンバーのここが好き! とか、スタレビきっかけにベースの奥深さを知った話なんかを書くと、もうとんでもないことになるので、泣く泣く主にライブ絡みのことを書いてみました。
 が。これだけライブがライブが、と書いてきてなんと! 私はまだ出戻ってから一度も、スタレビのライブツアーを生で経験していないのです。「横浜合同演奏会」というイベントで観たのみです。
 びっくりしますよね。私が一番びっくりです。20年前のライブ経験なんて、ほぼ白紙みたいなもんですよ(苦笑)それなのに、この熱量。これでライブを観てしまったら、私はどうなってしまうのか……。自分でもブギウギワクワクで来年を待ちたいと思います。
 長々語ってきましたので、締めにこれだけ。
 スタレビはいいぞ。

おわり


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