信頼の基盤。

あらゆる契約や社会関係を含め、人間関係を成立させる「相互承認」や「信頼」という関係が、それ自体何によって成り立っているのかを考えるときに、まず自分が「個人として尊重される」存在であると自分で認めることができることがあるように思います。


それは単に「私だけが尊重されるべきなのだ」という利己主義的な感覚ではなく、「すべて国民は、個人として尊重される」と日本国憲法がいうときの個人主義に立脚した尊重の形です[1][2]。


この日本国憲法第13条の規定を前提としたうえで、自分が「個人として尊重される」ことを認めるなら、あらゆる他者も「個人として尊重される」ことも無条件に認められることになります。つまり自分を認めることは他者を認めることと同義なのです。


まさにこの意味での「個人の尊重」が、相互承認や信頼の基盤になるのではないか、ということです。


* * *

注など

[1] 
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION


[2] 厳密には異なり、現代社会では「個人として尊重される」人の属性は国民に限定されないと考えられます。

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