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「前澤DAO」に学ぶ、新しい組織づくりの理想と現実、そして「カブアンド」

 DAOといえば、ZOZO創業者である前澤友作さんが2022年に立ち上げた「MZ DAOコミュニティ」は有名です。
私は「MZ DAOコミュニティ」について詳しいわけではないですが、DAO組織の可能性や課題についてヒントが得られますので、少し好奇心で調べてみました。
(ネットで調べただけですので、もし、間違いがあれば教えていただけるとありがたいです。)

「MZ DAOコミュニティ」のきっかけ

 ZOZO創業者である前澤友作さん(MZ)が2022年に立ち上げた「MZ DAOコミュニティ」は、「みんなで会社を作ろう!」という斬新な呼びかけで注目を集めました。オンラインで参加でき、匿名OK、月額500円の参加費を払えば誰もがメンバーになれます。参加者はコメントやアンケート回答、SNSシェアなど「スマホでできるお手伝い」を通じて、事業アイデアを考えたり盛り上げたりできる。うまくいけば利益を「山分け」できるかもしれない……。そんな「みんなで会社を作る」イメージは多くの人の関心を集めました。


前澤さんの狙い

 ここには、以前のコラムで紹介した「DAO」の特徴──誰もが提案者・支持者・受益者になれること、そして多数決やコミュニティの知恵を生かして新しい価値を生み出すという狙いが見て取れます。


前澤DAOの概要

  1. アイデアの形成:コミュニティ内で「どんな事業をするか」を決める

  2. 事業運営体制づくり:決まった事業を運営する会社やチームを形成

  3. 意思決定プロセス:事業を進める上での判断ポイントごとに、アンケートや投票で参加者の意見を反映

  4. 報酬の付与:お手伝い(コメント、アンケート回答、SNSシェアなど)に応じてトークンやストックオプション(将来換金可能な権利)を付与

  5. 成功時の利益還元:事業成功で得た利益を分配し、参加者が報酬を受け取る可能性

このしくみは、「みんなが関与し、みんなが恩恵を受ける」新しい組織モデルとして期待されました。


失速した原因(課題)

  1. 運営コスト・参加意欲の問題
    月額500円の参加費を取ったのは、冷やかしや中傷を減らす狙いがあったものの、本気の参加者を継続的に増やすことが難しかったようです。最初は物珍しさで集まった人も、やがて離れていった可能性があります。

  2. 明確なビジョン・リーダーシップ不足
    DAOはリーダー不在を理想としますが、何を目指すかが曖昧だと、参加者は「何をすればいいのか」「どんな価値が生まれるのか」がわからなくなります。前澤さんは「大きなことをやろう!」と呼びかけましたが、具体的な道筋や、成功のイメージが十分に共有されなかった面があったかもしれません。

  3. 専門的な合意形成が難しい
    以前のコラムで紹介したオープンソース開発であれば、機能改善は技術的に明確な課題ですが、ビジネスアイデアや宣伝戦略はもっと曖昧なもので、万人が納得する「正解」がありません。また、多数決だけでは優秀なアイデアが埋もれたり、実行力が伴わないまま終わったりすることもあります。


まとめ

 MZ DAOが失速した事実は、単純に「DAOはダメだ」という話ではなく、こうした組織モデルを成功させるために何が足りなかったのか、何が必要なのかを考える手がかりになります。次のチャレンジでは、より良い設計や運営方法を模索できるかもしれません。

そして、新しい試み、カブアンド

 こうして「MZ DAOコミュニティ」を振り返ると、2024年11月20日にスタートした新プロジェクト「カブアンド」は、その経験から学んだ教訓を生かしているように感じられます。「カブアンド」では、これまで社会で広く使われてきた「株式会社」の仕組みを取り入れながら、新たな価値やシステムを創造しようとしているのです。

12月15日現在、「カブアンド」は会員数100万人突破、サービス申込数は35万件だそうです。

きっと前澤さんのことです。一旦は馴染みのある「株式会社」を土台として活用しましたが、その先には「DAO」を活用した社会作りにつながってくるんじゃないでしょうか。
「カブアンド」の次のステップにワクワクしてきます。

楽しみですよね!

前澤さんのチャレンジ、応援しております!


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