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ロジック図解添削(初級) テレワーク

複雑な情報を説明するときに便利なロジック図解がうまくできるようになるための一番の近道は、「出来る人に添削してもらうこと」です。外国語の習得と同じですね。

というわけで、今回はごく簡単な例で考えてみましょう。課題文はこれです。

【テレワーク】テレワークの実現には、「制度の導入」だけでなく、「業務の見直し」「システムの導入」「意識改革」などが必要で、働き方が大きく変わるため、時間と労力をかけてしっかり取り組む必要がある。

たったこれだけの内容なら複雑とも言えないので、普通は図解しようとも思わないでしょう。それをあえてやってみるとして、たとえばこう書くのはどうでしょうか?

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はい、これは下手なロジック図解の例です。では、どこがダメなんでしょうか?

「○○という理由で、ここがダメだ」と、ダメな理由を言葉にするのが実は大事です。言語化すれば、修正できるし同じ失敗をしなくなります。人にも教えられます。添削してくれる人が身近にいないときは、自分でやってみましょう。

理由1:矢印の意味がハッキリしない

まず問題なのは矢印が確たる意味なく使われていることです。たとえば「精度を導入」「業務の見直し」「システムの導入」・・・をこの順序で進める、というような前提があるならこの流れで矢印を引くことに意味がありますが、おそらくそれは違います。少なくとも元の文章には記載がありません。

理由2:階層化されていない

次に、7個の箱がのっぺりと並んでいるだけで、階層化されていないことも問題です。

文章を適当に切って矢印でつないだだけ

今回の「ダメ図解例」は、文章を適当に切って箱に入れて矢印でつないだだけのものでした。実はこういうケースはとてもよくあって、その場合上記の2点が指摘される図になりがちです。矢印を引くときは特に、その矢印に意味があるのか? その意味は伝わるか? を問い直してください。

ダメな理由がわかったら、改善してみましょう

改善例(その1)

無意味な矢印を使うのを止めて、階層化します。

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こう書けば、少なくとも「やらなければいけない変革が4つある」ことがわかりますね。

箱を使っていないので「図解」に見えないかもしれませんが、こういう、ほぼ箇条書きだけで書いたものも立派なロジック図解です。

これで最初のダメ例よりは改善されましたが、もう少し考えましょう。

4箇条以上の単純列挙には要注意

改善案でも、単に列挙している部分があります。経験上、単純な列挙が4箇条以上になったら要注意で、順番を工夫したりグループ化したほうがいい場合があります。

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今回の場合は、「導入」が2つあるのは1つにまとめてもよさそうです。そして順番は「意識改革→業務の見直し→制度・システム導入」とするのが良いでしょう。

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こんなところです。今回は極めて簡単な例でしたが、このレベルの「ダメな例」を直せなかったら、もっと複雑な情報のロジック図解は当然、できません。

実は、このレベルの「下手なロジック図解」は世の中に非常に多いので、そういうものを見かけたら練習台として考えてみるとよいでしょう。

ご案内

当マガジンは複雑な情報を整理し論理構造をわかりやすく可視化する「ロジック図解」の基本と実例を紹介し、読者のロジック図解力向上を支援するものです。当マガジンで扱って欲しい例題がありましたら開米までお知らせください。「この文章をロジック図解にして欲しい」「代わりに添削して欲しい」などのご要望を歓迎します!


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