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蔬菜育種におけるDNAマーカー支援選抜と育種利用 スイカ編 #010 【スイカつる割病レース1抵抗性選抜マーカー】

有用形質選抜のためのDNAマーカー
スイカ編 #010 【スイカつる割病レース1抵抗性選抜マーカー】

【概要】
 スイカのフザリウム萎凋病(Fusarium wilt, Fusarium oxysporum f. sp. niveum(FON))・スイカつる割病は、米国のスイカ産業に大きな収穫の損失を引き起こす真菌性病原である。
 FONは根系に侵入し、スイカに被害を与えるが、土壌中に長期間生存する胞子を持つため、管理が難しい病原菌であることに変わりはない。
 この病原菌は化学的防除法がないため、遺伝的抵抗性の開発が最良の選択肢となる。

 FONには4つのレース(0、1、2、3)が知られており、異なる品種の病原性に基づいて判別されている。
 最近のほとんどの品種は、1番染色体の末端にマッピングされたFONレース1(FON-1)抵抗性を持つ。

 マーカー支援選抜(MAS)を適用することで、FON-1抵抗性育種の効率を高めることができる。
 FON-1領域における選抜マーカーを同定するため、FON-1抵抗性が分離するF2集団に対し、QTL-seq法を用いた。

 この領域の一塩基多型(SNP)マーカーをKompetitive allele-specific PCR (KASP™)アッセイに発展させ、F2分離集団における形質との関連を検定した。
 FON-1に感受性の"New Hampshire Midget"とFON-1に抵抗性の"Calhoun Gray"の交雑体由来のF2集団を用いてマーカーの精度を調査した。

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