日商簿記2級(商業簿記)銀行勘定調整表とは?Vol.2
今回は、銀行勘定調整表の第2回です。
銀行勘定調整表において、銀行側の調整項目について
深く学習していきましょう。
銀行勘定調整表の基本的な内容については以下の記事で解説しています。
日商簿記2級(商業簿記)銀行勘定調整表とは?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
企業側において修正仕訳が不要なものとして、
「時間外預入」「未取付小切手(みとりつけこぎって)」「未取立小切手
(みとりたてこぎって)」の3つがありました。
上記の3つについて、銀行勘定調整表ではどのように処理するのか
解説していきますね。
①時間外預入
例題
決算日に現金600円を当座預金口座に預け入れたが、営業時間外であったため、翌日付で入金の記帳をした。
解説
当座預金を預け入れると(帳簿上の)当座預金勘定の残高は増加しますが、銀行の営業時間外に預け入れられた場合、銀行側の入金処理が翌営業日となるため、これが残高証明書の金額に反映されていません。
企業側 預入時にすでに当座預金勘定を増加させている
→帳簿上適正に処理されているので企業側の調整は必要なし
銀行側 翌営業日に入金処理がされるので当座預金はまだ増加していない
→銀行残高証明書残高の金額を増加させる
②未取付小切手
例題
買掛金支払いのために振り出した小切手800円が、決算日において、いまだ銀行に呈示されていなかった。
解説
当社が相手方に振り出した小切手のうち、いまだ相手方が銀行に持ち込んでいない(呈示していない)ものを未取付小切手といいます。
小切手を振り出したときに企業側では当座預金を減少させる処理を行っていますが、いまだ相手方が小切手を銀行に呈示していないので、これが残高証明書の金額に反映されていません。
企業側 相手方に振り出した時点ですでに当座預金を減少させている
→帳簿上適正に処理されているので企業側の調整は必要なし
銀行側 まだ小切手が銀行に呈示されていないので当座預金は
減少していない
→銀行残高証明書残高の金額を減少させる
③未取立小切手
例題
パンダ商店に商品500円を売り上げ、パンダ商店の小切手を受け取り、ただちに、キツネ銀行の当座預金口座に預け入れたが、キツネ銀行は、その小切手の取り立てを行っていなかった。
解説
他人が振り出した小切手を銀行に預け入れ、その代金の取り立てを銀行に依頼することがあります。このとき、銀行がまだ取り立てていない小切手を未取立小切手といいます。
企業側では、小切手を銀行に預け入れときに当座預金を増加させる処理を行います。一方、銀行側ではまだ小切手の代金を取り立てていないので、これが残高証明書の金額に反映されていません。
企業側 小切手の預入時にすでに当座預金を増加させている
→帳簿上適正に処理されているので企業側の調整は必要なし
銀行側 まだ代金を取り立てていないので当座預金は増加していない
→銀行残高証明書残高の金額を増加させる
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