食虫植物#2 人生はときどき戻れない
一度はいり込んでしまうと、なかなか戻れない道があります。
人間も虫も、同じです。
今回は、5種類あるトラップの中でも、誘い込みタイプの食虫植物です。
食虫植物は、教訓をくれます。
一方通行の罠
約550種類ある食虫植物の中でも、有名なのはゲンリセアです。
土壌性の微小生物を食べます。
ゲンリセアは、ギアナ高地に生息します。食虫植物の宝庫です。
ゲンリセアには、カワイイ黄色の花が咲きます。
その根っこに見える部分に、らせん状の茎が地中に生えています。
逆Y字になっている、らせん状の茎をよく見ると、横から入り込むことが出来るようになっています。
そこに入っただけでは、消化などされません。
しかし、一度入ると、上へ上へと自動的に進むよう設計されています。
仕掛けは、結束バンド(インシュロック)のように、一方方向はスムーズ。しかし、逆方向には行けないように、「返し」となる針やコブが付いているのです。
そして、行先は当然ながら捕虫器となります。そこで消化されます。
以下の動画でどういう仕掛けか動画で見ることが出来ます。
虫は、なぜこのらせん状の茎に吸い寄せられるのかは分からないそうです。
単なる好奇心や、何らかの利益追求が目的なのかもしれません。
当然、虫からすれば、「こんな穴だらけのトンネルならいつでも出られる」と思っていることでしょう。
しかし、入り口に少し入っただけで既にトラップにはまっています。
虫に出来ることと言えば、とにかく近づかないことでしょう。
人生の小さな選択でも、危ないものに近づかないことが重要です。
脆い(もろい)壁という罠
誘い込み式ではりませんが、落とし穴式のスゴイ戻れない道があります。
同じくギアナ高地に咲くブロッキニアです。
蟻を主に狙います。
けっこう大きい穴です。蟻ほど色々なとこを歩ける虫なら逃げられそうなものです。
しかし、内側の葉の表面がロウソクのロウのようになっています。
壁を登ろうとしても、表面の角質がはがれてしまうのです。
しかも、悪いことにこのロウは蟻にからんでいくので、身動きが取れなくなります。
頼りにしていたものが、自分の罠になるんです。
自分の能力や、誇りにしている何かにありがちな話です。
労働基準監督署のポスターみたいな絵です。(笑)
人間にも色々な罠があります。
虫と違う点は、私たちが餌食になる必要はないということ。
そして、自分にとっての罠を避ける知力があるということでしょう。
過信は禁物ですね。
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